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デュピクセント(デュピルマブ):アトピー性皮膚炎治療

デュピクセント(デュピルマブ):アトピー性皮膚炎治療

札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。

当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。

アトピー・かゆみの治療の患者様に多数ご来院いただいています。

1.デュピクセントとは

デュピクセントは、アトピー性皮膚炎による肌荒れやかゆみの原因をブロックすることで、この3つの要素すべてに対して効果的に作用する新しいタイプの注射薬です。

アトピー性皮膚炎は、炎症、かゆみ、およびバリア機能の低下という3つの要素が相互に関連し合い、悪循環を形成します。

デュピクセントは、この3つの要素の原因をすべてを効果的にブロックします。

これまでの治療で効果のなかった患者さん、特に中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者に対して非常に高い改善効果と安全性を示しています。

2.デュピクセントのメカニズム

デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の3つの主要な要素―炎症、かゆみ、バリア機能の低下に着目した治療薬です。

アトピー性皮膚炎を引き起こす主要因は、「IL-4」と「IL-13」という2つのたんぱく質です。

さらに、この2つのタンパク質を作り出しているのが「Th2リンパ球」です。 デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の原因となる「IL-4」と「IL-13」の分泌源である「Th2リンパ球」の働きを弱めることができます。

つまり、デュピクセントは、アトピー性皮膚炎を引き起こす主要物質を抑制することによって、かゆみや痛み、ただれなどの症状を軽減し、肌のバリア機能を回復させ、肌トラブルを改善に導きます。

根本原因にアプローチするため、これまでの対症療法的な治療では効果のなかった患者さん、特に中等症以上のアトピー性皮膚炎に対して非常に高い改善効果が望めます。

さらに、Th2リンパ球は、気管支喘息や慢性副鼻腔炎など他の疾患にも関与しているため、デュピクセントはアトピー性皮膚炎だけでなく気管支喘息にも効果的です。

つまり、デュピクセントを使用することで、

アトピー性皮膚炎を引き起こす根本的な原因に作用し、アトピー性皮膚炎の3つの主要な要素、炎症、かゆみ、肌質

全ての改善を目指しています。

3,デュピクセントと他の治療薬との違い

他のアトピー性皮膚炎治療薬は、「IL-4」もしくは「IL-13」のどちらかを抑制するものですが、デュピクセントは、L-4とIL-13両方抑制できるため、「痒み」と「肌質」の改善が顕著です。

また、安全性が高いため、生後6カ月の小児から投与可能です。

デュピクセント(デュピルマブ)

  • IL-4とIL-13の2つを抑制します。
  • なので、炎症、かゆみ、皮膚症状を大きく改善します。
  • 一番の大きな違いは肌の柔らかさの改善です
  • 3割負担で、初回35,265円、2回目以降1回分17,633円/2週です。
  • 診察料は別途必要です。
  • 公費をお使いの場合には、料金はかかりません(自治体などにより変わります)

»ご自身のデュピクセント医療費の確認はこちら

ミチーガ(ネモリズマブ)

  • アトピー性皮膚炎のかゆみを誘発するIL-31を抑制します。
  • 痒みを抑えるスピードが早いです。
  • 発疹が軽度でも、かゆみが強い方に効果的です。
  • 肌質の改善は、デュピクセントより弱い印象がありますが、盛り上げった湿疹に効果的です。
  • 3割負担で1回分35,154円がかかります。
  • 診察料は別途必要です。

アドトラーザ(トラロキヌマブ):

  • IL-13を抑制します。
  • アトピー性皮膚炎の治療に効果があります。
  • 3割負担で初回52,731円、2回目以降1回分35,154円/2週ごとの費用がかかります。
  • 診察料は別途必要です。

リンヴォック、サイバインコ、オルミエント(JAK阻害剤):内服

  • 炎症やかゆみを引き起こすJAKを抑えます
  • 免疫抑制や血球減少などの副作用リスクがある点に注意が必要です。
  • ①治療を開始する前に、安全を確保するために採血と胸部レントゲンの検査を行います。②これらの検査で問題がなければ、内服治療を開始します。③治療中は、定期的に採血と胸部レントゲンを行う必要があります。
  • 腎機能に問題がある場合は、投与量の調整が必要になることがあります。
  • この薬剤の費用については、3割負担の場合、1ヶ月で42,370円~63,555円となります。
  • 診察料は別途必要です。

4.対象となる方

アトピー性皮膚炎、気管支喘息、結節性痒疹、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の患者さん

生後6か月以上かつ体重が5㎏以上

ステロイド外用薬・プロトピック軟膏などの外用薬を一定期間投与しても十分な効果が得られない方

注意が必要な方

  • 生ワクチンを接種する予定のある方(前後3カ月は休薬)
  • 寄生虫感染のある方
  • 妊婦または妊娠している可能性がある方、授乳中の方

5,デュピクセントは子どもにも打てるのか

これまで従来の治療法で効果が得られなかった小児患者さんにも、デュピクセントは「炎症やかゆみ」を抑え、「皮膚のバリア機能を保護」、「肌質を改善」する効果が期待できます。

お子様にとって安全かどうかが一番のご心配だと思います。

デュピクセントに関しては、専門家が行った様々な研究や試験を通じて、子どもたちにも安全に使用できることが確認されています。

お子様にとっての安全性を第一に考えられたこれらの研究では、お薬がどのように効くか、どんな副作用があるかを詳しく調べています。

もちろん、どんなお薬にも副作用の可能性はありますが、デュピクセントの場合、そのリスクは非常に低いです。

実際にお薬を使用する前には、私たちがお子様の健康状態をしっかりと評価し、他に持病がないかなども考慮して、最も適した治療法を提案します。

大切なお子様の健康を守るために、一人ひとりに合った治療法を提案し、皆さんが安心して治療を受けられるよう、質問や不安があればいつでもお話ししてください。

一緒に最善の解決策を見つけましょう。

6.デュピクセントの費用

健康保険での治療になります。

  • 公費あり:無料(札幌では中学生まで)
  • 公費なし(2024年度の高校生以上):3割負担で約5万円/月くらい(負担割り合いによる)
  • 薬剤費用の他に別途診察費用がかかります
  • 薬剤費は初回投与(2本)で約35,265円、2回目以降(1本)で約17,633円です。
  • 勤務されている会社で福利厚生、組合の負担がある勤務先もある。

※福利厚生:会社で「いくら以上医療がかかった場合、会社で負担するよ」とゆう会社の善意の制度。会社によって規定が全く違う。上司ではなく、「経理」などにきいてください。

年間の費用は様々な医療費助成制度を利用することで軽減される可能性があります

デュピクセントは注射薬で、通院で注射し続けていくと、毎月約40,000円の薬剤費負担が必要となります。ただし公的医療保険を使うことができるので、3割負担の場合、患者さんの自己負担額は約10万円(6回投与)になります。

当院で治療されている半数の方が、会社からの福利厚生で治療されています。

»薬剤費・医療費・医療助成制度はこちら

»高額療養費シミレーションはこちら

7.デュピクセントの投与期間

1.どの薬剤も症状ゼロを保ったまま最低1年は継続します。

2.投与開始1年後からは徐々に間隔を伸ばしていき、最終的に2~3年で注射を中止を目指します。

3.いままでの薬は併用し、数ヶ月から年単位で段階を追って減らす置き換えるなどの調整をします。

4.数年後には、併用する薬はほぼ不要になる、少しだけ必要を目指します。

※経験的には、どれだけ効果があっても、1年未満で注射をやめると元に戻るに2ヵ月かかりません。

8.デュピクセントの投与間隔

①気管支喘息、アトピー性皮膚炎(成人、体重60kg以上の小児)、結節性痒疹

デュピクセント®は投与開始日のみ、2本を皮下注射します。
その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。

図: 注射のスケジュール

②アトピー性皮膚炎の小児患者さん(体重30kg以上60kg未満)の場合

デュピクセント®は投与開始日のみ、2本を皮下注射します。
その後は2週間に1回、1本を皮下注射します。

図: 注射のスケジュール

8.デュピクセントの投与方法

デュピクセントを投与開始後も原則として外用薬は継続します。

ペンタイプの場合、押し付けるだけです。
自己注射が難しい場合、毎月の通院時にクリニックでの看護師投与が可能です。

成人

注射の方法 ペンの場合


 緑色のキャップを外す

図: 1

注射部位に当てる

図: 2

❸ 押し当てる

図: 3

 しっかりと押し当てたままにする

図: 4

 皮膚から離す

図: 5

 注射器と緑色のキャップを廃棄用容器に入れる

図: 6

»注射方法の動画はこちら

16歳未満の小児の場合

最初の2回はクリニックでの投与が必要ですが、3回目から自宅での自己注射が可能です。

①シリンジの場合

ご家族による自己注射の方法 シリンジの場合


❶ 針キャップを外す

  • 注射器本体の中央部を持ち、針キャップを外す
注意 注意

  • 注射直前まで針キャップを外さないこと
  • 一度外した針キャップは再度取り付けないこと
  • 注射針には触れないようにすること
  • 針キャップを外したら、針が他の物と接触しないようにし、素早く注射を行うと
  • 注射器内に気泡が見られる場合があるが、取り除く必要はない


❷ 皮膚をつまむ

  • 注射針をしっかり挿入するために、
    注射する部位の皮膚をひだ状につまむ
注意 注意
  • 服の上から注射はしないこと

❸ 約45度の角度で注射針を挿入

  • 注射針をひだ状にした皮膚に約45度の角度で完全に挿入する
  • しびれがないかどうか確認し、しびれがある場合は針先を少し引く


❹ 注射液を注入する

  • 注射針を完全に挿入したら、皮膚をつまんでいる手を緩める
  • 注射液がなくなるまで、プランジャーヘッドをゆっくり押し込む
  • 注射の際に抵抗を感じても問題はないので、引き戻すことなく、ゆっくり押す
  • プランジャーヘッドを最後までしっかり押し込むこと
注意 注意

  • 注射液は1回の注射で全量使い切り、
    再利用はしないこと


 プランジャーヘッドを押したまま、注射針を抜く

  • 挿入したときと同じ角度(約45度)で、注射針を抜く


 注射後

  • 注射針を抜いた後に、プランジャーヘッドを押していた指をゆっくりと緩める
  • 使用後は安全カバーがスライドして注射針が安全カバーに覆われる
  • 出血がある場合は、消毒用アルコール綿で注射部位を軽く押さえる
注意 注意

  • 注射が終わった後も、針キャップは再度取り付けないこと
  • 注射後、注射部位をもんだり、こすったりしないこと
  • 注射器は再利用しないこと


❽ 注射器と針キャップを破棄する

  • 使用済みの注射器と針キャップは廃棄用容器に入れ、
    医療機関の指示に従って医療廃棄物として廃棄する
  • 針キャップは注射器に取り付けず、外したまま
    廃棄用容器に入れる
注意 注意

  • 使用済みの注射器と針キャップは、速やかに廃棄用容器に収納する
    (廃棄用容器がない場合は、蓋つきのビンや缶などの固い容器でも代用可能)
  • 使用済みの消毒用アルコール綿は、各市区町村の収集方法に従って家庭ごみとして捨てること
  • 廃棄用容器は、お子さまの手の届かないところに保管すること
  • 廃棄用容器は再利用しないこと

»注射方法の動画はこちら

②ペン型の場合

ご家族による自己注射の方法 ペンの場合


 緑色のキャップを外す

図: 1

 注射部位に当てる

図: 1

 

❸ 押し当てる

図: 3

 しっかりと押し当てたままにする

図: 4

 皮膚から離す

図: 5

 注射器と緑色のキャップを廃棄用容器に入れる

図: 6

»注射方法の動画はこちら

サノフィ:デュピクセントより参照 https://www.support-allergy.com/selfinjection/method-1/inject-yourself_autoinjector

 

診療のながれ

  1. 1 受付

    初診時は受付にお声かけいただき、保険証の提出をお願いいたします。2回目以降の受付は、アプリにて壁にありますQRコードを読み取っていただければ、自動受付になります。受付詳細はこちら

  2. 2 問診

    これまでの経緯をよく聞くので、症状が出てなくても大丈夫。

  3. 3 診察

    話合いで、一人ひとりに合った検査と今後の治療方針が決まります。
    このため、症状がないときに受診しても大丈夫です。

  4. 4 採血

    採血結果からみるべきポイントは、年齢や食べ物、症状、合併するアレルギーによって、全く違ってきます。

  5. 5 治療方針決め

    どの薬を、どの部位に、どのくらいの期間で使うのか、あなたの症状にあったさまざまな薬と使い方がポイントです。
    アレルギーを総合的に判断することで、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すために、きめ細かい対応をしています。

よくあるご質問

  • Q 注射予定日を忘れた場合
    A 注射予定日に注射を忘れた場合は、主治医に連絡し、指示に従ってください​​。
  • Q 多く注射してしまった場合
    A 指示された本数よりも多く注射してしまった場合は、すぐに主治医に連絡し、指示に従ってください​​。
  • Q 他の薬との併用について
    A デュピクセントと一緒に他の薬が処方された場合、指示された通りに使用し、自己判断で中止しないでください​​。
  • Q 注射の最適な時間について
    A 注射する時間に特に決まりはありませんので、ご都合の良い時間帯に注射してください​​。
  • Q 体調不良時の注射について
    A 体調が悪い場合、自己判断せず主治医に連絡し、指示に従ってください​​。
  • Q 注射予定日に旅行や出張がある場合
    A 注射予定日に外泊が予定されている場合は、事前に主治医に相談してください​​。
  • Q 注射時の痛みを和らげる方法について
    A 注射液が冷たすぎると痛みを感じやすくなるので、室温に戻してから注射してください。痛みが続く場合は主治医に相談してください​​。
  • Q 投与の可能性についての相談
    A デュピクセントの投与が可能かどうかは全身の皮膚症状スコアに基づいて判断されます。遠方の患者さんはオンライン診療を利用して初回相談を行うことが推奨されています​​。
  • Q 他院で導入済みの患者さんへの対応
    A 他院でデュピクセントの治療を受けている方は、初診時でも処方が可能です。既に導入されている患者さんは、自己注射を行っている場合、スムーズな対応が期待できます​​。
  • Q 治療の流れ
    A デュピクセントの適応がある場合、来院予約をして投与を開始します。投与開始日は2本の皮下注射、その後は2週間に1回、1本の皮下注射が行われます​​。
  • Q 自己注射について
    A デュピクセントは自己注射が認められており、遠方の患者様でも投与可能です。患者さんと相談して自己注射か院内注射かを決定し、看護スタッフと練習いたします。
  • Q 副作用について
    A デュピクセントは副作用が少ないタイプの薬剤ですが、多い副作用としては結膜炎や顔の赤みが見られることがあります​​。
  • Q 薬価(薬剤の値段)について
    A 初回投与の費用は3割負担で約35,265円、2回目以降は1本あたり約17,633円です​​。
  • Q 医療費助成制度について
    A 経済的な負担を軽減するため、様々な医療費助成制度が利用可能です。これには医療費控除や高額療養費制度などが含まれます
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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