子ども ハウスダストとダニアレルギー


 

1)ハウスダストはダニのこと

日本人の30%以上が、アレルギー性鼻炎を持っていると言われます。

このアレルギー性鼻炎で圧倒的に多い原因が、ダニですが、10年以上前にハウスダストアレルギーと言われていたものは、現在はダニが原因であることがわかっています。

ダニは体をアレルギー体質に傾ける力が強く、気管支喘息や冬のアトピー性皮膚炎の悪化にも直結しています。北海道では、バラ科果物のアレルギーのスタートはダニアレルギーであり、ダニ→アレルギー性鼻炎→花粉症と進み、花粉症になった30~50%の人が果物・野菜アレルギーになります。

花粉症や果物野菜アレルギーのスタートが、ダニアレルギーなのです。

2)ニ免疫療法

一般的に処方されているアレルギーを抑える薬だと、あくまでも症状を抑えているだけで、治ることはありません。

時間が経てば経つほど治りにくくなるだけです。

免疫療法は、アレルギー性鼻炎の原因であるダニアレルギーを治せる可能性のある唯一の方法です。

ダニとスギだけは、日本でも健康保険で受けることができますので、例えば乳児医療を持っている方は無料です。

体がアレルギーだと思っているものを、少しづつ体に接種して慣らしていく方法で、「注射」か「内服(舌下)」の2種類があります。

ヨーロッパで勉強している私には一般的な方法で、日本以外では各種花粉、イヌ、ネコ、ウマ、ハチなど様々なアレルギーの治療ができますが、日本だけダニとスギしか受けることができません。

唯一抗アレルギー剤の内服で治るとすれば、採血でダニの値が20以下の時です。

20を超えると自然に治ることはない印象です。 

自宅でやれるとしたら、布団の掃除です。

#ダニアレルギーの予防方法はこちら

ハウスダスト 予防方法

 

3)療期間は最低3年、推奨5年

うちのクリニックでのダニ治療は、注射も内服(舌下)も最低3年、推奨5年です。

注射も内服(舌下)も効果は同じです。

ただし、大きな違いがあり、注射なら月1回、内服(舌下)なら毎日内服した場合において、効果が同じとゆうことです。

5年継続すると内服は2年くらいは飲み忘れますので、実質の効果は注射の方が高いです。

しかし、注射の場合、「え、こんだけ?」とゆう量を予防接種のように注射するだけですが、「導入」と呼ばれる最初の1週間は毎日病院にきて、1日4回とか注射しないと免疫がつきません。

#スケジュールはこちら

ダニ皮下注射スケジュール

このため、小学生以上の子では、50%の子は長期休みを利用し、50%の子は学校を休んでいます。

また、中学生以上は親の付き添いは不要ですが、小学生以下は付き添いが必要です。

このため、祖父母が付きそうことが多いです。

ダニアレルギーの治療は、体が敵だと思っているものをちょっとずつ体に入れて慣れさせていく治療のため、アレルギー症状が出ることもあります。

注意事項を守っていれば、自宅でアレルギー症状が出ることは珍しいです。

#注意事項はこちら

ダニアレルギー:治療中の注意事項

3)いつ始めるのか

いつでも可能で、出来る限り早いほうが良いでしょう。

アトピー性皮膚炎と気管支喘息ある場合には、症状を落ち着かせてからなので、初診から1ヶ月以上経過してからになります。

5)私が、子どものアレルギー性鼻炎を治療する理由

私の息子はアレルギー性鼻炎がとても酷く、人の4倍の薬を飲んで、2倍の量の点鼻薬を使っていました。

しかし、色々な専門医に受診しても、4歳の時にはこれ以上やれることはないと言われ、鼻の詰まりで息子は夜中に泣いて起きる状態でした。

その当時、アレルギー医になりたてだった私は、親として「本当に治療方法はないのか?」と思う反面、専門医が言うならと諦めの気持ちから泣きたくなっていました。

ところが、勉強に行ったイタリアのアレルギー学会で、他の国ではアレルギー性鼻炎の原因のダニアレルギーは、注射で根治させていることを知ります。

そこで、私は日本でも同様の治療を探しましたが、2015年の日本では他の国よりも6割程度の効果しかない薬しかありませんでした。

他の国と同じ薬を輸入して治療しようとしましたが3ヶ月はかかる事がわかったので、まずは息子のダニアレルギーを日本にある薬で開始しました。

すると、治療開始1ヶ月後には夜中に起きることは一切なくなり、不眠が続き機嫌の悪かった息子や家族がイライラする事はなくなり、明らかに私の息子の鼻は良くなっている事を実感しました。

そして、3ヶ月後には今まで悩んでいた症状を忘れるくらいになり、今までの薬を減らし始めました。

その6ヶ月後には月1回の注射以外の薬は不要になり、現在に至ります。

大量にあった毎日の薬も必要なく、鼻の症状がない事で生活が楽になり、毎日快適に眠れることでストレスもなく、家族が毎日笑えるとは思ってもいませんでした。

いつでも笑っている家族をみて、もっと早く注射の治療を知っていれば、4歳だった頃の私の息子が毎日泣くようなことはありませんでしたが、実はごく一部の日本のアレルギー病院でもこの治療は普通に行われていたことを後に知ります。

一方で、アレルギーを掲げているクリニックは多いものの、健康保険の仕組み上仕方ないこととはいえ、アレルギーを根治するような治療や我々アレルギー医が行っているような検査を行える医者は全体の0.5%程度もいません。

このため、有名なアレルギー病院に患者は集中し、受診するのに3〜6ヶ月待ちです。

広告や宣伝をする必要が無いので表にも出てきません。

こういった状況のため、地方のアレルギー医であった自分では、アレルギーを根治するような治療や全てのアレルギーに対応して治療を行っている医師達と知り会うことが出来ませんでした。

ですが、私は今もアレルギーの勉強を続け、海外の学会を回っています。

さらには、知り合ったアレルギー医達にお願いし、休暇を取って日本全国の病院を勉強して回り、アレルギー医同士で患者さんを紹介し合って、他のアレルギー医達と関係を作り続けています。

私の息子は何年もこの情報に辿り着けませんでしたが、私がアレルギー全般の治療が行えるようになった今では、早くから知っていれば大きく生活が変わるアレルギーの治療を、悩み続けている私のところ来る子ども達には受けてほしいと思っています。

 

【参考文献】

田中裕也、他.日小ア誌 2016;30:627‒634

 

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