子どものアレルギー性鼻炎を治す

自分自身は、子どもの頃からアトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎を持ち、いつも鼻が痒くて、今もベッドに入ると苦しいことが続いている。

妊娠中は鼻が詰まって耐えられないくらいになったが、子どもに影響があると我慢していた。

自分の子どもも、兄弟揃ってアトピー性皮膚炎、卵と牛乳アレルギーがあるが、3歳になっても様子をみましょうと言われるばかりで何も良くなってない。

自分の子どもは、鼻がつまりやすく、薬を飲んでも点鼻をしても時々悪くなるのを繰り返している。

最近は、朝起きると鼻が痒いらしく、いつも鼻をいじっているかくしゃみをしている。

夜眠れないためか、いつも睡眠が機嫌が悪い。

このままずっと薬を飲むだけなのかと思っていたら、同じような症状だった姉の子どもは、今は月1回の注射だけで症状はないとゆう。どうやら、子どものアレルギー性鼻炎の原因はダニで、ダニから花粉症になり、果物アレルギーにもなるらしい。

聞いたことのない話ばかりで、自分の子どもとのあまりの違いに泣きたくなった。

1)鼻炎の原因は、「ダニ」

日本では、寝具にダニが一番含まれています。

日本で1gのチリ中に含まれるダニのアレルゲン量(アレルゲン:アレルギーを起こす原因物質)は、寝具中も絨毯も20㎍/g dustと言われます。

1歳時に室内でのダニアレルゲン量が、2㎍/g dust以上だとダニへの感作が始まり(採血で値が上がった状態)、10㎍/g dustだと7~11歳で喘息になる可能性は他の子より3~4.8倍高くなります。
 
これは喘息が発症する量、発作が起きる量が10㎍/g dustであることを考えると、寝具中のダニが最も大きな原因である、つまり、ダニアレルギーから喘息やアレルギー性鼻炎になりやすいことがわかります。

また、採血でダニの値が「20」を超えてくると、朝起きると鼻がつまっていると自覚する人が多くなってくるのがこの辺りになります。

2)子どものころが一番治りやすい

アレルギー性鼻炎の主な原因はダニ。

我が家の息子も私がイタリアで勉強してくるまでは、年中鼻がつまって寝不足になり、いつも機嫌が悪くてほんとうに大変でした。

ちなみに、ハウスダストアレルギーの主成分は「ダニ」です。なので、10年前に言われていたハウスダストは現在ではありません。

ダニの種類でほとんどを占めるのはチリ科のダニです。なかでもヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニが代表なので、採血ではどちらかを見れば十分です。

アレルギー性鼻炎の場合、抗アレルギー薬を飲むことが一般的ですが、効果は60%程度の人にしかなく、 2~4週間の治療で効果がない場合には、薬剤を変更する必要があります。

「効果がある」とは、「症状が無くなる」こと。

「以前よりマシになった」は効果が出てないのですが、薬剤を変更してもあまり効果が出ないことが明らかな場合があります。

「採決でダニの値が高い時」です。

このダニアレルギーを唯一治せる可能性があるのは、ダニアレルゲン免疫療法のみ。

なぜ、可能性なのかとゆうと、アレルギーを含めたすべての病気は、経過が長くなればなるほど、程度が重くなればなるほど治りにくくなるからです。

逆を言えば、子どもの早い段階から治療すれば、より治りやすいのです。

3)世の中では、寝具の掃除が知られていません

とはいっても、どこでもダニの治療ができるわけではないので、まずは出来ることを始めます。

つまり、ダニが多いところの掃除です。

日本は高温、多湿であり、世界でもダニが最も繁殖しやすい地域です。

このため、日本では寝具にもっとも多くダニが存在し、

寝具>絨毯>畳>フローリング

の順番でダニが多くなります。

さらに寝具で過ごす時間は、睡眠時間の7~8時間を考えると1日の1/3~4です。

特に小児は寝ている時間が長いですし、掃除は週1回でもそれなりにダニは低下できますが、経験的に週3回は必要です。

・掃除機は、吸引力よりも掃除回数の方が重要

・畳半畳分を、20~40秒かけて掃除機をかける

・布団は水の丸洗いじゃないとダニは死なない

・週1回以上の布団の天日干し+掃除機がけは効果ある

・布団カバーは、週1回は洗う

・防ダニの布団カバーはフッ素樹脂コート生地が一番効果がある

・ヌイグルミがあれば洗う

この中から、まずは出来るものを選ぶと良いでしょう。

つまり、布団に掃除機をかける、掃除機の種類は関係ないとゆうことになります。

布団にダニがいるままで防ダニカバーをかけてもあまり効果はありません。また、布団の中身でダニに差はないようです。

ダニ対策を目的として空気清浄器を購入するのは効果が低い。ダニはペットの毛と違い空中に浮遊する時間は短く、寝具から浮遊した場合には10分で約10%にまで減少するからです。

ここに記載している方法を3~6ヶ月継続してかなりダニを減らすことができますが、鼻のかゆみやつまりに効果を感じるまでには、約1ヶ月ほどかかります。

4)治せる可能性があるのは、ダニ免疫療法だけ

海外ではダニを含めたアレルゲン免疫療法が、アレルギー治療の第一選択で、抗アレルギー剤を飲み続けることはありません。しかし、日本では健康保険の問題でしかたがないにしろ、アレルゲン免疫療法は知られてもいませんし、出来る施設が限られています。

また、採血でのダニの値は、徐々に上がるのではなく、ある時を境に一気に上昇します。、

つまり、わかりやすくお話しすると、採血でダニの値が「20」だったとしても半年後には「80」になっていても全くおかしくはありません。

5)だから、これが必要

①布団の掃除

「布団の掃除機がけ」が一番簡単で必要です。

②ダニ免疫療法を早い段階で始める

免疫療法には、舌下と皮下注射があります。

③近くに無いなら、遠くまで

受診の間隔は月1~数ヶ月に1回です。自宅の近くにアレルゲン免疫療法が出来る病院がないなら、遠くまで受診しても良いのでは?と思います。

 

参考文献
①西岡謙二. 室内アレルゲン -とくにダニとペット-. アレルギー・免疫 21; 10; P74-80, 2014.

②滝沢琢己. エビデンスに基づいた環境整備 Update. 小児科臨
 床 68; 8;P1457-1462, 2015.

③秋山一男、他. ハウスダストの構成アレルゲン. アレル
 ギー・免疫. 20; 3; P86-92, 2013.

④続木康伸、他. お好み焼き粉に発生したダニによるアナ
 フィラキシーの双子例. 日本内科学会雑誌 104(5), P986- 
 989, 2015. 
⑤張会波、他. 全国の住宅における室内環境の分析. 日本建築
 学会技術報告集15(30), P453-457, 2009.

⑥福富友馬、他. 室内環境中のダニ・昆虫とアレルギー疾患.
 Indoor environment 12(2), P87-96, 2009.

⑦白井秀治、他ダニアレルゲンに対する家庭対策の非臨床研究を中止とした評価52回小児アレルギー学会 ワークショップ4-3

⑧藤枝重治.日小ア誌 2013;27:139-148.

⑨津曲俊太郎.日小ア誌 2018;32:41—46.

⑩鼻アレルギー診療ガイドライン 2016.

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