イヌ・ネコアレルギー:蕁麻疹だけじゃない

採血では大丈夫なはずなのに、一緒にいると目が痒くなったり、逆に、採血でネコアレルギーだと言われたのになんともない、もしくは、医師に動物アレルギーの薬はないと言われ、どうしたら良いのか悩んでいませんか?

実は、動物アレルギーは、年齢、動物、症状、合併するアレルギーによって、見るべきポイントと対応が全く違ってくるので、幅広い経験と知識が必要です。

1)イヌ・ネコアレルギーの症状とは

①眼・鼻、②呼吸、③皮膚のかゆみ(じんま疹など)、④アナフィラキシーの順番で、多いです。

つまり、アレルギー性結膜炎、鼻炎、喘息発作がおきます。皮膚では、アトピー性皮膚炎の悪化
や接触尋麻疹がおこります。

さらに、動物アレルギーは症状の出方に違いがあり、触れ合ってすぐに症状が出るタイプ、時間が経過してから出るタイプ、嘗められなければ大丈夫の3つに分かれます。

ネコのいる家で、初日は大丈夫だけど1泊した翌日から身体が痒い。ハムスターが部屋にいる分には症状を感じないけど、小屋の掃除をしたら眼が痒くなる。乗馬をして、帰るころになると呼吸が苦しくなってくる。など、個人によって症状や症状が出る時間も様々です。

圧倒的に多い症状は眼の痒みですが、咬まれたり引っ掻かれたときには、体に唾液などのアレルゲンが侵入します。

つまり、噛まれる=注射されたのと一緒なので、全身のかゆみ、呼吸苦などを起こし、命に係わるアレルギーのアナフィラキシーに至ります。

特にハムスターの場合には、かまれるまで、「ケージの掃除をするときだけ、眼や鼻が痒い」だけのことが多いですが、噛まれた途端に救急車とゆうパターンになります。

この場合、全身蕁麻疹が出て、眼・鼻のかゆみ、呼吸が苦しくなる症状が急激に進行するので、命の危険を感じます。

我慢できる状態ではなく、「最初は我慢しようとしたけど・・・」と言われる方が多いです。

子どものアナフィラキシー

子どものアナフィラキシー

アレルギーは、「アレルギー成分が体に入ってきた量とその時の体調」で症状が決まります。

動物アレルギーは、自然に治ることはありません。

通常は、アレルギー症状が出れば出るほど、徐々に悪化していきます。

つまり、飼育を続けていればいるほど、出会う機会が多ければ多いほど、悪化する人は悪化していくとゆうことになります。

2)毛が抜けにくい=大丈夫はバツ

ペットのアレルギーの原因となるのは、フケ、毛、尿、唾液、便と言われていますが、実際に問題になるのは、フケ、毛、唾液です。

このうちフケは、最もアレルギー成分が強いとされています。

つまり、毛が抜けにくいから大丈夫は通用せず、「毛が抜けにくいからまだマシ」程度。

実は、掃除をすれば大丈夫だとゆう訳ではありません。

この原理でいうと、ペットの体が小さければアレルギー量は体の大きなペットより小さいです。

洗いやすい、毛が少ない、毛が抜けにくければアレルギー量が少ないということになります。

なので、実際問題として、イヌで言えばプードルよりはゴールデンの方が症状は出やすく、洗ってないイヌよりは洗ってるイヌの方がアレルギー症状は出やすいです。

なので、イヌによって差がある、この家のイヌは大丈夫だけど、この家はダメなどの違いはこのためです。

一方で、アレルギーの強さの問題もあります。

ネコはそもそもアレルギー症状がイヌより強い印象ですが、イヌとウサギは、部屋の掃除をすれば結構いけますが、ネコはダメです。

ネコの毛は、いったん空中にうくと48時間は浮いていることが解っています。

ネコの場合は重症のネコアレルギーになると、眼がかゆくなるので、動物園のライオンやトラの方向が分かると言います。

ネコ科は、それくらい毛が飛びます。

なので、部屋の掃除をしたから、空気清浄機を買ったから大丈夫は通用しません。

また、人の洋服についているネコの毛で症状がでることもよくあります。

電車に乗って急に眼がかゆくなったは、この可能性があると報告されています。

これがイヌになると、 5 分間シャンプー、40℃ のシャワーで洗うと翌日には、アレルギー量が99% 低下、2 日目で 78% 、3 日目で 60% の低下します。もとに戻ってしまいますが、週に 2 回洗えばアレルギー量を低めに保つことはできます。

ただ、ゴールデンなどの大型犬を、週2回洗うのはとても大変な作業で、正直無理かなとも思います。

私は、ゴールデン、ボクサー、コリーなどの犬種を実家で飼っていましたが、週1でも洗うのは大変です。

3)そのほかの動物アレルギーは?

アレルギーを起こしやすいのは、毛のあるペットです。

つまり、猫、犬、うさぎ、げっ歯類(ハムスター、テグーなど)、鳥です。

テグーアレルギーは、年に2~3人くらいです。

アレルギーになりやすい動物は、ネコ、イヌ、ウサギ、ハムスター、モルモット、フェレット、馬の順番で、また患者さんの数が多いです。

珍しいところだと、フェネックキツネもいました。

報告では、ハリネズミのアレルギーも読んだことがあります。

これは、接する(つまり、飼育頭数)機会が多いほど頻度も増えます。

飼育頭数の増加から、うさぎアレルギーが増えている印象です。

鳥は、他のペットに比べると飼育数が少ないので、比較的珍しいですが、喘息の悪化、実家に帰ると呼吸苦が苦しくなるなど呼吸に症状でます。

馬も珍しいですが、馬アレルギーの場合には、その体の大きさからアレルギー成分が多く、全身蕁麻疹や呼吸苦などの、大きな症状を起こすことが多いです。

げっ歯類に関しては、寝床ならびにエサとして、草を使いますが、これがイネ科のチモシーであることが多く、イネ科の花粉症の人は毎日アレルギー症状がでます。

毛のないペットでアレルギーを起こすことは少ないですが、毛のないペットは刺されたり噛まれたりしてアレルギー症状を起こすことはあります。

トカゲ、ヘビ、クモ、クラゲ、イグアナなんかです。

全然関係ありませんが、私が救急医だったころ、電気ウナギの水替えで感電してやけどをした人や、タランチュラのケージを清掃しようとして、毒針を目に飛ばされた人などがいました。

珍しい動物、エキゾチックアニマルは、飼ってみないとアレルギーになるかどうかもわからないです。

そもそもが、飼育とゆう面で、慣れている動物病院を探すのも大変だし、よく考えたら野生動物で、ペットではないなとゆう印象です。

4)方法は4つ

動物アレルギーを治療する方法はあります。

日本以外の国では、動物のアレルギー成分が薬としてあるので、それをちょっとずつ注射して体を慣らしていきます。

以前は「脱感作」と言われていた方法で、現在は「免疫療法」と呼びます。

しかし、残念ながら、根本的に治療するための動物アレルギーの治療は、日本だけ健康保険で治療することが出来ません。

また、日本でこの治療ができる病院もごく限られています。

とゆうことで、現実的な方法は以下です。

①避ける

絶対に症状の出ない方法です。

ただし、ペットをすでに飼育している場合には、他人に譲渡することになり、簡単にはいきません。

②ペットに体が慣れることに賭ける

200~300人に1人くらい運が良い方がいて、飼育しているうちに症状が無くなることがあります。

-ただし、これは医師が個別にその人を判断し、スケジュールを立てて、定期的に治療していく免疫療法と違い、慣れるかどうかは運任せ。

運が良い方だけです。

このため、慣れるといっても今飼育しているペットが来ている間だけ。死去した後には、しばらくして新しい子を迎えた時にはアレルギー症状が、再びでることがほとんどです。

また、自分の家では大丈夫だけど、他人のペットで症状がでるのはかなり多いです。

③抗アレルギー剤を飲む

抗アレルギー剤を飲むことで、アレルギー症状をおさえることができます。

ただし、その人のアレルギーの強さによるので、飲み薬だけでは収まるかどうかはやってみないとわかりません。

この方法は、ペットを飼っている祖母や親せきの家に行くときにも使えます。

ポイントは、アレルギー症状が出てからではなく、出る前に飲んでおくことです。-例えば、ネコを飼育している祖父母の家に行くなら、前日から帰宅した翌日まで内服が必要です。

④ ③+点鼻、点眼

ちなみに、目・鼻の症状が飲み薬でも予防できない場合には、予防的に点眼、点鼻を追加しないと間に合いません。

⑤ステロイド吸入

呼吸に症状が出る場合には、喘息と同じ治療、吸入ステロイドが必要です。

動物アレルギーでペットを飼っており、呼吸に症状が出ている場合、症状が出なくなる薬を選ぶ必要があります。

これは、症状がどんどん進行していくためで、症状が出ている期間がながければ、ペットに触れていないときでも、咳、呼吸苦、喘鳴などが出てきます。

こうなってくると、薬の量を増やすことでしか対応できませんし、年齢を重ねるほどひどくなっていきます。

最初からフルコースで治療する手もあります。

飲み薬、目薬、鼻のスプレー。これでだめなら、吸入を追加がフルコースです。

つまり、どの段階でも飼育している間はずっと薬が必要なのです。

5)掃除の仕方

掃除をするとまだマシくらいで、突然アレルギー症状がなくなることはありません。

①ブラッシングをこまめにやる

②週に2回洗う

③掃除器は毎日

④寝室に入れない

⑤掃除はだれかに頼む

ネコの場合は毛が飛ぶので、④は通用しません。

ハムスターの場合には、ケージの掃除をしない、噛まれなければダイジョブなので、ハリネズミ用の皮手袋を使って触るとゆう方法もあります。

とゆうことで、どちらにしろ、どこまで飼育したいのかは、よく考える必要があります。

【参考文献】

①堀口高彦. 耳喉頭頚. 91; 1;61-67. 2019.

②吉原重美、他. Modern Physician. 38; 10; 1077-1078. 2018.

③赤澤 晃. 日小ア誌 2014;28:58-65

④Hodson T,etal. J Allergy Clin Immunol 1999;103:581-585

⑤David A Warrell.infect Dis Clin North Am. 2019 Mar;33(1):17-38.

⑥Núñez-Acevedo B,etal. J Investig Allergol Clin Immunol 2015; Vol. 25(5): 365-384.

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