果物アレルギー:一覧

1.果物・野菜は、花粉症と関連

北海道では、果物・野菜アレルギーは、花粉症と関連しており、花粉症になった30~50%の人が果物・野菜アレルギーを発症します。

果物・野菜と関連する代表的な花粉は、4月から飛ぶシラカバ、夏のイネ科です。

が、最近の花粉症の傾向として、5~6月のブナ・コナラ、秋のヨモギが増えている印象です。

この花粉と果物・野菜アレルギーの関連は、今後増加してくると思います。

特に、ブナは土地に水を保つ力が非常に強いので、既存のスギの木をブナに植え替える作業が進んでおり、花粉症も今後は全国的に劇的に増加してくると考えています。

さて、花粉症が最初に発症、数年後に果物・野菜アレルギーになる方がほとんどですが、花粉症とほぼ同時期に果物・野菜アレルギーを発症する方もいます。

北海道のメインの原因のシラカバは、年によって200倍も花粉の飛散量に差があります。

つまり、スギ花粉症と違い、ほとんどの方はすごく花粉が飛んだ日にだけ症状が出る方が多いため、本人が自覚していないことも多いです。

2.バラ科の果物

代表的なのはバラ科ですが、非バラ科の果物も頻度としては結構多いです。

果物・野菜アレルギー

果物・野菜アレルギー

左側の花粉に反応して、右側の果物・野菜のアレルギーが発症してくると考えてください。

ただし、これは「この花粉でこの果物・野菜アレルギーを、起こしてくる可能性がある」とゆう意味です。

果物・野菜アレルギーになった最初の1年で一気に食べられない果物が増えます。その後は2~3年かけて増えることもありますが、最初の年でアレルギーになる果物・野菜はほぼ決まります。

ほとんどの場合、リンゴ、ナシ、サクランボのみで終わります。

果物・野菜は、旬があるために、翌年になって気が付くこともあります。

北海道以外では、野菜アレルギーは非常に珍しく、トマト以外は聞いたことがありません。

一方、私は患者さんが多いこともありますが、かぼちゃ、唐辛子、ごぼう、セリ、人参、キャベツなどあまり皆様が聞いたことのない野菜アレルギーの方を診察することが多いです。

野菜アレルギーは、50歳以上、特に高齢者のアレルギーと言っても過言ではありませんが、花粉症の低年齢化が加速しているので、今後は子どもたちも野菜アレルギーになることが多いと思われます。

3.採血で反応が出てる?

意味がありません。

そもそも、検査できない果物・野菜も多いです。

果物・野菜アレルギーは採血の精度が低いので、採血結果の分析方法には知識が必要です。

このため、「食べて症状が出るものだけがアレルギー」で、採血で反応が出ているいないは意味がありません。

ただし、経験的に「この果物・野菜で、この値ならひどくなりそう、経験的には数年以内にアレルギーになりそう」など、経験的な確率で予想することはできます。

また、「りんご、もも、なし、さくらんぼ」のみのことが多いため、「バラ科の果物全部食べないで」は意味がありません。

また、年齢でもどの果物・野菜アレルギーになるかは、ほぼ決まっていますが、高齢になればなるほど、バラ科のアレルギーではない果物・野菜アレルギーになってきます。

5~6年前までは、バラ科のアレルギーは、30代くらいまでが上限で、それ以降の年齢になって発症してくることは経験上ありませんでしたが、ここ数年は50~60代の方の発症も増えてきています。

4.口の中が痒いだけ?

人によります。

そもそも、花粉症に関連して起きてくる果物・野菜アレルギーは、「花粉・食物アレルギー症候群」と呼ばれています。

つまり、「花粉症を持っている人が果物や野菜を食べる事により、口腔・咽頭の掻痒、時に喘鳴、腹痛、皮疹などの全身症状やアナフィラキシ―を起こす」と定義されています。

ようするに、「口の中がかゆいだけじゃないよ」ってことです。

呼吸苦、全身蕁麻疹、腹痛・嘔吐などで、救急車で搬送されることもあります。

果物・野菜アレルギー 救急搬送される人はこの人

食べて、症状が強く出る人かどうかも、採血で判断するには慣れが必要です。

また、私個人の経験では、皆さんが聞いたことのない果物・野菜アレルギーの方が症状は強くでます。

例えば、ライチ、キャベツ、ブドウ、人参などです。

加熱すれば食べられるかといえば、それはまた別の話です。

アレルギーは、「その時の体調」と「体の中に入った量で症状が決まる」ため、普段は大丈夫だったは通用しません。

つまり、「加熱すれば食べられるか」は、「本人の体質、体調、食べたものによる」が正解です。

ちなみに、成人の果物・野菜アレルギーで、アレルギーのひどい症状アナフィラキシーを起こして救急搬送されてくる人は、「飲み物」で症状を起こしてくることがとても多いです。

固形の場合には、口がかゆい、違和感があるなどで食べるのをやめることができます。

が、飲み物、特にアルコールの場合には、一気に体に入ってしまうため、圧倒的に悪くなりやすいです。

このため、すべて飲み終え、症状が出てから気が付くことがほとんどのため、私の経験では救急車で搬送されてくる方の9割がこのパターンでした。

【参考文献】

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