アレルギー性鼻炎の原因と当院の根本治療
札幌で長引く鼻水・鼻詰まりに悩む方へ
「毎年の春、シラカバ花粉の季節になると鼻がムズムズ、くしゃみが止まらない…」
「ハウスダストのせいか、一年中鼻が詰まって息苦しい…」
「薬を飲んでも一時的に良くなるだけで、根本的には治らない…」
札幌にお住まいで、このような鼻の症状に長年悩まされていませんか?
その症状、もしかしたら単なる鼻風邪ではなく「アレルギー性鼻炎」かもしれません。
アレルギー性鼻炎は、放置すると日常生活に支障が出るだけでなく、他の病気を引き起こす可能性もあります。しかし、原因を正しく特定し、適切な治療を行えば、症状をコントロールし、さらには根本的な体質改善を目指すことも可能です。
この記事では、アレルギー性鼻炎の原因タイプ、なぜ原因特定が重要なのか、そして札幌のアルバアレルギークリニックが推奨する根本治療「アレルゲン免疫療法」について詳しく解説します。長年の鼻の悩みから解放されるための第一歩を、ここから踏み出しましょう。
あなたの鼻炎は、どのタイプ? アレルギー性鼻炎の主な原因
アレルギー性鼻炎は、私たちの体を守る免疫システムが、特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に過剰反応することで起こります。
鼻の粘膜でアレルギー反応が起こると、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状が現れるのです。
原因となるアレルゲンによって、主に以下のタイプに分けられます。
一年中つらい「通年性アレルギー性鼻炎」(ダニなど)
主な原因:室内に生息するダニの死骸やフン(ハウスダストの主成分)、ペットの毛、カビなど。
症状の時期:一年を通して症状が見られます。特に起床時や掃除中などに悪化することがあります。
札幌・北海道の状況:冬の寒さが厳しい北海道では、住宅の気密性が高く、結露なども発生しやすいため、ダニやカビが繁殖しやすい環境にあります。
札幌を含む北海道民の約3割以上がダニアレルギーを持っているとも言われ、全国的に見ても注意が必要です。
特定の季節だけ「季節性アレルギー性鼻炎」(花粉症)
主な原因:特定の季節に飛散する植物の花粉。
症状の時期:花粉が飛ぶ時期に限定して症状が現れます。
札幌で特に注意すべき花粉:
春(4月~6月頃):シラカバ(北海道の代表的な花粉症原因)、ハンノキ
夏(6月~8月頃):カモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科植物
秋(8月~10月頃):ヨモギ、ブタクサなどのキク科植物
近年、一般的なアレルギー検査では分かりにくいマイナーな花粉(例: イタヤカエデなど)に反応する方も増えています。
原因不明でも続く「慢性鼻炎」
特徴:アレルギー検査で特定のアレルゲンが見つからないものの、アレルギー性鼻炎と同様の鼻水・鼻づまりといった症状が慢性的に続く状態です。
ご自身の症状がどのタイプに当てはまるかを知ることが、適切な対策と治療への第一歩となります。
原因特定が「根本治療」への第一歩
「なんとなくダニかな?」「多分、春だから花粉症だろう」と自己判断していませんか? アレルギー性鼻炎の治療、特に根本的な体質改善を目指す上では、原因アレルゲンを正確に特定することが非常に重要です。
原因を特定するメリット
- 最適な治療法を選べる:特に後述する「アレルゲン免疫療法」は、原因アレルゲンが特定できていないと行うことができません。自分のアレルギーの原因に合わせた、最も効果的な治療を選択できます。
- 日常生活で具体的な対策が打てる:ダニが原因なら寝具のケアや掃除方法、特定のカビなら水回りの換気、花粉なら飛散時期の外出対策など、ピンポイントで効果的なセルフケアが可能になります。
- 原因が明確になり安心できる:長年悩まされてきた症状の原因がはっきりすることで、精神的な負担が軽減され、前向きに治療に取り組めます。
アルバクリニックの検査方針
当院では、主に血液検査(特異的IgE抗体検査)で原因アレルゲンを調べます。約200種類のアレルゲンの中から、問診や症状に基づき、原因として疑わしいものを選択して検査します。
ここで当院がこだわっているのは「検査の精度」です。一度に多くの項目(例: 33項目など)をまとめて調べるセット検査は、手軽に見える反面、個々のアレルゲンに対する検査精度が低下する可能性があります。 そのため、当院では安易なセット検査は行わず、より信頼性の高い診断のために、原因として可能性の高いアレルゲンを絞り込んで検査することを重視しています。(保険診療では、一度に13項目まで検査可能です)
アレルギー性鼻炎の治療:症状を抑えるだけ? それとも根本から治す?
アレルギー性鼻炎の治療には、大きく分けて2つのアプローチがあります。
一般的な治療(対症療法)
多くのクリニックで行われているのが、症状を和らげる「対症療法」です。
主な治療法:抗ヒスタミン薬の内服、鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻スプレー)など。
効果:くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのつらい症状を一時的に抑える効果があります。
効果は一時的で、薬をやめると症状が再発します。アレルギー体質そのものを治すわけではありません。すべての人に効果があるわけではなく、効果が十分得られるのは約6割程度とも言われています。眠気などの副作用が出ることがあります。
もちろん、つらい症状を和らげることは大切ですが、「いつまで薬を飲み続ければいいんだろう…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
【当院推奨】根本治癒を目指す「アレルゲン免疫療法」
薬で症状を抑え続けるだけでなく、アレルギー体質そのものを改善し、根本的な治癒を目指したい方へ、当院では、アレルゲン免疫療法を症状の長期的な改善を目指す選択肢の一つとしてご案内しています。(※すべての方に効果が現れるわけではありません)
アレルギーの原因となっているアレルゲン(ダニやスギ花粉※など)のエキスを、少量から徐々に体に投与していく治療法です。体をアレルゲンに少しずつ慣らしていくことで、アレルギー反応を起こしにくい体質へと変えていくことを目指します。
現在、アレルギー性鼻炎の長期的な症状改善が期待できる治療法の一つとして注目されています。
(※現在、保険適用で治療可能なのはダニとスギ花粉のみです。シラカバ花粉など、他のアレルゲンに対する免疫療法は保険適用外となります。)
長期的な症状改善:治療終了後も症状の改善がみられる場合があります(効果には個人差があります)。
QOL(生活の質)の向上:集中力の回復、快適な睡眠、外出への不安軽減など、日常生活がより快適になります。
アレルギー治療薬の減量・中止:薬に頼らない生活を目指せます。
将来的な他のアレルギー疾患の発症予防:アレルギーマーチ(アレルギー疾患が次々現れること)の進行を抑える効果も期待されています(特に小児)。
期間:効果を実感し、体質改善を定着させるためには、最低3年、推奨5年の継続的な治療が必要です。根気強さが大切になります。
種類:
[舌下免疫療]アレルゲンエキスを含む錠剤や液体を、毎日1回、舌の下で保持してから飲み込みます。自宅で手軽に行えます。(現在、ダニ・スギ花粉が対象)
[皮下免疫療法]アレルゲンエキスを腕などに注射します。月1回程度の通院が必要です。
(現在、スギ花粉が対象。※ダニアレルギーに対する皮下免疫療法の新規受付は終了しました)
「アレルゲン免疫療法って、どこで受けられるの?」
「近くのクリニックでもやっているみたいだけど…」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、アレルゲン免疫療法(特に舌下免疫療法)は、以前に比べて多くの耳鼻咽喉科やアレルギー科で導入されるようになってきました。
しかし、本当に大切なのは、「どこで受けるか」です。
なぜなら、アレルゲン免疫療法は、単に薬を処方するだけの治療ではないからです。長期間にわたる治療効果を最大限に引き出し、安全に進めていくためには、専門的な知識と経験、そして患者様一人ひとりに寄り添った丁寧なサポート体制が不可欠なのです。
アルバアレルギークリニックでは、アレルゲン免疫療法をただ行うだけでなく、以下の点にこだわり、患者様が安心して治療を継続できるよう丁寧なサポートを心がけています。
Point 1:丁寧な説明と「あなただけ」の治療計画
検査結果に基づき、なぜこの治療が必要なのか、どのような効果が期待できるのかを分かりやすくご説明します。その上で、患者様の症状の重さ、ライフスタイル(通院頻度、毎日の自己管理が可能かなど)、ご希望を考慮し、舌下・皮下のどちらが適しているか、いつから始めるのがベストかなど、一人ひとりに合わせた最適な治療計画を一緒に考え、ご提案します。
Point 2:副作用へのきめ細やかな対応と安心指導
治療開始時や増量期に起こりやすい副作用(口内のかゆみ、注射部位の腫れなど)について、事前に詳しく説明し、ご自宅での対処法や注意点(体調管理、薬の服用タイミング等)を具体的にお伝えします。万が一、副作用が出た場合も、アレルギー専門医が迅速かつ的確に対応できる体制を整えていますのでご安心ください。
Point 3:ゴールを見据えた長期的なサポート体制
3~5年という長い治療期間を最後までやり遂げるためには、モチベーションの維持が不可欠です。当院では、定期的な診察を通じて治療効果を丁寧に評価し、患者様と共有します。治療中の疑問や不安にも親身に耳を傾け、ゴールである「アレルギーからの解放」に向けて、二人三脚で歩んでいくことを大切にしています。
アレルゲン免疫療法は安全性の高い治療法ですが、以下の点にご注意ください。
体調管理:体調が悪い時、発熱時、疲れている時、睡眠不足の時は、副作用が出やすくなるため治療(舌下投与・注射)はお休みしてください。
副作用:
[局所反応]舌下の場合は口内のかゆみや腫れ、皮下の場合は注射部位の腫れやかゆみなどが起こることがあります。多くは一時的なものです。
[全身反応]まれに、じんましん、腹痛、咳、息苦しさなどの全身的なアレルギー反応が起こる可能性があります。発生頻度は非常に低いですが、万が一に備え、初回投与は院内で行う、アレルギー専門医の管理下で治療を進めることが重要です。
医師の指示を守り、体調に注意しながら進めることで、安全に治療を行うことができます。
放置しないで! アレルギー性鼻炎が引き起こす様々な問題
「鼻炎くらい…」と軽く考えていませんか? アレルギー性鼻炎を放置すると、単に鼻の症状が続くだけでなく、様々な問題を引き起こす可能性があります。
日常生活への深刻な影響
集中力・記憶力の低下:仕事や勉強の効率が落ちる
睡眠不足:鼻づまりで夜中に目が覚める、熟睡できない
日中の強い眠気:事故のリスクにもつながる
イライラ感・気分の落ち込み:精神的なストレス
嗅覚障害:食事を楽しめない、危険な臭いに気づかない
口呼吸による弊害:のどの乾燥、虫歯や歯周病のリスク増
これらの症状は、QOL(生活の質)を著しく低下させます。
見過ごせない合併症のリスク
鼻の炎症が他の部位に影響を及ぼすことも少なくありません。
副鼻腔炎(ちくのう):鼻の奥にある副鼻腔に炎症が及び、膿が溜まる病気。頭痛や顔面痛の原因にも。
気管支喘息:アレルギー性鼻炎を持つ人は、喘息を発症・悪化させやすいと言われています。
花粉-食物アレルギー症候群(PFAS):特に札幌で多いシラカバ花粉症の方は注意が必要です。リンゴ、モモ、サクランボなどを食べると口や喉にかゆみが出ることがあります。(約半数の方が発症すると言われています)
アナフィラキシー:北海道の花粉(特にシラカバ)は、時に重篤な全身アレルギー反応(アナフィラキシー)を引き起こすこともあり、命に関わるケースもあります。
症状を放置せず、適切な治療を受けることが、これらのリスクを回避するためにも重要です。
札幌でアレルギー性鼻炎の根本治療なら、アルバアレルギークリニックへ
長引く鼻水、しつこい鼻づまり、止まらないくしゃみ…。そのつらい症状は、もう仕方がないと諦める必要はありません。
札幌のアルバアレルギークリニックは、アレルギー疾患を専門とし、「症状を抑える」だけでなく「根本から治す」ことを目指した治療に力を入れています。
・アレルギー専門医による的確な診断
・精度を重視したアレルギー検査
・根本治療「アレルゲン免疫療法」への豊富な経験と実績
・一人ひとりに寄り添う丁寧な診療と長期的なサポート
「薬の使用を減らしたい」
「アレルギー体質の改善を目指したい」
「長年の鼻炎の悩みを軽減したい」
とお考えの方は、ご自身の症状やご希望に合わせて治療法を一緒に考えさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
参考文献
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