1)内服薬や定期注射で、予防接種が打てなくなるものはありません
現在、コロナ予防接種が打てない人は、1回目の時に「コロナの予防接種で重篤なアレルギー症状が出た人」だけです。
内科、整形外科、精神科、どの科に通院していても接種は可能です。
特に多いのは内科に通院中の高齢者から質問を受けますが、高齢者ほど「打たなくてはいけません」。
2)なんの病気でもコロナ予防接種は打って良いです
基本的に、コロナ予防接種は問題なく、逆に打つのを遅らせないようにとなっています。
抗凝固薬内服中の場合:注射後5分以上強く抑えるだけで良いです。INR > 3.0 、そもそものINRの調整が必要です。
全身ステロイド:常用していても、mRNAワクチンなら中止する必要はありません。ワクチンの効果に影響はありません4)。
鎮痛剤(Nsaids):内服していても通常通り打ちます。そもそも、ボルタレン、メロキシカム、セレコックスはコロナウイルス感染を悪化させません。そもそも、セレコックス(選択的COX2阻害薬)などは、コロナ感染の治療に有効であると報告されています2,3)。
てんかんを持っている方は、副反応の予防に解熱剤の内服がすすめられています5)。
高血圧、精神科の薬:一質問が番多いのがこれ。飲んでいても全く問題ありません。
抗がん剤使用中:通常通りに接種します。
抗てんかん薬:通常通りに接種します
3)ただし、注意する病気は決まっています
コロナ感染後:コロナ感染したら、回復後3ヶ月空けて接種します。
炎症性腸疾患(IBD):潰瘍性大腸炎やクローン病のことです。インフリキシマブ(レミケード)を使用中の方は1回のワクチン接種だと、免疫が付く割合が低いですが、2回接種することで大幅に改善します1)。きちんと、2回打ちましょう。
関節リウマチ系:使っている薬によって、常用する薬の投与時期が変わります。主治医に必ず確認しましょう5)。
4)現に、現場では間違えた情報が流れています
特に間違いがあるのが、解熱・鎮痛剤です。
コロナ予防接種の副反応のために飲む必要が出てきた場合には、予防接種の効果を考えて、どれを飲むかは主治医と相談する必要があります。
コロナ予防接種の副反応での発熱や打った場所が腫れた時に飲む解熱・鎮痛剤(Nsaidsと呼ばれてます)は、予防接種の効果に対してはっきりわかっていませんし、かかれた記事も多くは半年以上前です。
どの、解熱鎮痛剤を飲むと良いのかは、他のワクチンを参考にすることになり、大人と子どもで違います。
巷では大きく間違えた情報が書かれています。主治医に確認しましょう。
5)だから、これが必要です
①注射の薬だけ注意が必要です
特殊な薬のみ調整が必要です。高血圧は特殊ではありません。
②主治医に確認しましょう
③ネットの情報は間違いです
ほとんどの情報が間違いです。
【参考文献】
2) Dr. Liji Thomas. Some COX inhibitors/NSAIDs increase COVID-19 severity
3) SemihBaghaki, etal. COX2 inhibition in the treatment of COVID-19: Review of literature to propose repositioning of celecoxib for randomized controlled studies.International Journal of Infectious Diseases. 101,2020, Pages 29-32.
4) Chakravarthy K, etal. Recommendations and Guidance for Steroid Injection Therapy and COVID-19 Vaccine Administration from the American Society of Pain and Neuroscience (ASPN). Journal of pain research. Volume 2021:14 Pages 623-629.