トンデモ医療に騙されないために

腕と体を中心にかゆくて赤い湿疹が突然出るようになった。自分では蕁麻疹だと思っているが、その後も治まらず数ヶ月続いている。特に、疲れる、生理、入浴剤すると必ず悪化してかゆい。

病院では「何かのアレルギー」と言われ、出された薬を飲んでも、現状維持が精一杯で、時々悪くなるうえに改善しない。周囲の人からは病院を変えるようアドバイスを受けたが、良い病院がわからず。通える範囲の病院をいくつか変更してもこれ以上やる事はないと言われている。このままずっと薬を飲み続けなければいけない上にこの状態が続くのかと、かゆくなるたびにいつも不安に思うようになった。


1.アレルギーは過剰反応

自分と自分じゃないものを区別して、排除する仕組みを免疫と言います。

カゼのウイルスは自分じゃないので、敵。自分の心臓は自分だから敵じゃない。卵は自分じゃないけど、栄養源になるはず。

では、なぜ卵を食べると顔が腫れたり、全身に蕁麻疹がでる人がいるのでしょうか? 

実はアレルギーとは免疫の誤作動。


免疫が、本来は敵ではない特定のものを敵だとみなしてしまい、体に入ってきた時に攻撃して排除しようとすること。

つまり、「免疫の誤作動で症状がおきるのがアレルギー」です。

この攻撃を引き起こす物質をアレルゲンと言います。アレルギーの原因ですね。

牛乳アレルギーでは牛乳がアレルゲン、花粉症では花粉がアレルゲンです。

この誤作動は簡単に言えば、体質と遺伝で起きてきます。


2.採血でアレルギーはわからない?

身の回り全ての物質がアレルゲンになります。

症状も個人個人でバラバラです。体に入った量やその時の体調、疲労度でも大きく症状は異なります。

なので、医者に「そんなの聞いたことがない」と言われても、現実には、我々アレルギー医に聞けば「普通にあります」と言われることも多いです。

敵(原因)の侵入から「症状が起きるのがアレルギー」です。

つまり、症状がないのであればアレルギーではありませんし、敵が侵入してこなければ症状はでません。

3. 採血だけで診断することは、絶対に出来ない

これは、採血だけではアレルギーは診断出来ないことも意味します。

むしろ、成人の場合は採血はほとんど役には立ちません。

代表が遅発性小麦アレルギーと言われ、検査されるIgG4。

そもそも、IgGが遅発性小麦アレルギーと関連していると言い出したのは2000年代前半のアメリカの自閉症のDrです。遅発性小麦アレルギーが原因で自閉症になる、それにはIgG4を検査すればわかると「トンデモ医療」の方は言います。

IgGは5種類あって、それぞれの機能が未だ解明されていません。

さらに、IgG4は、アレルギーが抑制されているときに出てくるもの。

「治療が成功していると値が高くなる=アレルギーが治ってきている」時に判断に使う項目です。

我々はこの検査を、アレルギーを根本的に治す治療「免疫療法」を行っているときに行う検査です。

自費で検査している「トンデモ医療」の説明とは真逆に使っています

2008年頃には、アメリア小児科医会、アメリカアレルギー学会、アメリカ自閉症学会などで否定され、日本でも小児アレルギー学会などで公式に否定されています。

採血≠アレルギーではありません。

この事は、幼稚園の先生方が使う教科書や資料(ガイドライン)にも出てきます。幼稚園の先生方だけはこのことを知っています。

採血だけでアレルギーは診断できませんが、多くの方が「採血で反応が出ている」と言われています。

もし、「採血で反応が出ている」と言われたら、「どのくらいの値からアレルギーなんですか?」と聞いてみましょう。専門家であれば「採血だけでアレルギーは決められないけど、~さんの場合と経験的には~だとほとんど症状がでる」とか「この場合だと、経験的に症状が出た人はいない」と言われるはずです。

4. ポイントは「~さんの場合には」と「経験的には」です。

だから幼稚園の先生がアレっと思ったときに、「アレルギーの病院にいって相談してきて下さい」って言われるんですね。

私達アレルギー医は診察に時間をかけます。

我々専門は、必ず研究結果と経験に照らし合わせて診察するから。

あなたのアレルギーは全てつながっています。

これは、今までの症状、住んでいる地域、年齢、家族状況、持っている他のアレルギー疾患、症状の出る季節、症状などで、どの検査をどうやっていくか決めています。だから採血以外の検査も多いのです。

つまり、症状がなければアレルギーではないので、症状がないのに「採血したら~のアレルギーがわかった」とゆうのは、日本の健康保険内の検査ではあり得ません。

もちろん、細かい例外は沢山あるので、例外はあります。

【参考文献】

①藤澤 隆夫. アレルギー学の原点「アレルゲン」をめぐって.  アレルギー. 57(7), 803―806, 2008.
②成田雅美. アレルギー検査にはどんな意味があるのか:呼吸機能検査も踏まえて. 母子保健情報. 57号, 5月号, 2008.
③海老澤元宏. アレルゲンの回避の意義と指導の実際. アレルギー 57(1),1-8, 2008.

 

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