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アレルギー体質のママが、赤ちゃんにすることはこれ

アレルギー体質のママが、赤ちゃんにすることはこれ

自分自身は子どもの頃からアトピー性皮膚炎と喘息を持ち、いつも痒くて、時々苦しいことが続いている。

自分の子どもも、兄弟揃って乾燥肌、かゆくなるたびに病院で薬をもらっている。3歳になっても様子をみましょうと言われるばかりで、何も良くなってない。

こんなものかと思っていたら、アレルギーをたくさん持っていた自分の姉は、今は症状がなくなっていた。

聞けば、姉は妊娠中も気管支喘息の吸入はやめてはいけないと言われており、生まれてくる赤ちゃんのために、妊娠後期から母親は乳酸菌を毎日摂り、出産後すぐから全身保湿剤を塗ることを教えられていた。

そのせいか、姉の娘は肌トラブルが一切ないばかりか、アレルギーもない。

姉の話では、乳児湿疹はすでに肌のバリアーが壊れている状態で、アトピー性皮膚炎かもとゆう。

【結論】

・妊娠中は、母のアレルギー症状がゼロになる治療が必要。

・妊娠後期からは腸内細菌を整える。

・赤ちゃんは生後7日以内から保湿を続ける。

【すると、こうなる】

赤ちゃんにアレルギーが遺伝しにくくなります。

1)妊娠中のアレルギー症状はゼロにしておく

重要なのは、薬剤を使用しないことではありません。最低限の薬剤量で妊娠中にアレルギー症状を起こさないこと、かつ胎児に合併症なく安全に出産することです。

妊娠中は血液量が増加するため、1/3くらいの人のアレルギー性鼻炎は悪化します。特に鼻閉がかなりひどく、とても我慢できるレベルではありません2)

また、妊娠中の気管支喘息は、増悪,改善,変わらないが1/3づつとされています1)。アトピー性皮膚炎は印象的に悪化するかしないかで、50%づつくらいの割合です。

つまり、30%以上の人がアレルギー症状が悪化するのですが、母親の妊娠中のアレルギー症状は、生まれてくる赤ちゃんのアトピー性皮膚炎、気管支喘息、5歳までのアレルギー性鼻炎と関係しています6)

例えば、母親の妊娠中の気管支喘息症状は、子どもの気管支喘息と関係し7)、妊娠中のアレルギー性鼻炎症状は、子どものアレルギー性鼻炎と関係します8)

つまり、妊娠中にアレルギー症状を起こせば起こすほど、子どもがアレルギーになりやすくなるとゆうことです。

また、気管支喘息の症状がひどかった場合(コントロール不良とゆう)、胎児死亡、低出生体重児や早流産、先天奇形のリスクとなることがわかっています3)

結局、母親の体調がよくないのに、胎児によい訳がないのです。

2)妊娠後期からは腸内細菌を整える

ビフィズス菌は、母体の産道通過時に獲得している可能性があります。

①胎児の腸管は無菌

②産道通過時に菌を獲得

③24時間で赤ちゃんの全腸管へ

④1週間で腸管細菌叢が定着

腸内細菌は、乳児期早期にメンバーが決まりますので、早い段階での対応、つまり結局は母親のケアが大切です。

母親の腸内細菌を整える、つまり妊娠中に乳酸菌をとると、アトピー性皮膚炎の予防になることもわかっています。

特に、①妊娠後期から授乳中も、②複数のプロバイオティクス(生きて腸に届く乳酸菌のこと)をとることで、アトピー性皮膚炎の発症率を20~50%抑制できること、がわかっています9~11)

乳酸菌は、既製品で大丈夫。あくまでも「予防になりますように」と願いを込めて数種類の乳酸菌製剤を日替わりで食べる程度なのです。

これまで、世界中の研究結果で良いとされる乳酸菌を試してみましたが、これまで何百人もの妊婦さんをみてきた経験からだと、お勧めなのが、「ヤクルト」「母親の地元企業のヨーグルト」をレギュラーメンバーに入れるのが良い印象です。やはり、日本人には「シロタ株」が合うようです。

一方で、腸内細菌は「アトピー性皮膚炎の発症予防には効果あり」で決着がついていますが、「治療には効果なし」でも決着がついています。

全ては予防なのです。

3)生後7日から保湿を続ける

子どもが乾燥肌で悩む?

ありえません。

通常乾燥肌(ドライスキン)は生後6ヶ月以降から増えますが、すでに皮膚バリア機能が壊れている状態です12)

また、小児の乾燥肌(ドライスキン)は、アトピー性皮膚炎においては良くある状態で、イメージでゆうと湿疹が出る前の悪化の状態。アトピー性皮膚炎の診断がついていなくても、ドライスキン=乾燥肌は、「すでにアトピー性皮膚炎、もしくはアトピー性皮膚炎になる可能性がある状態」のことを指します1)

ドライスキンの状態で、アレルギー体質が進んでしまった場合、保湿だけでもアレルギーを起こす主細胞(IgE)が減少することが解っています2)

また、乳児湿疹も約半数がアトピー性皮膚炎だと言われています。

①乳児湿疹と呼ばれる状態からスタート

②軽い頬の湿疹→手足の湿疹

③ごく軽度の紅みを伴う乾燥に発展

④誰が見てもアトピー性皮膚炎

が、最も一般的なパターンです。

この時に早く治療をしないと、全身に広がり、長引く強い炎症を引き起こし、慢性化することがわかっています13~15)。ここまでくると、「保湿だけしています」は通用しません。

じゃあ、どうするか?

最初の段階から予防をしていればよいのです。

何をするかとゆうと、生まれた時から「保湿」するだけです。

これは、生後1週間以内からの保湿剤塗布群で、アトピー性皮膚炎の発症が約30~50%抑制できたとゆう研究にもとづいており、実感としてもその通りだと思います16~18)

保湿の回数は1日1~2回が通常ですが、我が子の実感として、親や兄弟がアレルギーを持っている場合には、四六時中、何回も塗った方が明らかに良い感じを受けています。

予防保湿の利点)

・市販品で十分

・難しいことがいらない

・保湿してても肌荒れしたら早い段階で受診出来る

欠点)

・特になし

保湿剤選びの注意点)

・食べ物、植物、フグランスが入っているものは絶対にダメ

・セラミド入りがベスト

4)だから、これが必要です

①とにかく母親は治療が必要

妊娠中に心配するアレルギーの薬はありませんが、心配なら妊娠前から治療して薬フリーの状態にもっていっておくべきです。

②母親の腸内細菌が引き継がれる

シロタ株と地元企業が良い感じです。

③保湿の回数は多い方が良い

うちの娘は四六時中保湿していましたが、お尻が赤くなることが多いです。

つまり、このレベルで済んでいます。

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【追伸】

宣伝です。ここまでの話は、この本にまとまって書かれています。とてもとても良い本だと自分では思っています。

 

【参考文献】

1)Isabella Pali-Schooll, etal. WAO Journal 2009;2:26-36

2)村島 温子.アレルギー 61(2):181-183. 2012

3)Isabella Pali-Schooll, etal. WAO Journal 2009;2:26-36

4)Skin Pharmacol Physiol 2016;29:148–156

5))Pediatr Allergy Immunol2020 Aug;31(6):699-703

6)ILLi S et al : Ann Allergy Asthma Immunol 112:132-9,2014.

7)Carroll KN, et al :Pediatrics 133:1104-1112,2007.

8)Shinohara M et al : Symptomsofallergicrhinitisinwomenduringearlypregnancy- Allergolint 56:411-417, 2007.

9)Zuccolif, et all.Allergy , 2015

10)Pelzer , et al. Plcenta 54; 30-37, 2017

11)Baquerizo, et al. J Am Acad Dermatol. 71; 814-821, 2014

12)Infantie eczema pediatric and dermatlogy section (EAACI 2014)

13)Bieber T,  Allergy 2012; 67 :969 – 975.

14)Suarez-Farinas.JACl2011;127:954–964

15)Semper JAlCl 2003;112:411 – 419.

16)Eric L., et al.  JACI;134(4):818-23,2014.

17)Kenta Horimukai et al. JACI;134(4):824-830, 2014.

18)Lowe ta al. Ann Allergy Asthma Immunol. 120(2):145-151, 2018. 

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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