「柿を食べたら口がピリピリ…」その違和感、実は柿アレルギーかもしれません
もしかして、柿アレルギー?
秋の午後、親戚からいただいた立派な柿を一口かじった瞬間。
「あれ?なんか口の中が変…」
唇がじんわり腫れてくるような感覚。舌がピリピリして、喉の奥がイガイガする。鏡を見ると、口の周りがほんのり赤くなっている。
「気のせいかな?」と思って、もう一口食べてみる。すると今度は、さっきより明らかに症状が強くなる。慌てて口をすすいで、水を飲んで、しばらくじっと様子を見る。
30分ほどすると、症状は落ち着いてきた。「やっぱり気のせいだったのかも」と自分に言い聞かせる。でも心のどこかで、「これって、もしかして…」というモヤモヤが残り続ける。
あなたは、この記事にたどり着くまでに、きっと何度もこんな経験をされてきたのではないでしょうか?
カキ(柿)の話がほとんどない
インターネットで「柿 口 ピリピリ」と検索しても、出てくる情報は断片的。
「柿アレルギーは稀です」 「口腔アレルギー症候群の可能性があります」 「心配なら病院へ」
そう書かれているだけで、あなたが本当に知りたいことは書かれていない。
- これって本当にアレルギーなの?それともただの食べ過ぎ?
- もし柿アレルギーだとして、他にも食べられない果物があるの?
- 干し柿や柿の葉茶は大丈夫?加熱すれば食べられる?
- このまま放っておいて、もっとひどくなったりしない?
- 病院に行くほどのことなの?行くとしたら何科?
実は、柿アレルギーは「稀だけど、決して珍しくない」アレルギーなんです。
どういうことか説明しますね。
卵や牛乳、小麦のような「メジャーなアレルギー」と比べると、確かに患者数は少ない。だから医学論文も少ないし、一般向けの情報もほとんど出回っていません。
でも、当院では、柿で症状を訴える患者さんは実際に多くいらっしゃいます。
特に最近増えているのが、花粉症をお持ちの方の柿アレルギー。花粉のアレルゲン(アレルギーの原因物質)と、柿に含まれるタンパク質の構造が似ているため、体が「これは花粉だ!」と勘違いして反応してしまうんです。これを「交差反応」と呼びます。
つまり、あなたが感じていた違和感は、決して気のせいではありません。
ただ、情報が少ないために、「自分の症状がアレルギーだと確信できない」「どう対処すればいいか分からない」という状態に置かれているだけなんです。
「たぶん大丈夫」が危険な理由
軽い症状だからといって、放置するのは危険です。
柿アレルギーの症状は、人によって、またそのときの体調によって大きく変わります。
今日は「口がちょっとピリピリする程度」だったとしても、次に食べたときには:
- 唇が大きく腫れ上がる
- 喉が詰まったような感覚で呼吸が苦しくなる
- 全身に蕁麻疹が広がる
- 激しい腹痛や嘔吐が起こる
- 血圧が急激に下がり、意識が朦朧とする(アナフィラキシー)
こういった重篤な症状に進行する可能性はゼロではないのです。
実際に、海外の医学論文では、柿を食べて15分以内に顔が腫れ上がり、呼吸困難になった41歳の女性のケースが報告されています。
「たぶん大丈夫」「今までも何とかなってきたから」
珍しいアレルギーがひどくなりやすい傾向にあると感じています。
適切な診断を受けて、正しい知識を持てば、アレルギーは十分に管理できる症状です。
大切なのは、インターネットの断片的な情報で自己判断するのではなく、あなたの症状に合わせた個別の検査と対策を立てることです。
私たちの診療で分かること
当院のアレルギー外来では、以下のような詳細な検査と診断を行っています:
1. 詳細な問診であなたの「果物アレルギー」の全体像を把握
「いつ」「どんな柿を」「どれくらい食べて」「どんな症状が出たか」を丁寧にお聞きします。
実は、甘柿か渋柿かで症状が違う方もいれば、干し柿なら大丈夫という方もいます。
あなたの症状のパターンを細かく把握することで、「何を避けるべきか」「何なら安全に楽しめるか」が明確になります。
2. 血液検査で「本当にアレルギーか」を科学的に証明
通常は血液血液検査を行いますが、柿は採血で調べることができません。
しかし、北海道の果物野菜アレルギーは花粉症から進行します。
この花粉症との関係、ほかにもお持ちになっている果物野菜アレルギーから
これにより、「気のせい」ではなく「科学的に証明されたアレルギー」であることがはっきりします。
この「はっきりする」ことが、実はものすごく大事なんです。
3. なのでほかの果物も評価
柿アレルギーの方は、バナナ、キウイ、メロン、アボカドなど、他の果物にも反応する可能性が高いです。
また、花粉症やラテックスアレルギーとの関連も調べる必要があることもあります。
当院では、柿だけでなく、関連する食品や物質についても包括的に検査し、「あなたの安全な食生活のマップ」を作成します。
4. 「もしものとき」の対処法を具体的に指導
万が一、誤って柿を食べてしまったときにどうすればいいか。症状が出たら、どの薬をいつ飲むか。どんな症状が出たら救急車を呼ぶべきか。
必要に応じてエピペン(緊急時の自己注射薬)の処方や使い方の指導も行います。
「でも、病院に行くのはハードルが高い…」と思っていませんか?
ここまで読んで、「確かに診断を受けた方がいいのは分かったけど…」と思われているかもしれません。
よくある不安にお答えしますね。
Q: 「こんな軽い症状で病院に行っていいの?」
A: もちろんです。むしろ、軽いうちに診断を受けることが最も重要です。重症化してから慌てるのではなく、今のうちに正しい知識と対策を身につけることが、将来のあなたを守ります。
Q: 「検査って痛いですか?時間がかかりますか?」
A: 血液検査も採血だけなので、数分で終わります。トータルでも初診は1~2時間程度です。
Q: 「費用が心配…」
A: アレルギー検査は保険適用です。
公費を利用する場合、札幌市においては初診時に580円が必要となります。公費を利用しない場合の費用は、6,000円から8,000円程度を見込んでおります。札幌市以外にお住まいの方の場合、自治体によって負担割合が異なりますので、具体的な費用につきましては、お住まいの自治体にお問い合わせいただくとご安心かと思います。
Q: 「もし柿アレルギーって診断されたら、もう一生柿を食べられないの?」
A: 症状の程度によります。完全除去が必要な方もいれば、加熱した柿なら大丈夫な方もいます。また、量を調整すれば食べられる場合もあります。診断は「禁止」ではなく、「安全に付き合う方法を見つけること」が目的です。
ご予約
ご予約はすべてウェブサイトにて承っておりますので、ご都合のよろしいお時間をお選びいただければと存じます。
ご来院を心よりお待ちしております。
最後に
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
あなたが今まで感じてきた「なんとなくの不安」や「モヤモヤした違和感」は、決して無視すべきものではありません。
あなたの体が発している「何かおかしい」というサインを、どうか大切にしてください。
私たち医療者の役目は、病気を治すことだけではありません。あなたが安心して毎日を過ごせるように、正確な情報と適切なサポートを提供することです。
柿アレルギーは、正しく向き合えば十分にコントロールできる症状です。
※本記事は医学的に正確な情報提供を心がけていますが、個別の症状については必ず専門医にご相談ください。
