子どもに算数を教えるは非常にストレスを感じることがあります。
なぜ、わからないかが親には解らないから。
大家3)は、子どもの知識や問題の解き方には個性があり、誤りやすいパターンがあると述べています。
もちろん、年齢による傾向もあります。
大家3)は、子どもはじっくり時間をかけて理解する場合と時間をかけない場合には、得られる知識が変わってくることを指摘しています。
つまり、子どもの理解の幅を一律に考え、早く問題を解かせようとすると無理がでます。
大人が思いもつかない考え方をしている場合も多いので、急がせてはいけません。
この点に関しては、長崎4)が、数学の答えは一つでも、考え方は複数あると述べていることに通じます。
時間のある時に、子どもがどんな風に考えているのかを一緒に時間をかけて探しましょう。
そもそも人は学力は大きな差があります。
例えば、水風船を空に放り投げてもらって割らずに受け取る。
「運動エネルギーを急速に停止させるから水風船が割れるんだよ」って言われて割らない方法をすぐに理解出来ますか?
理解できる方と理解できない方がいますよね。
では、漫画で説明を描いてもらったら?
実際に実験を体験してみたらどうでしょう?
子どもたちにも私たちにも同じこと。
片山5)は、電車ごっこで乗客の乗り降りをしながら数の増減を学ぶ方法を提示し、動きと算数的な表現を結びつけながら説明することの大切さを述べています。
教え方や理解、進み方もそれぞれに判断するべきで、時間をかけて、様々な方法を子どもと確かめることが必要です。
この年齢だからかわかるだろうは、効果的でないばかりか時に反対の効果をもたらします。
私達大人も同じですね。
参考文献
1. Erin A Maloney, et al. Intergenerational Effects of Parents’ Math Anxiety on Children’s Math Achievement and Anxiety. Psychological science. 2015 ; pii: 0956797615592630. 2. 渡部玲二郎. 児童の算数不安の構造及びそれに対する教師のサポートにつ いて. JJoumal of Educational Psychology, 1998, 46, P184-192.
3. 長崎栄三. 数理問題解決能力をいかに育むか. 品質 Vol45. No. 4. 2015.
4. 大家まゆみ. 小学校算数「場合の数」に関する児童のインフォーマルな知識と解放-謝りやすさを回避するためにー. 東北大学大学院教育学研究科研究年報. 第64集 第1号, 2015.
5. 片山元. 21世紀型能力の育成を目指した算数科の授業づくり ~第1学年「ふえたり へったり」の指導を通じて~. 岡山大学算数・数学 教育学会誌「パピルス」. 第22号P39-49, 2015.
6. Charles Cornell. I HATE MATH! I couldn’t learn it, and I can’t teach it!. Childhood Education 75; 4; 1999.
7. クリスティン・バーネット著、永峯涼訳.「ぼくは数式で宇宙の美しさ を伝えたい(英題:The spark a mother’s story of nurturing genius )」
8. ランドール・マンロー. ホワット・イフ?野球のボールを光速で投げ たらどうなるか. 早川書房. 2015.