1)子どものアレルギー性鼻炎を治療しないとその後が大変です
「鼻をほじっちゃだめ」
子どもだと鼻をいじるのが、普通だと思っていませんか?
私はアレルギー医なので、すぐにアレルギー性鼻炎を思い浮かべてしまいますが、鼻が痒い代表はダニアレルギー、からのアレルギー性鼻炎でもあります。
子どもの場合には、ダニアレルギー→アレルギー性鼻炎→花粉症と進み、北海道では花粉症から約50%の人が果物アレルギーになります1)。
また、この流れは早ければ5歳くらいから始まります。
スギ以外の花粉症は先進国では日本だけ治すことが出来ず、果物アレルギーに至っては治せません。
何個のアレルギーが発症する、つまりどのくらいの種類の果物が食べられなくなるのかは、その子の体質によるので全く予想が出来ず、またどの程度のひどさになるのかも人それぞれです。
そして、この果物アレルギーには、ナッツアレルギーも含んでいます。
つまり、発症年齢が早ければ早いほど、子どもが大変な思いをするのです。
さらに、アレルギー性鼻炎を治療しないと鼻が詰まったままなので、鼻のつまりは放置すればするほど、治療しても治らなくなります。
ここで問題になってくる一つが、口で呼吸するようになることです。
2)歯並びが悪くなることは知られていません
鼻のつまりと、さまざまな歯並びの悪さ(不正咬合)は関連していることが解っており、特に上顎前突(出っ歯の状態、Ⅱ級不正咬合)が多く見られます2)。
このため、歯科矯正が必要になりますが、根本の原因の鼻閉を根幹から治療することにはあまり重点が置かれていません。
3)しかし、鼻のつまりは、抗アレルギー剤を飲んでいても治りません
アレルギーが原因であれば、早くから始めることで、完治させる可能性も高いです。
一方、鼻のアレルギーのために、抗アレルギー剤を飲んでいても、症状を和らげているだけで、
根治させるための治療(免疫療法)にはなっていません。
根本から治療するには、ダニアレルギーの治療が必要です。
4)現に、世界的に重要な歯並びが日本では軽視されています
オンライン英会話をやっておられる方ならお分かりかと思いますが、かなり多くのフィリピン人講師が歯科矯正中です。彼女たちは、「子どもの頃は、お金がかかるからできなかったから今やっている」と言います。
これは、歯科矯正の値段が下がったからではなく、彼女たちの給料が上がったから。
ちなみに、成人になってからでも歯科矯正は出来ますが、子どもの時よりも時間もお金もかかります。
私も成人になってから歯科矯正を行いましたが、良い歯科医師が解らず色々と大変な目にありました。歯科矯正後は、生まれつき1本ない歯を補うために、インプラントは飛行機を使って通院することになりました。
しかし、矯正治療後はある程度の後戻りが必須のようですが、私は上記のためずれが大きく、結局は歯を削る羽目になりました。
これは、子宮頸癌ワクチンも同様で、子どもの頃からやっておけば予防出来るものはできたのです。
5)だから、これが必要です
①子どもの頃に治しておくべきです
子どもの頃に出来る治療は終わらせおくことが普通です。
②良い歯科医師を見つけることが必須です
インビザラインは、自分が望む結果になるかきちんと判断が必要です。
③大人になってから自分でする選択肢もあります
時間もお金もかかります。
【参考文献】
1)小児と成人の花粉・食物アレルギー症候群の検討. 日本花粉学会誌. 65(1):21-24. 2019.