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薬物アレルギー:解熱鎮痛剤

薬物アレルギー:解熱鎮痛剤

薬物アレルギーは、鎮痛剤と抗生物質によるものがほとんどですが、全ての薬がアレルギーになりえます。

頻度は少ないですが、漢方(特に花粉症のある方)、H2ブロッカー(胃薬)、ビタミン注射(金属アレルギーの人)、抗てんかん薬(薬物アレルギーの中では多い)もあります。

一方で、抗アレルギー剤、高血圧の薬でアレルギーを起こす人はほとんどいませんが、甲状腺の薬は長年かけて徐々に肌荒れとして出てくる場合があります。

薬物アレルギーは、成人の小麦アレルギーと同じ、ある日突然発症することが多く、去年まで大丈夫だったは通用しません。

#成人の小麦アレルギーはこちら

1)使われる頻度多い薬が、アレルギーの原因

鎮痛剤と抗生剤は、作用機序によってグループ分けがされております。

薬物アレルギーの中でも、私のところに受診する方で最も多いのが、鎮痛剤:イブプロフェン、抗生剤:セフェム系です(下表参照)。

薬物アレルギーは、系統毎に構造が似ており、もしアレルギーだった場合には、その系統は使えません。

医師によって知識に大きな差があるので、今後のことを考えるとアレルギーがある系統は丸ごと使わないのが正解。

例えば、私はイブプロフェンアレルギーではなく、プロピオン酸系アレルギーと他の医師への紹介状には書いています。

◎鎮痛剤

下図「~系」1種類のアレルギーの場合がほとんどです。

例:アスピリンがダメ=サリチル酸系のアレルギー

つまり、その系統の薬だけ飲まなければ大丈夫。他の系統の薬と代替え可能です。

しかし、2種類以上の系統の鎮痛剤にアレルギーがあると、全部の系統がダメな可能性がぐっと増えます。

全部の系統がダメな方は、イメージとして「薬物過敏症:全部の鎮痛剤が飲めない」です。

以前は、2種類以上の系統の鎮痛剤が飲めなくても、コキシブ系「セレコックス」、塩基性「ソランタール」は大丈夫な方がほとんでした。

しかし、ここ数年の20代女性では、全ての系統の薬がダメな方がずいぶんと増えている印象です。

◎抗生剤

これも「~系」1種類のアレルギーの場合がほとんどです。

例:サワシリンがダメ=ペニシリン系のアレルギー

ほとんど1系統だけのアレルギーですが、ペニシリン系とセフェム系は合併することがあります(世間で言われているほど多くはない)。

最も多いアレルギーはセフェム系で、これはもっとも処方されているから。

また、もしセフェム系がアレルギーだったとしても、抗生剤は原因菌で選択されます。ほかにも種類があるので、問題はありません。

これも医師の知識の大きな差があるので、「~系がダメ」とだけ言いましょう。

2)薬物アレルギーは想像の250倍はひどい

薬物アレルギーの症状で多いのは、皮膚のかゆみ、紅斑、蕁麻疹です。命に係わるアレルギーのアナフィラキシーになることも多く、呼吸苦や喘鳴が加わることもかなり多いです。

アレルギー症状が呼吸に来るのは、空気の通り道が詰まっていることを意味し、非常によろしくありません。

#アナフィラキシーになる

ほとんどの方が、アレルギーのある薬を飲んだ時、「口に入れた瞬間に、毒だと思った」、「髪の毛の先まで痺れた」と言います。

一方で、薬物アレルギーは、全身の皮膚がはがれ、39~40℃の熱が出て、失明、腎臓がやられるアレルギーの最重症型(SJS,TEN)になる可能性があります。

私はこれまで、この手の方を3~4人の方を担当しましたが、最初は全身の皮膚にかゆみ、赤みの症状が出ます。

その後は1~3日で一気に悪化、発症2日目くらいから口腔内や排尿時が染みるようになり(粘膜がやられている)、羞明(光がまぶしくなる:目の表面がやられている)が出現、発熱(大体38~39℃、全身がやられてきた証拠)も出現します。

ここまでくると集中治療室で、特殊な治療を行います。

3)生理、片頭痛、コロナワクチン接種で問題になる

女性の場合、薬物アレルギーが問題になるのは、生理、片頭痛(飲む薬がない)がもっとも多いですが、コロナワクチンです。

副反応の発熱、痛みの時に飲む薬もないし、そもそもがコロナワクチンでアレルギーを起こすリスクが高いから。

最近は大規模接種会場で断られることが非常に多くなっており、大阪からも相談がありました。

#コロナワクチンと接種前に注意するアレルギーはこちら

当院では、大規模接種会場でアナフィラキシーを起こした人の救急搬送を引き受けていましたが、女性の方が圧倒的に起こしやすいです。

4)検査ができる病院は限られている

コロナワクチンアレルギーを含め、鎮痛剤や抗生剤アレルギーでも検査できるクリニックは限られています。

本当はその人のライフスタイルにあった効果的な対応があるので、これまでの経緯をよく聞いて、あなたに必要な薬を選び、これまでとはちがったやり方を考えます。

そのために、必要なのがじっくり話し合う時間です。

#じっくり話し合う時間がいる

5)だから、これが必要です

①食物30分、ハチ15分、薬5分

アレルギーで死に至るまでの時間です。

②事前に検査しておくことで備える

最も多いのは、「手術予定になったけど、使える薬がわからない」です。

③予約を入れていたけど断られる

ワクチン大規模接種会場では、全国的に多いです。この間は大阪から相談がありました。

 

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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