乳児の食物アレルギーはこれ

1)乳児の食物アレルギーはこれ

乳児の食物アレルギーは、「卵」、「牛乳」、「小麦」です。

その他、大豆、バナナがあるくらい。ジャガイモ、米は10年以上前は少なくありませんでしたが、現在は「ほぼない」と言っても過言ではありません。

ちなみに魚アレルギーは1歳以上、大体2歳くらいで発症し、ほとんどの場合アトピー性皮膚炎の治療が上手くいっていません。米とジャガイモは、脱ステロイドを選んでいる方に多いです。つまり、アトピー性皮膚炎が重症にならなければ、可能性は低いとゆうこと。バナナもアトピー性皮膚炎がひどい子が多い印象です。

乳児の食物アレルギーは、よく食べるものなので卵が圧倒的に多いです。しかし、重症になるのは牛乳で、最も治りにくいのも牛乳です。

このため、同じ程度の重症度の卵と牛乳アレルギーを持っている場合、食べて慣らす方法(経口免疫療法)を行う際には、治りやすい卵を先にスタート、目途がついたら牛乳も1歳以下のできるだ早い段階から始めます。

2)世の中では、採血でわかると思われています

食物アレルギーは、食べて症状が出て初めて食物アレルギーです。

採血は、症状が出る確率を予想しているだけなので、採血でわかることは最新の研究データが頭に入っていないとできません。

つまり、採血では大丈夫なはずなのに、食べるとお腹が痛くなったり、逆に、アレルギーだと言われたものでもなんともない、もしくは、医師にそんなアレルギー聞いたことないと言われ、どうしたら良いのか悩むでいませんか?となるわけです。

実は、アレルギーの採血は、年齢、食べ物、症状、合併するアレルギーによって、見るべきポイントと対応が全く違ってくるので、幅広い経験と知識が必要なのです。

3)症状は、じんましん・嘔吐・ゲリ・チアノーゼ

乳児の場合のアレルギー症状は、じんましんと不機嫌がほとんどで、嘔吐、下痢が続き、そしてチアノーゼ(青白くなる)があります。食物の種類によって違いはあるものの、ほとんどが「じんましんと不機嫌」がセットです。

一方で、新生児に特有のものとして、新生児・乳児消化管アレルギーがあります。

お腹の症状だけがメインのアレルギーですが、わかりずらいのが、数時間後など時間が経過してから出現するタイプや腹部膨満、嘔吐、血便、発熱などや体重不良だけが症状の子もいます。

これは、新生児の頃から人工乳つまり母乳ではないミルクでアレルギー症状を起こします。

新生児の病気の場合、このタイプのアレルギーは頻度としてとても少ない一方でとても症状が重く、当然感染症など命に関わる違う病気の検査から始まりますので、どうしてもアレルギーの診断が遅くなる傾向にあります。

4)母親も食べないことが必要な子はごくわずか

食物アレルギーの予防を目的とした母親の食事制限は、効果が無いばかりか栄養に支障をきたすため、はっきりと否定されています。

重症度によっては、母乳から移行するアレルギーもあります。なので、例えば母親も卵を一緒に食べないなど、特別な治療が必要なこともありますが、ほぼないです。

母親も食べないことが必要なのは、通常のスキンケア治療を行っても赤ちゃんの肌が改善しない場合のみです。

ちなみに、妊娠中の食生活も子どものアレルギーとは関係ありません。授乳中に特定の食べ物を食べないのも関係ありません。

5)だから、これが必要です

①採血でアレルギーを決める

値によっては決められます。でも、ほぼ無理ゲーです。

②経口負荷試験が必要です

食物アレルギーは、食べて症状が出て初めて食物アレルギーです。

③全く食べないを選ぶのは悪い手

状況によりますが、年齢が経てば経つほどアレルギーは治りません。

【治療内容】

治療内容:食物に関連した採血を分析します。結果をもとに、今後の食べていくスケジュールを決めるために、実際にどのくらいの量が食べられるのかの検査(経口負荷試験)を行い、個人に合った対策を決めます。

費用:9歳以下は保険診療の範囲内(9歳以上は日本の健康保険は適応にならないため)。

考えられる副作用:経口負荷試験を行う場合、蕁麻疹、咳、アナフィラキシーなどのアレルギー症状が起こる可能性があります。

【参考文献】

1)海老澤元宏編. 年代別食物アレルギーのすべて第2版. 南山堂

2)監修:海老澤元宏、伊藤浩明、藤澤隆夫. 食物アレルギー診療ガイドライン 2021

3)福家辰樹. アレルギー予防の観点から考える離乳食の進め方. アレルギー. 69(10),972-978, 2020.

4)Peters RL, etal. Early Exposure to Cow’s Milk Protein Is Associated with a Reduced Risk of Cow’s Milk Allergic Outcomes. Allergy Clin Immunol Pract. 2019 Feb;7(2):462-470.

5)Du Toit G, etal. Randomized trial of peanut consumption in infants at risk for peanut allergy. N Engl J Med. 26;372(9):803-13, 2015.

6)Natsume O, etal. Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet. 21;389(10066):276-286, 2017.

7)Section on Breastfeeding. Breastfeeding and the use of human milk. Pediatrics. 129(3):827-41, 2012.

8)海老澤元宏、他. 食物アレルギー診療ガイドライン2016.

9)Anne Zutavern, etal. Timing of solid food introduction in relation to eczema, asthma, allergic rhinitis, and food and inhalant sensitization at the age of 6 years. 121(1), 44-52, 2008.

10)Caroline Roduit, etal. Increased food diversity in the first year of life is inversely associated with allergic diseases. J Allergy Clin Immunol.133(4):1056-64, 2017.

11)成田 雅美. 食物アレルギーの発症予防~離乳食早期摂取による経口免疫寛容~. 日小ア誌 2020;34:391-399.

12)夏目統. 乳児期早期摂取開始による食物アレルギー発症予防. 日小ア誌 2019;33:12‒19.

13)赤ちゃんとお母さんのためのアレルギー読本. 周産期医学. 2018年増刊号

 

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