「保湿」は、自分への投資です

これまで、年間のべ7000人の方を診察してきましたが、アトピー性皮膚炎が良くならない方は、「薬の選び方と塗り方」が間違えているからです。

良くならない方は、一般的な強い弱いで決めた薬を悪い時だけ塗る。もしくは最初から自然の力を信じて薬を使わない。しかし、これだと基本的に悪い状態がさらに悪くなったときだけ薬を使う羽目になるので、どこの病院に行っても同じ事の繰り返しです。

アトピー性皮膚炎は毎日薬を塗り段階的に減らしていくのが主流で、きちんと治療することで、症状が無いもしくはほとんど無い日常を目指しています。

 あなたが良くならなかったのは、これまでは治療の選択肢が少なすぎたから、本来なら良くなるはずのものを治せていなかっただけ。本当はたくさんの、さまざまな症状にあった効果的な薬と使い方があって、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すのが私たちの行う現在の世界標準です。

もしあなたがよくなっていないなら、症状を無くして薬を使わなくても良くするために、これまでの経緯をよく聞いて、あなたの症状に対して薬を選び、これまでとは違った角度で血液検査の分析を行い、あなたのアレルギーを全く別の方向から見直すことで、じっくり治療方針を立てましょう。つまり、これまでとはまったく別の方向からアプローチし、これまでにない結果を得ることを目指す必要があります。

1)肌は、心を守るものです

肌は自分の内面と外面、つまり「心と外の世界を分ける境界」です。

つまり、皮膚(外面)が悪いままになっているとゆうことは、外の環境がダイレクトに内面(自分のこころ)に影響を与えます。

人は、意識せずに「自分と違う部分」を見てしまう習性があります。

つまり、肌が荒れている子どもたちは、「他人が自分の肌を見ているのを自覚する」とゆうこと。

年齢が小さいうちは気が付きませんが、多くの人は幼稚園高学年くらいになると、大人が自分の肌を見ていることを自覚します。これは、私の患者さんに「自分の記憶の中では、いつ頃から肌が荒れていたか」を聞き続けた結果わかったことです。

結果、肌が荒れたままだと人から見られることを嫌がるようになり、子どもたちは人と目線を合わせなくなります。

アトピー性皮膚炎の子どもたちの視線を、注意してみてみましょう。

話す時に、目を合わせていますか?

「目線を合わせないのではなく、見られるのが嫌」

今まで何人出会ったかわかりません。

傷ついているのは、皮膚よりも心です。

湿疹がある男子は恋愛に奥手とも報告されており★)、湿疹があることでティーンの女の子は主観的健康感が損なわれる☆)とも報告されています。

予防できるはずのもので、子どもたちの心に傷を残す必要はないのです。

2)皮膚は、体の中を守るものです

この皮膚の状態が悪くなる代表が、アトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎は長期に症状が続く一方で、きちんと治療していれば症状がない状態を維持することが可能です。

逆に治療しきれないことのデメリットは、時間が経てば経つほど治りにくくなることを前提として、次々に新しいアレルギーを起こしていきます。

この状態を「アレルギー・マーチ」と言います。

ちなみに、アレルギーは自然に治ることは一部を除いてほぼないですし、大人になってからもアレルギーマーチはおこります。経験的に、大人になってからのアレルギーマーチは、命の危険があるアレルギー「アナフィキシ―」をほぼ必発で起こします。

アトピー性皮膚炎が自然に治ることを待つのは、「赤字の会社が、何もしないで業績が改善するのを待つ」と同じです。

通常のビジネスでは考えられません。できることはすべてやってはいかがでしょう?とゆうのが、私の見解です。

普段は冷静にビジネスを判断できる経営者さんでも、なぜか「大人になると、よくなるんじゃないんですか?」と言われる方や、ビジネスでは戦略変更が「秒」なのに、自分の子どものアトピー性皮膚炎治療については、独自の持論を展開して良くならないままに何年も経過している子もいます。

子どもの時にアレルギーマーチになると、大人と違い長い期間にわたりアレルギーを抱えなければなりません。

また、細菌・ウイルス感染症、成長障害(身長が低くなる)、発達の問題(身体的、精神的)の問題もあります。

#アレルギーマーチの話はこちら

3)だから、肌のバリアーをなおす「セラミド」が必要です

このため、アトピー性皮膚炎は症状をゼロにしておくのが普通です。

アトピー性皮膚炎の治療は、かゆみやぶつぶつを無くすのではなく、「何もない状態を維持しながら、徐々に薬を減らし、最終的に保湿剤だけを目指す」のが治療です。

なので、少しでも症状が残っていたり、薬が減らせていないのは治療しているとは私の中では言いません。

これは、人生を自由に生きていくための一歩だと思っています。

このために必要なのが、肌バリアの回復。

そして、肌のバリアを整えるには、治療が軽くなった時の保湿剤にこだわる必要があります。

皮膚のバリア機能にかかわっている成分の一つが脂質。

肌の脂質の内訳は、セラミド50%、コレステロール25%、非エステル型脂肪酸15%です2)

なので、肌バリアの重要な成分はセラミドで、現在11種類あるといわれています1,2)

肌のバリアーを回復させるためには、「湿疹をなくすこと」、と「脂質のコントロール」が必要で、セラミド入りの保湿剤を選ぶ必要があります。

この時大切なのは、食物・植物成分が入っていない保湿剤を選ぶこと。

アトピー性皮膚炎の場合、食物・植物成分が入っているスキンケア製品は高い確率でそのアレルギーになります。

なので、当院の保湿剤シルキーガールは、3種類のセラミドを合わせ、保湿と肌バリアの回復をさせることだけを目標に作りました。

セラミドのうち、セラミドAP(6Ⅱ) とセラミドNP(3)で肌本来のセラミドを補い、アトピー性皮膚炎で特に減少するセラミド EOP(1)で肌のバリアーを強化しています5)

開発までに、試作品を家族で試し続け、肌の改善度合いを記録し、開発までに9ヶ月かかりました。

#シルキーガールはこちら

ステロイドの治療が1日おき以下になり、ステロイドが終了できる目安がついた方、肌が荒れ気味になりやすい子ども、普段は保湿だけだけど何かの拍子であれる方に、とても良いと思います。

4)体は内科で、心は教育者の考え方で

だから、アトピー性皮膚炎を治療は、設計する必要があります。

内科の考え方と成長発達を見ていく教育者の考え方が必要です。

このためには、ワンオペの母親や子どもたちが否定されない環境を、アプリや工夫で作ることが大切。

保湿を日常生活に組み込むことは、「丁寧な暮らし」をすること。

肌が荒れている状態、心が荒れている状態では、保湿だけでは改善できないのです4)

5)だから、これが必要です

①「保湿」は、治療です

アトピー性皮膚炎の症状があるなら、それは本来のあなたではありません。スタートに立たせてあげるのが親の仕事です。

②「保湿」は、子どもとの時間です

保湿は、子ども一緒にいられる時間です。それは思っているより短いかもしれません。

③「保湿」は、セルフケア投資です

今の子供たちや若い人は120歳以上生きるでしょう。早く始めるほど、長生きするほど福利が効きます。

 

参考文献

★)Jon A Halvorsen:The Journal of investigative dermatology. 2014.

☆)Natalia Ballardini:Acta dermato-venereologica. 2013.

1)Annett Schroeter, etal. Evidence of free fatty acid interdigitation in stratum corneum model membranes
based on ceramide [AP] by deuterium labelling. Biochimica et Biophysica Acta 1788 (2009) 2194–2203.

2) Alexandra C. Kendall, etal. Lipid functions in skin: Differential effects of n-3 polyunsaturated fatty acids on cutaneous ceramides, in a human skin organ culture model. Biochimica et Biophysica Acta 1859 (2017) 1679–1689.

3) 徳留嘉寛. 各種生理活性物質をもちいた皮膚バリア機能改善. YAKUGAKU ZASSHI 139, 1549-1551, 2019.

4) Peter M. Elias, etal. Moisturizers versus Current and Next-Generation Barrier Repair Therapy for the Management of Atopic Dermatitis.Skin Pharmacol Physiol 2019;32:1–7.

5)Wojciech Łuczaj, etal. Lipidomic Analysis Reveals Specific Differences between Fibroblast and Keratinocyte Ceramide Profile of Patients with Psoriasis Vulgaris. Molecules 2020, 25, 630; doi:10.3390/molecules25030630.

 

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