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花粉症の治療:治す方法はこれ

花粉症の治療:治す方法はこれ

札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。

1)花粉症の治療はこれ

花粉症は自然に治ることはありません。

しかも、特に小児で増加しています。

また、花粉症になる人や原因の花粉には地域の差が大きく、北海道でも原因植物は他地域とは異なっています。

北海道で花粉症の原因となる植物は、シラカンバ、ハンノキ属、イネ科、ブナ、コナラ、ヨモギ属などで、関東や関西のスギとは大きく異なります。

これは各地域でも言えることで、九州などでも原因となる花粉は違ってきます。

また、北海道での最大の問題が、花粉症から引き起こされる果物・野菜アレルギーです。

果物・野菜アレルギー

この果物・野菜アレルギーは、一度なってしまうと、これも自然には治りません。

2)花粉免疫療法

日本以外の国では、花粉症のアレルギーを起こす成分が薬としてあるので、それを注射したり、内服したりして慣らす治療が一般的です。

これを免疫療法といい、昔は減感作と呼んでいました。

これを治療できるのが、免疫療法だけが根治できる可能性のある治療です。

「根治できる可能性とは、治ることを目指せる」とゆうことです。

すべての病気が同じですが、「治ります」とは、法律で言ってはいけないことになっています。

なので、状況にもよりますが「長い経過の病気でも治ります」と

そして、すべての病気が同じですが、経過が長くなればなるほど治りにくいです。

例えば、3日前から腰が痛い人と、10年前から腰が痛い人では治り方は違います。

でも、3日前から腰が痛くて歩けない人と、10年前から腰が痛いけどそれほどでもない人が、同じ手術をしても、どちらが治りそうかはわからなくないですか?

なので、医学的には「~%の人は治ってる」としか言えません。

ちなみに、治りにくいのと、症状が軽くなるのも別です。

また、「イメージする完全に治る」は、「薬もいらない、症状もない」だと思うのですが、治療して症状が軽くなる人は当然多くいます。

例えば、癌の手術をして、抗がん剤で治療しました。

「癌はとり切れなかったけど、日常生活は時々鎮痛剤が必要なくらいで、問題ないです」といったイメージです。

うちの妹がフランスで使っているのは舌下タイプの薬です。

舌下とは、「舌の下」におくタイプのこと。

世界では、日本だけが薬を飲んで症状を抑えるだけですが(スギの舌下免疫療法が、保険適応になったのは8年前)、ヨーロッパで勉強している私にはこの治療が一般的な方法です。

ちなみに、私自身は日本でダニアレルギーの治療薬がなかった時代に、アメリカから輸入して、友人の医師に注射してもらってました。

これを免疫療法(昔は減感作)と言います。

日本でも免疫療法は、ダニとスギだけは、健康保険で受けることができます。

ので、乳児医療を持っている方は無料です。

この免疫療法ですが、世界では各種花粉、イヌ、ネコ、ウマ、ハチなど様々なアレルギーの治療ができますが、日本だけダニとスギしか受けることができません。

このため、当院では、日本アレルギー協会を通じて、アメリカから花粉症の治療薬を輸入しています。

  • ※日本国内では、スギ花粉、ダニのみが保険適応になっています。
  • ※シラカバ、イネ科の免疫療法は、保険適応外の自由診療です。
  • ※日本国内での未承認医薬品になります。
  • ※当院で使用している花粉症治療薬は、日本アレルギー協会を通じて輸入したALK社の製品になります。
  • ※注射部位の腫脹、アナフィラキシーなどのアレルギー症状を起こす可能性があります。
  • ※該当する花粉症のシーズン中は治療開始ができません。
  • ※アメリカから輸入するため、アメリカ国内の問題で治療薬が入手困難になり、治療スケジュールが変更になる場合があります。

3)治療期間は最低3年、推奨5年

うちのクリニックでは、ヨーロッパを基準にしているので、花粉の免疫療法は最低3年、推奨5年です。

ただし、最初の1週間は「導入」と呼ばれる期間で、この時期は1日3回くらい毎日注射をしないと体が慣れません。

スギは北海道にはありませんが、東京を行き来している方、実家が北海道以外の方では、むしろ北海道にいるうちにスギの治療を開始しましょう。

シラカバ・イネ科の治療:自由診療(自費)

このため、小学生以上の子では、50%の子は長期休みを利用し、50%の子は学校を休んでいます。

また、中学生以上は親の付き添いは不要ですが、小学生以下は付き添いが必要です。

このため、祖父母が付きそうことが多いです。

免疫療法は、体が敵だと思っているものをちょっとずつ体に入れて慣れさせていく治療のため、アレルギー症状が出ることもあります。

注意事項を守っていれば、自宅に帰ってからアレルギー症状が出ることは珍しいです。

4)いつ始めるのか

いつでも可能で、出来る限り早いほうが良いでしょう。

ただし、自分がアレルギーの花粉の時期は、アレルギー症状が強くでる可能性があるので、花粉のシーズン終了後になります。

5)注意事項

  • アレルゲン投与に伴い、アレルギー症状(注射部位の腫脹、全身の掻痒、呼吸苦、喘鳴、アナフィラキシーなど)が出る可能性があります。
  • 新しい研究結果が出るたびに、注射の感覚や投与量、治療方針は変動いたします。
  • 花粉症に対するアレルゲン免疫療法の治療効果は、70~80%程度と報告されています。
  • アレルゲン免疫療法は、アレルギーを根治できる可能性がある唯一の方法であり、世界的におこなわれている治療であることは各種論文で報告されています。しかし、ご自身のアレルギーを根治することを確約するものではありません。
  • 治療の効果もご本人が根治と感じるレベルから、症状が軽くなるレベルまで、治療効果は個人により大きく異なります。

6)私が、子どものアレルギー性鼻炎を治療する理由

私の息子はアレルギー性鼻炎がとても酷く、人の4倍の薬を飲んで、2倍の量の点鼻薬を使っていました。

しかし、色々な専門医に受診しても、4歳の時にはこれ以上やれることはないと言われ、鼻の詰まりで息子は夜中に泣いて起きる状態でした。

その当時、アレルギー医になりたてだった私は、親として「本当に治療方法はないのか?」と思う反面、専門医が言うならと諦めの気持ちから泣きたくなっていました。

ところが、勉強に行ったイタリアのアレルギー学会で、他の国ではアレルギー性鼻炎の原因のダニアレルギーは、注射で根治させていることを知ります。

そこで、私は日本でも同様の治療を探しましたが、2015年の日本では他の国よりも6割程度の効果しかない薬しかありませんでした。

他の国と同じ薬を輸入して治療しようとしましたが3ヶ月はかかる事がわかったので、まずは息子のダニアレルギーを日本にある薬で開始しました。

すると、治療開始1ヶ月後には夜中に起きることは一切なくなり、不眠が続き機嫌の悪かった息子や家族がイライラする事はなくなり、明らかに私の息子の鼻は良くなっている事を実感しました。

そして、3ヶ月後には今まで悩んでいた症状を忘れるくらいになり、今までの薬を減らし始めました。

その6ヶ月後には月1回の注射以外の薬は不要になり、現在に至ります。

大量にあった毎日の薬も必要なく、鼻の症状がない事で生活が楽になり、毎日快適に眠れることでストレスもなく、家族が毎日笑えるとは思ってもいませんでした。

いつでも笑っている家族をみて、もっと早く注射の治療を知っていれば、4歳だった頃の私の息子が毎日泣くようなことはありませんでしたが、実はごく一部の日本のアレルギー病院でもこの治療は普通に行われていたことを後に知ります。

一方で、アレルギーを掲げているクリニックは多いものの、健康保険の仕組み上仕方ないこととはいえ、アレルギーを根治するような治療や我々アレルギー医が行っているような検査を行える医者は全体の0.5%程度もいません。

このため、有名なアレルギー病院に患者は集中し、受診するのに3〜6ヶ月待ちです。

広告や宣伝をする必要が無いので表にも出てきません。

こういった状況のため、地方のアレルギー医であった自分では、アレルギーを根治するような治療や全てのアレルギーに対応して治療を行っている医師達と知り会うことが出来ませんでした。

ですが、私は今もアレルギーの勉強を続け、海外の学会を回っています。

さらには、知り合ったアレルギー医達にお願いし、休暇を取って日本全国の病院を勉強して回り、アレルギー医同士で患者さんを紹介し合って、他のアレルギー医達と関係を作り続けています。

私の息子は何年もこの情報に辿り着けませんでしたが、私がアレルギー全般の治療が行えるようになった今では、早くから知っていれば大きく生活が変わるアレルギーの治療を、悩み続けている私のところ来る子ども達には受けてほしいと思っています。

【参考文献】

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  • 杉山剛、斎藤圭一、齋藤翔:日小ア誌 2012; 26: 251-257

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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