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花粉症の症状と対策:北海道では

花粉症の症状と対策:北海道では

1)花粉症の症状:北海道

2022年の北海道は、全道で花粉が非常に多い状況が続いています。

北海道では、関東や関西のスギと違い、花粉の季節は四六時中花粉が飛んでいるわけではありません。

飛んだり飛ばなかったりする日があるので、年によって200倍も差があるくらい、花粉の量が違います。

なので、多くの人が何も感じない年があれば、多くの人がダメな年もあります。

つまり、去年までは何もなかったけど、今年はダメとゆう状況になります。

花粉症の症状は、

  • 眼(かゆみ、目やに)
  • 鼻(掻痒、鼻閉、鼻汁)
  • アトピー性皮膚炎の悪化、喘息の悪化、倦怠感(花粉症の4人に一人くらい)

があります。

また、特に子どもでは花粉症の発症と同時に果物・野菜アレルギーを発症することが少なくありません。

果物・野菜アレルギーは、発症した直後は「たまに口が痒くなるだけ」なので、気が付かないことが多いです。

この果物・野菜アレルギーがこれからも増えてくるタイプか重症化するタイプかは、採血で判断します。

2)花粉の種類

当たりまえですが、花粉症の原因花粉は地域で大きく違うかわりに、種類や飛ぶ季節も決まっています(下参照)。

 北海道でもっとも花粉症症状が強いのは、4~5月のシラカバです。

が、秋の「ヨモギ花粉症」が毎年毎年、特に子どもで増えています。

ブタクサは全世界で増えており、特にヨーロッパでは増えているので、ブタクサ花粉症の患者も激増しています。ところが、原因は不明ですが、日本だけブタクサは減少しており、特に北海道ではほとんど見られません。

採血でヨモギの検査値が20を超えてくると、ヨモギ餅やヨモギ茶で強い腹痛を生じ、救急車で搬送されることもしばしばです。

逆に言えば、採血で20を超えなければ、ヨモギ関係の食べ物は大丈夫だとゆうことです。

3)花粉対策

北海道では、花粉が飛ぶ日と飛ばない日の差が激しいく、年によって、1日だけすごかったり、1週間すごかったりしています。

つまり、関東・関西のスギと違い、四六時中花粉が飛んでいることはありませんので、花粉症の眼鏡をつけたりするのは悪くはないですが、活躍する期間は短いです。

このため、毎年症状が出る時期が決まっているなら、その2週間前から治療するのが一番、症状があるなら諦めて最低1週間~自分がアレルギーの花粉の時期までは、薬を使うのが効率的です。

4)北海道での花粉症治療

採血をして、「どの花粉に」、「どのくらい反応しているのか」で、何月まで、どの薬で治療するのかが決まります。

治療は、点眼、点鼻、内服、免疫療法の4種類があります。

通常、点鼻と内服だけで済む年が多いですが、眼の掻痒がある場合には点眼も併用しないと間に合いません。また、今年のような年は、通常の点眼に併用して、ステロイド点眼も行わない無理な方が多いです。

免疫療法に関しては、一般的に知られた国だと、日本だけ健康保険では「スギ」しかできません(アメリアから薬を輸入し、自由診療を行っている一部の病院を除く)。

が、花粉症を根本的に治す=薬を使わず症状をなくするには、これしか方法がなく、世界ではこの治療が一般的です。

これはフランス在住の私の妹が、フランスで受けている花粉症の免疫療法です。

妹は、舌下と呼ばれる治療を選択し、毎日数滴この薬を飲んでいます。

一方で、日本では「スギ以外の花粉の免疫療法」ができる病院は5つくらいしかありません。

当院では、続木がヨーロッパとアメリカの学会に通っていることもあり、世界では普通だけど、日本では行っていない治療を受けることもできます。

シラカバ・イネ科の治療スケジュール:自由診療(自費)

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【参考 文献】

  • 続木康伸. 小児と成人の花粉・食物アレルギー症候群の検討. 日本花粉学会誌. 65(1):21-24. 2019.
  • 木村妙,他. 小児におけるスギ皮下急速免疫療法の有効性と安全性の検討.日小ア誌.2016;30:635‒641.
  • 堀向健太. 雑草花粉. 日小ア誌 2019;33:749‒757.
  • 岡藤郁夫. 樹木花粉. 日小ア誌 2019;33:758‒768.
  • Sawako Masuda,etal. Development of allergic rhinitis in early life: A prospective cohort study in high-risk infants. Pediatr Allergy Immunol. 2022;33:e13733.
  • Paul Schutzmeier, etal. Non-pharmacological interventions for pollen-induced allergic symptoms: Systematic literature review. Pediatr Allergy Immunol. 2022;33:e13690.
  • Maria De Filippo,etal. Safety of allergen-specific immunotherapy in children. Pediatr Allergy Immunol. 2022;33:27–30.
  • 藤枝重治,他. シラカンバ/カバノキ科花粉症に合併するPFAS.アレルギー・免疫.  24, 31-43 (2017).
  • 本田耕平: 小児花粉症罹患率の推移と影響因子に関する研究.アレルギー・免疫 . 24, 14-19 (2017).
  • 安部裕介,他. 北海道における花粉症原因抗原の地域性.アレルギー. 54, 59-67 (2005).
  • 武内伸治,他. 2012年の札幌市における空中花粉飛散量.  北海道立衛生研究所報. 63, 9-13 (2013).
  • 相原道子. 花粉-食物アレルギー症候群. アレルギー・免疫. 24, 1027-1032 (2017).
  • 朝倉光司.  ENTONI. 114, 68-73 (2010).
  • Yokozeki H, et al. Airborne contact dermatitis due to Japanese cedar pollen. Contact Dermatitis 2007;56:224-228.
  • 福家 辰樹. 日小ア誌 2020;34:602-611.
  • 近藤 康人. 日小ア誌 2022;36:81-85.
  • 佐藤さくら, 他. 日小ア誌 2022;36:14-20
  • 山田 伸治, 他. 日小ア誌 2015;29:685-690.
  • 村上 至孝, 他. 日小ア誌 2020;34:525-529.
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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