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知っておきたい果物・野菜アレルギーの症状、原因、対策まで

知っておきたい果物・野菜アレルギーの症状、原因、対策まで

「数年前からリンゴやナシを食べると口が痒い気がしていた。自己判断で食べていたが、いつもと同じナシを食べただけなのに、突然呼吸が苦しくなって、咳で話もできない。救急車で運ばれたが、死ぬところだった」

このような経験をした方、または似たような症状で悩んでいる方はいませんか?

果物・野菜アレルギーは、一般的に認識されているよりも複雑で深刻な問題です。

今回は、果物・野菜アレルギーについて、その症状、原因、対策までを詳しく解説していきます。

果物・野菜アレルギー

果物・野菜アレルギーの多くは、花粉症と密接に関連しています。

これは、花粉と果物・野菜のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)の構造が一部類似しているためです。

多くの場合、果物・野菜アレルギーは、花粉症が原因で引き起こされ、シラカバが最も果物・野菜アレルギーを起こします。

このためシラカバ花粉症がメインの北海道では、関連した果物・野菜アレルギー(花粉・食物アレルギー症候群:PFAS)が全国的でも圧倒的に多く、重症例も多いのが特徴です。

果物

多い順 小児 成人
1 リンゴ リンゴ
2 モモ モモ
3 キウイ、メロン サクランボ
4 ナシ メロン
5 サクランボ キウイ
6 パイン ナシ
7 バナナ トマト
8 プラム、イチゴ、スイカ プラム
9 ミカン イチゴ
10 カキ スイカ

野菜

多い順 小児 成人
1 トマト トマト
2 キュウリ 大豆
3 大豆、ジャガイモ ナス
4 ナス、アボカド、セロリ、長いも、長ネギ アボカド
5 山芋、ニンジン、里芋、キャベツ、ごぼう、サツマイモ、玉ねぎ、ほうれん草、ニンニク、ズッキーニ、アスパラ、ショウガ ジャガイモ

花粉症との関連性

発症割合

北海道では、果物・野菜アレルギーは花粉症と密接に関連しており、花粉症患者の30~50%が果物・野菜アレルギーを発症します。

果物・野菜アレルギーの主な原因となる花粉は4月から飛散するシラカバと夏のイネ科ですが、最近では5~6月のブナ・コナラ、秋のヨモギも増加傾向にあります。

発症時期

多くの場合、花粉症発症後数年で果物・野菜アレルギーを発症しますが、同時期に発症するケースもあります。

北海道の主要因であるシラカバ花粉は年による飛散量の差が大きく(最大200倍)、多くの人は大量飛散日にのみ症状が出るため、自身の花粉症に気づかないことがあります。

果物・野菜アレルギーは最初の1年で急速に進行し、その後2~3年かけてさらに増加することが多いです。

多くの場合、リンゴ、ナシ、サクランボのみにとどまりますが、果物・野菜の旬により翌年になって気づくこともあります。

北海道以外では、果物・野菜アレルギーは珍しく、あったとしてもトマトくらいです。

一方、北海道では様々な野菜(かぼちゃ、唐辛子、ごぼう、セリ、人参、キャベツなど)のアレルギーが見られます。

野菜アレルギーは主に50歳以上、特に高齢者に多く見られますが、花粉症の低年齢化に伴い、今後は子どもの野菜アレルギーも増加すると予想されます。

地域差と原因となる花粉

果物・野菜アレルギーの発症は花粉症と関連しているため、地域差があります。

  • 北海道:シラカバ花粉が主な原因で、果物・野菜アレルギーが多い
  • 関東(特に東京):スギ花粉が主で、果物・野菜アレルギーはほぼない
  • 九州:近年増加傾向にある
季節 科 花粉 左の花粉と関連 果物
春 カバノキ シラカバ
ハンノキ
バラ科 リンゴ、モモ、イチゴ、ウメ、ビワ、 ナシ、プラム、サクランボ
マタタビ科 キウイ
セリ科 セロリ、ニンジン
ナス科 ナス、トマト、ジャガイモ
春~夏 イネ科 カモガヤ
オオアワガエリ
ウリ科 メロン、スイカ
ナス科 ナス、トマト、ジャガイモ
バショウ科 バナナ
ミカン科 みかん、オレンジ、キンカン、シークワーサー、グレープフルーツ
セリ科 セロリ
イネ科 トウモロコシ
秋 キク科 ヨモギ ウリ科 メロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニ
      バショウ科 バナナ
      セリ科 セロリ、セリ、ニンジン、クミン、コリア ンダー
      マタタビ科 キウイ
      アブラナ科 キャベツ、ブロッコリー
      ムクロジ科 ライチ

参考

カキ:カキノキ科、ブドウ:ブドウ科、ゴボウ:キク科、ナガイモ、ヤマイモ:ヤマノイモ科、タマネギ、ニ ンニク:ヒガンバナ科(ユリ科)、クリ:ブナ科、アボガド:クスノキ科、マンゴー: ウルシ科、ホウレンソ ウ:ヒユ科、大豆:マメ科、レタス:キク科

北海道の花粉症と採血結果

症状

果物・野菜アレルギーは、単に「口がかゆくなる」だけではありません。

重症の場合、アナフィラキシーショックを起こし、命に関わる危険性があります。

採血による診断も、経験豊富な医師でなければ正確な判断が難しいのが現状です。

一般的にあまり知られていない果物や野菜(ライチ、キャベツ、ブドウ、人参など)の方が、重症化することが多いです。

具体的な症状

果物・野菜アレルギーの症状は、人によって大きく異なります:

  • 口腔内の痒み(最も一般的)
  • 呼吸困難
  • 全身蕁麻疹
  • 腹痛・嘔吐
  • その他(鼻血、頭痛など)

重要なのは、症状が徐々に悪化する可能性があるということです。

最初は軽微な症状でも、時間とともに重症化することがあります。

成人の果物・野菜アレルギーで特に注意が必要なのが、飲み物によるアナフィラキシーのリスクです。

固形物の場合は口の違和感などで摂取を中止できますが、飲み物、特にプロテインや酎ハイは一気に体内に吸収されてしまいます。

そのため、症状が出た時にはすでに全量を摂取してしまっていることが多く、救急搬送される患者の約9割がこのパターンだという報告もあります。

気管支喘息について

また、果物・野菜アレルギーと気管支喘息との関連性も見逃せません。

食物アレルギーで亡くなった患者さんの85~96%に気管支喘息の既往があり、特に未治療の場合は危険度が高まります。

私の経験では、果物・野菜アレルギーで重症化した患者さんの3分の1が、アレルギー症状と同時に気管支喘息発作を起こしていました。

加熱について

多くの人が誤解しているのが、加熱による安全性です。

加熱すれば食べられるかどうかは、「個人の体質や体調、摂取量」によります。

加熱しても食べられないのは重症化する可能性が高いです。

診断の難しさ

果物・野菜アレルギーの診断は非常に難しく、以下のような問題があります:

  • 採血検査だけでは正確な診断が困難で、判断に経験が必要
  • 医療機関によっては適切な検査ができない場合がある
  • 珍しいアレルギーの場合、医師でも経験がないことがある
  • 採血で検査できないものが多い

治療と対策

採血検査を受ける:

・花粉症の状態を確認する

・果物・野菜アレルギーのリスクを評価する ただし、文章によると採血検査だけでは正確な診断が難しいため、経験豊富な医師の判断が必要です。

専門での診断を受ける:

・採血検査の結果を正しく解釈してもらう

・個人の症状や体質に基づいた適切なアドバイスを得る

治療

現状では、日本における果物・野菜アレルギーの治療選択肢は限られています。

  • 原因となる花粉症の治療(ただし、スギのみ保険適用)
  • ダニアレルギーの治療(花粉症に効果的ない人も多い)
  • シラカバ・イネ科の治療

シラカバ・イネ科の治療:自由診療(自費)

シラカバ・イネ科の治療:自由診療(自費)

注意点とアドバイス

  • 食べない方が良いではなく、「食べられない」
  • 学校では自己除去になるか、書類を提出するかは担任による。
  • 症状が軽いからといって安心しないこと
  • 加熱して食べられるかは人による
  • アルコール、プロテインでの飲み物での発症リスクに注意
  • 医師の指示に従い、自己判断で食べ続けないこと

まとめ

果物・野菜アレルギーは、一見単純に見えて複雑で個人差の大きい問題です。

症状が軽いからといって軽視せず、専門医の診断を受けることが重要です。

また、アトピー性皮膚炎やダニアレルギーの早期治療が、将来的な果物・野菜アレルギーの予防につながる可能性があります。

自分の体調変化に敏感になり、少しでも異変を感じたら専門医に相談することをおすすめします。

正しい知識と適切な対策で、果物・野菜アレルギーと上手く付き合っていきましょう。

  【参考文献】

  • 続木康伸. 小児と成人の花粉・食物アレルギー症候群の検討. 日本花粉学会誌. 65(1):21-24. 2019.
  • 長尾みずほ. 果物・野菜アレルギー. 小児食物アレルギーUP DATE. 小児科 55(5)  2014
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  • 徳田玲子、長尾みづほ、近藤真理、他 :小児における果物抗原への感作状況について. 第25回日本アレルギー学会春季臨床大会 2013年5月
  •  Ferna´ndez-Rivas M, Benito C, Gonza´ lez-Mancebo E, et.al :Allergies to fruits and vegetables. Pediatr Allergy Immunol 2008; 19, P675–681.
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  • H. Teranishi, etal. Aerobiologia (2006) 22:91–95.
  • 佐藤広行、他. 日本花粉学会会誌. 64(1); 1-5, 2018.

 

診療のながれ

  1. 1 受付

    初診時/再診時ともに、アプリをかざして壁にあるQRコードを読み取っていただければ、自動受付ができます。また、アプリにて事前問診の回答、保険証等のご登録をお願い致します。スタッフの動画はこちら

  2. 2 問診

    これまでの経緯をよく聞くので、症状が出てなくても大丈夫。

  3. 3 診察

    話合いで、一人ひとりに合った検査と今後の治療方針が決まります。
    このため、症状がないときに受診しても大丈夫です。

  4. 4 採血

    採血結果からみるべきポイントは、年齢や食べ物、症状、合併するアレルギーによって、全く違ってきます。
    また、採血結果はLINEにてデータでお渡ししております。詳細はこちら

  5. 5 治療方針決め

    どの薬を、どの部位に、どのくらいの期間で使うのか、あなたの症状にあったさまざまな薬と使い方がポイントです。
    アレルギーを総合的に判断することで、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すために、きめ細かい対応をしています。

よくあるご質問

  • Q 果物・野菜は加熱すれば食べてもよいですか?
    A その人によります。 加熱すれば食べれるかどうかは、「体質」、「体調」、「体の中に入ってきた量」によります。 人の意見は危険です。
  • Q 果物・野菜アレルギーの治療方法はありますか?
    A 花粉症の免疫療法を行うと、当院では97%の人が食べられるようになっています。 シラカバ・イネ科の治療:自由診療(自費) https://alba-allergy-clinic.com/column/%e8%8a%b1%e7%b2%89%e7%97%87%e3%81%ae%e6%b2%bb%e7%99%82%e3%82%b9%e3%82%b1%e3%82%b8%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%83%ab%e8%87%aa%e7%94%b1%e8%a8%ba%e7%99%82%e8%87%aa%e8%b2%bb/
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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