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ハチアレルギーについて

ハチアレルギーについて

いつもと同じように公園を走っていると急にハチに出くわし刺されてしまった。そのまま走っていたが、10分程度で全身のかゆみと息苦しくなった。全身真っ赤になり動けなくなって、救急車で運ばれた。

皮膚科に行くように言われ受診したが、うちでは対応出来ないと大学病院の皮膚科を紹介された。大学でもうちで対応する病気ではないと言われ、近くの内科に受診したが採血して説明もなく大きな病院に行くように言われただけ。採血の説明も良くわからないし、次に刺された死ぬとだけ言われた。日常生活をどうして良いかわからず、夏になると救急車で運ばれる不安をいつも持つようになった。

1.問題となるハチは地域で全く違う

北海道で問題となるのは、ほとんどの場合スズメバチですが、栃木県などではアシナガバチがほとんどであると聞いています。

また、ミツバチのアレルギーもありますが、ミツバチに刺されることはなく、日本では養蜂家以外で問題になることはありません。私がミツバチの免疫療法をやっていた子も海外から帰国した子でした。

北海道では日本に生息するススメバチ3属16種類のうち3属14種類が生息しています(ちなみに、アシナガバチは北海道には生息していません)。

体質の問題が大きく関与しますが、アレルギーとして問題となるのは、北海道ではスズメバチ(オオスズメバチ、キイロスズメバチ)が圧倒的に多いです。

スズメバチは女王バチ以外寿命が一年であり、8~10月に巣を最大にして次の女王バチを育てると言われています。つまり、この時期の攻撃性が最大だとされています。また、スズメバチは巣に近づけば近づくほど攻撃性が増し、事前に警告してくると言われています。最も危ないのがホバリングと言われ、空中で止まったままこちらを見ている状態が攻撃してくる寸前であるそうです。

キイロスズメバチは軒先などに巣を作ると言われ、いる場所がわかりやすいですが、オオスズメバチは古タイヤや地中に巣を作ると言われており、タイヤをどけた、巣を踏んだなど、経験的には警告なく攻撃されることも少なくありません。救急車で搬送されてくる人は、ほとんどがいきなり刺されていました。

また、雨の翌日も攻撃性が増すと言われています。これは、雨の日には餌を獲得できないので、お腹が空いているからとも。

また、スズメバチは針で1回刺すと死んでしまうミツバチと違い、針が2つ合わさった形でダブルになっており、これを上下に振動させることでドリルのように何度もさせます。このため、毒を注入される量が多く、10匹以上のスズメバチに刺されるとアレルギーに関係なく腎不全になり集中治療室での治療が必要だと言われています。

一方で、春先は女王バチしかおらず、女王バチが死ぬとすべてが終わるので、この時期はよほどでない限り攻撃してくることは少ないと言われています。

ススメバチはその生態から、北海道では9月、マラソン、建築現場、山での作業、がハチに刺されるキーワードです。

2.ハチは刺されないための予防しかない

アレルギーで死亡する場合には、薬5分、ハチ15分、食べ物30分と言われるくらい、アレルギーとしてのスズメバチの毒は強いです。多くの方は救急車で搬送されてくる時にはショック(死ぬ可能性がある状態)になっており、一歩間違うと死亡する可能性があります。搬送された時点ですでにお亡くなりになっていたこともあります。

多くの学校や職場では刺されてからの対応を気にしていることが多いですが、前述のように刺されてからでは間に合いません。刺されることを前提に対処を考えるのではなく、刺されないことを考えるべきです。

一方で、ハチに刺されたことがなければ、アレルギーになることはありません。体がこれは敵であると認識していないのに、アレルギーになることはないといったことです。

3.2回目に刺されたら危ないは間違い

ハチ、とくにスズメバチにさされた場合、アレルギーに関係なく激痛です。耐えられるレベルではないので受診します。

多くの場合には、刺された場所がものすごく腫れます。スズメバチの場合には細菌感染することも多く、病院ではアレルギーより刺された場所の細菌感染、または血管にそって腫れが腕や足の上に上がっていくリンパ管炎を起こしてくることも少なくありません。

また、よく2回目に刺されると危ないと言われていますが、間違いです。体内に入ったハチ毒の量が症状に関係していますので、1度で命を落とされる方もいます。何度も刺される可能性は低いですが、当然、2回目以降でもアナフィラキシーを起こすことはあります。

一方、ハチに刺されて2回目から全身症状(蕁麻疹、発熱など)に発展するのは刺された人の5~10%。次に、アナフィラキシーになるのは全身症状が出た人のさらに約10%です。

さらに危ないのは、刺されて1週間~から刺された場所以外の関節などが腫れてくる場合です。これはハチアレルギーの特殊型で、これも2回刺されると全身症状を起こしやすいと言われています。

一般に行われている健康保険内の採血は、あまり精度が高くありません。このため、刺されて意識がなくなり、痙攣するくらいのアレルギー症状を起こしても採血では何もない場合もあります。

採血はこれを補完するもので、詳しい問診と診察があって初めて約に立ちます。

参考資料
  1. スズメバチに注意しましょう
  2. Stinging Insect Allergy: Tips to Remember American academy of Allergy Asthma & immunoogy
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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