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小麦アレルギー 小児と大人の違い

小麦アレルギー 小児と大人の違い

離乳食でうどんを食べさせたら、全身に蕁麻疹と咳、意識がもうろうとして病院に運ばれた。アレルギーの専門病院と言われている病院に通っているけど、説明されても専門用語ばかりでよくわからず。

時々採血されても様子を見ましょうと言われ、何年も治療が進まず、来年幼稚園の年長になるのに小麦が含まれているものも食べられない。

小学校が不安になり、同じ小麦アレルギーの子を持つ友人に相談したら、友人のかかりつけ医は採血の説明や検査項目自体が全く違っており、食物アレルギーは採血だけではわからないとゆう。

採血の値が低くても全く小麦が食べられなかった友人の子どもの話から、アレルギーの採血結果で話が盛り上がったところ、友人の子どもは少しずつ食べる治療を行い、去年には食べられるようになっていた。

治っていない自分の子どもをみて悲しくなったら、かかりつけのアレルギー医を紹介してくれた。

1)子どもの小麦アレルギーは、生活が大変

小麦は、小児の食物アレルギーの中では第3位で、治りやすいアレルギーです。

しかし、乳児期発症の即時型食物アレルギーの自然歴の報告では,6 歳までに治るのは小麦で66%と言われており、だまっていれば、34%の子が治らないとゆうことになります①)。

また、約5人に1人がアレルギーのひどい状態のアナフィラキシーを起こしているとも言われ(約18.4%)②)、母親にとってかなりストレスなアレルギーであることは間違いありません。

離乳食を含めた子どもの食べものには、小麦そのものや含有している食品が非常に多いのが特徴。日本では、育児が母親中心のワンオペであることも多いため、生活自体が大変になります。

2)世の中では、採血でわかると思われています

やっぱり、採血だけではわかりません。

しかし、小麦の場合には採血でわかることもあり、採血の値(特に、小麦、ω-5グリアジン)が高値であると、アナフィラキシーを起こしやすいことが解っています。

ただし、皆さんが考える「採血の値が高い」と我々が考える「採血の値が高い」は別。

我々は「何歳の時に、どのくらいの値だと、そのくらいの確率で症状が出る」と予想するデータで確率を判断しているだけ。

例えば、1歳以上だと小麦の値(小麦IgE)が100でも、症状がでる確率は約80%。小麦の値(小麦IgE)が30だと、約50%で、2人に1人しか症状がでない、つまり小麦アレルギーではないとゆうとになります。

巷で言われる「採血で反応が出てる」レベルでは、全く判断ができません。

3)小児と大人は違う

小児の場合には、アトピー性皮膚炎がベースにあり、小麦アレルギー単体とゆうより、卵アレルギーなど他の食物アレルギーを合併していることがほとんど。離乳食の段階で発症します。

一方、乳児期を過ぎれば、次は15歳~17歳くらい、その次は20歳~の発症が多いです。

成人の場合には、「パンを食べてマラソン途中に全身のかゆみと呼吸が苦しくなって救急車」が典型的なパターンで、ある日突然アナフィラキシーになることがほとんどです。

このパターンを食べて運動が組み合わさって初めてアレルギー症状が出る「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と言います。

この場合の運動は、がっちりした運動ではなく、通勤や階段を上る、入浴などのレベルも含みます。

また、アレルギーの場合には、「食べた量、その時の体調、運動量」が組み合わさって症状が出てくるため、「歩いただけでも?」や「前は大丈夫だったのに?」は通用しません。

つまり、小児の場合には成人と違って、現時点ではアトピー性皮膚炎にさせない事、また肌が荒れたらすぐに治療して、湿疹は無くしておくことでリスクを減らせることは経験的にも間違いないでしょう。

少しでも、スキンケアだけでアレルギーになる確率が下がるなら、やらない手はありません。

4)子どもの場合は、栄養指導が必ずセット

小児の食物アレルギーは成長が関連してくるので、必ず代替えの栄養を取らなければなりません。

まれに重症の子ではダメな時がありますが、しょう油などの調味料、麦茶はほとんどの場合使えますから大丈夫です。

大麦やオーツなども大丈夫ですが、もちろん重症度によってダメな子もいますから、主治医に確認すると良いでしょう。

とにかく、小児の場合には乳児期の離乳食と関連してくるので、母親がワンオペだった場合には意識を切り替えないと大変です。

意識を切り替えるとは、これまでとは「ルールが変わったことを受け入れる」ことです。

え、食べるものがない?

日本は食料廃棄率正解トップですよ。余るほどあって、捨ててません?

じゃあ思い切って、グルテンフリーやヴィーガンを取り入れてみるのはどうでしょう。

今の世界の流れですよ、おいしいレシピがたくさんあります。

え、家族が大変?

それは、下の子に合わせてあげましょうよ。

それなら、旦那さんが料理してあげてください。お兄ちゃんが自分で夕食を作ってみては?

うちの子どもたちは5歳から料理してますよ、突然に私や妻が突然死んでもよいように。

え、毎回同じ食事になる?

アプリや本を買って、1ページ目から順番に作ってみたら良いですよ。

特に英語のサイトは種類が豊富です。

とりあえず「gluten free」で、検索してみてください。

#Yummlyはこちら

え、英語がわからない?

なんなんですか、ほんとに(笑)

この通訳ツールにコピペするだけです。

世界で一番高性能です、ほんとに便利。

#DeepLはこちら

5)だから、これが必要です

①皮膚はキレイな状態を保つ

湿疹が少しでもあると治療も出来ません。

②出来るだけ早く治療する

年齢が高くなればなるほど、治りにくいです。

③ルールを受け入れる

切り替えて、レシピ検索しまくりましょう。

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参考文献
  1. 佐藤さくら、他. 小児期の即時型食物アレルギーの予後. 日小ア誌 2019;33:41‒46.
  2. 海老澤元宏 編. 症例を通して学ぶ 年代別食物アレルギーの全て 第2版. 南山堂.
  3. 楠 隆、他. 鶏卵,牛乳,小麦除去例に対する,安全摂取可能量からの
    段階的増量による「食べさせるアプローチ」. 日小ア誌 2018;32:762‒771
  4. 二瓶 真人、他. 鶏卵,牛乳,小麦アレルギー児における経口免疫療法の
    長期的な有効性に関する検討. 日小ア誌 2020;34:158-165.
  5. 松浦 有里. 食物経口負荷試験でアナフィラキシーを呈した症例に関する検討. 日小ア誌 2020;34:198-204.
  6. 坪谷尚季. 小麦アレルギー患児における大麦アレルギー合併を予測する因子の検討. 日小ア誌 2017;31:683‒691.
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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