子ども頃からアトピー性皮膚炎と言われ、塗り薬を使っても現状維持が精一杯、悪くなるのを繰り返しているが、時々人前に出るのも嫌なくらい悪くなる。
周囲の人が振り向くほど悪くなった時に、自分と同じくらい酷かった先輩の子どもは、症状が出た事が無くなったうえに週一回しか薬をつかってないと教えてもらった。久しぶりにその子をみて余りの変貌に驚いた。
1.重症度が高ければ入院・往診した方が圧倒的に治りは早い
上記は非常によくある例です。
アトピー性皮膚炎は、軽いうちに、出来るだけ早く、症状を全くない状態にします。
なぜなら、症状が出れば出るほど、出ている期間が長いほど、落ち着かなくなるから。
なので、ある程度以上の重症度だった時には、入院もしくは往診をお勧めします。
2.入院・往診のメリット
治療は1日2~3回のスキンケアを行います。
大人、子どもにかかわらず、ひとりでは体を洗うのも、薬を塗るもの大変です。
集中した治療をお勧めする理由は、ある程度の重症度で長く治療が上手くいかなかった場合、早く症状を無くしたい場合には、これまでと同じことをしていても同じ状態が続くだけだからです。
①2~3日で症状が無くなる方が当然よい。
このためには、体を洗って軟膏を塗るまでに約1時間、スキンケアに時間をかける必要があります。
母親一人、自分一人では長くは続きません。
②1人の兄弟をスキンケアしている時に、残りの兄弟は看護スタッフがやってくれる。
入院・往診で行った場合には、当然ご自身の時間は空きます。
1回1時間程度、子どものスキンケアを1日に2~3回行うのは、とても大変。特にスペシャルニーズのある子は1週間でも大変です。
しかし、肌が目に見えて改善し、体を掻かなくなって笑っている子どもを見た時には、これまでの苦労が報われます。
最初はどの程度まで医療スタッフに任せるか、ご家庭での話し合いが必要です。
アレルギー科は基本的にどこも予約が満杯であり、診察まで3~6ヶ月待ちのところも多いと思います。
生後4ヶ月で予約を入れたとしても、その子の診察と治療が始まるのは生後7ヶ月です。
3.同じことをしていても良くはならない
アトピー性皮膚炎が良くならない方は、「薬の選び方と塗り方」がその方に合っていないことも多くあります。
良くならない方は、一般的な強い弱いで決めた薬を悪い時だけ塗る。もしくは最初から自然の力を信じて薬を使わないことも多いです。しかし、これだと基本的に悪い状態がさらに悪くなったときだけ薬を使う羽目になるので、どこの病院に行っても同じ事の繰り返しになってしまいます。
今、アトピー性皮膚炎は毎日薬を塗り段階的に減らしていくのが主流(プロアクティブ)で、きちんと治療していれば、症状が無いもしくはほとんど無い日常を目指します。
良くならなかったのは、これまでは治療の選択肢が少なすぎたから、本来なら良くなるはずのものを治せていなかっただけ。本当はたくさんの、さまざまな症状にあった効果的な薬と使い方があって、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すのが私たちの行う現在の世界標準の治療です。
症状を無くして薬を使わなくても良くするために、これまでの経緯をよく聞いて、あなたの症状に対して薬を選び、これまでとは違った角度で血液検査の分析を行い、あなたのアレルギーを全く別の方向から見直すことで、じっくり治療方針を立てる必要があります。
つまり、必要なのは、まったく別の方向からアプローチすることで、これまでにない結果を得ることなのです。
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