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アトピー性皮膚炎が悪化する原因は?見直したい生活習慣と受診の目安|札幌市

アトピー性皮膚炎が悪化する原因は?見直したい生活習慣と受診の目安|札幌市

札幌市でアトピー性皮膚炎の診療をしていると、

「最近急にアトピーが悪化しました」

「今までと同じ生活をしているのに、なぜひどくなったのでしょうか」とご相談いただくことがあります。

アトピー性皮膚炎が悪化する原因は、一つとは限りません。乾燥や汗、摩擦などの刺激だけでなく、花粉やダニなどのアレルゲン、睡眠不足やストレス、治療やスキンケアの変化など、複数の要因が重なっていることがあります。

そのため私は、診察の際に現在の皮膚症状を見るだけでなく、

「いつ頃から悪化したのか」

「悪化する前に生活の変化はなかったか」

「これまでどのような治療をしていたか」といった経過も確認するようにしています。

この記事では、アトピー性皮膚炎が悪化したときに考えられる原因と、診察でも確認しているポイント、自宅で振り返っていただきたいことについて解説します。

1. アトピー性皮膚炎はなぜ悪化を繰り返すのでしょうか?

 

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な皮膚の病気です。

背景には、アレルギーを起こしやすい体質や、皮膚のバリア機能の低下などが関係しています。

皮膚には、本来、体の水分が外へ逃げることを防ぎ、外からの刺激や異物が体内に入りにくくする役割があります。
しかし、アトピー性皮膚炎ではこのバリア機能が低下し、皮膚が乾燥しやすく、さまざまな刺激の影響を受けやすい状態になっています。

そこに乾燥や汗、摩擦、アレルゲンなどの刺激が加わると、炎症やかゆみが強くなることがあります。

さらに、かゆい部分を掻くと皮膚が傷つきます。するとバリア機能がさらに低下し、また刺激を受けやすくなるため、次のような悪循環が起こります。

  • かゆい
  • 掻く
  • 皮膚が傷つく
  • 炎症が強くなる
  • さらにかゆくなる

私は患者さんに、アトピー性皮膚炎の悪化について「何か一つの原因だけを探そうとしなくても大丈夫です」とお話しすることがあります。

もともとの皮膚の状態に、その時々の環境や生活上の変化が重なって悪化していることも少なくないからです。

アトピー性皮膚炎そのものの特徴や治療について詳しく知りたい方は、アトピー性皮膚炎のページもご覧ください。

2. アトピー性皮膚炎を悪化させる主な原因

 

アトピー性皮膚炎の悪化要因は、人によって異なります。また、同じ患者さんでも一年を通して同じ原因が影響しているとは限りません。

診察では、次のような要因が症状の悪化と重なっていないか確認していきます。

乾燥や気温・湿度の変化

アトピー性皮膚炎では、乾燥は特に注意したい要因の一つです。

皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、外からの刺激を受けやすくなります。その結果、かゆみや赤みが強くなることがあります。

季節の変わり目だけでなく、暖房や冷房を使い始めた時期に症状が変化する方もいます。

そのため診察では、「毎年同じ時期に悪化していないか」「最近暖房を使い始めていないか」なども確認することがあります。

汗や摩擦による刺激

汗をかくこと自体が問題というわけではありませんが、汗をかいたままにしたり、皮膚が蒸れたりすると刺激になることがあります。

  • 衣類とのこすれ
  • マスクや襟元の摩擦
  • 髪の毛が皮膚に触れること
  • タオルで強くこすること

なども、症状によっては刺激になります。

「夏になると悪化する」「運動をするとかゆくなる」という場合は、汗や摩擦が関係していないか考えてみます。

花粉・ダニ・ハウスダストなど

アトピー性皮膚炎では、花粉、ダニ、ハウスダストなどの環境中のアレルゲンが症状に関係する場合があります。

ただし、ここで注意していただきたいのは、血液検査などで反応が出たものが、そのまま「現在のアトピー悪化の原因」とは限らないことです。

私は検査結果だけではなく、次のような情報も合わせて考えます。

  • いつ症状が悪化したか
  • どこで症状が出やすいか
  • 毎年同じ季節に悪化するか
  • 鼻炎や結膜炎など他のアレルギー症状がないか

検査の数値だけを見て、生活の中から何でも除去してしまう必要はありません。

かゆみと掻き壊し

診療をしていて特に重要だと感じるのが、「かゆみ」と「掻くこと」の関係です。

患者さん自身はそれほど掻いているつもりがなくても、睡眠中に無意識に掻いていることがあります。

  • 朝起きたら傷が増えている
  • シーツに血がついている
  • 夜中にかゆくて起きてしまう

といった場合には、夜間のかゆみが十分にコントロールできていない可能性があります。

皮膚を掻くこと自体が新たな刺激となるため、悪化した原因を考えるときには、かゆみの強さも重要な情報です。

3. 見落としやすい悪化のきっかけ|睡眠・ストレス・生活環境

 

「急に悪化したので、新しいアレルギーが増えたのでしょうか?」

これも診察でご相談いただくことのある内容です。

もちろんアレルギーが関係している場合もありますが、アトピー性皮膚炎が悪化したからといって、新しいアレルギーができたとは限りません。

私はこのような場合、悪化する少し前の生活についても伺います。

  • 仕事や学校が忙しくなった
  • 睡眠時間が短くなった
  • 引っ越しをした
  • 寝具を替えた
  • 季節が変わった
  • 汗をかく機会が増えた
  • 新しい化粧品やスキンケア用品を使い始めた
  • 薬を塗る回数が減った

といった変化です。

患者さんにお話を伺っていると、「そういえば、その頃から生活が変わりました」と気づかれることもあります。

ストレスや睡眠不足だけでアトピー性皮膚炎の原因を説明することはできません。ただ、生活リズムや体調の変化と症状の悪化が重なっていないかを見ることは、原因を整理するうえで重要です。

また、「悪化した」というよりも「湿疹がどんどん広がっている」という場合は、アトピー性皮膚炎が広がる原因についての記事も参考にしてください。

4. 「最近悪化した」とき、診察ではどこを確認するのか

 

アトピー性皮膚炎の診察では、その日に見えている湿疹だけで判断するのではなく、それまでの経過を確認することがとても大切です。

たとえば診察の日だけ症状が少し落ち着いていることもあります。
そのため私は、
「一番ひどかったのはいつ頃ですか?」
「その頃、何か生活に変化はありませんでしたか?」
「どの場所から悪化しましたか?」といったことも確認します。

ご自宅でも、次の表を参考に悪化前後の変化を振り返ってみてください。

悪化のきっかけ 振り返りたいポイント 状況の例
乾燥・気温の変化 季節や室内環境が変わっていないか 季節の変わり目、暖房を使い始めた時期など
汗・摩擦 汗をかく機会や衣類が変わっていないか 運動、暑い時期、衣類とのこすれなど
花粉・ダニ・ハウスダストなど 特定の時期や場所で症状が変わらないか 毎年同じ季節に悪化する、寝室で気になるなど
掻き壊し 夜間や無意識に掻いていないか 朝起きると傷が増えている、かゆくて眠れないなど
睡眠不足・ストレス 悪化前に生活リズムが変わっていないか 忙しい時期、睡眠時間が短くなった時期など
スキンケア・治療 薬や保湿剤の使い方が変わっていないか 塗る頻度が減った、新しい製品を使い始めたなど

大切なのは、すべてを患者さん自身で判断することではありません。

「この頃から悪くなりました」「毎年春になると悪化します」「家にいるときの方がかゆい気がします」という情報だけでも、診察では大切な手がかりになります。

当院では、こうした経過を伺いながら、症状や年齢、食べ物、合併するアレルギーなども踏まえて、必要な検査や治療について考えていきます。

初めて受診される方は、初めての方へもご覧ください。

5. アトピーが悪化したときに自宅で見直してほしいこと

 

症状が悪くなると、「何が原因だったのだろう」と原因探しに意識が向きやすくなります。

もちろん原因を考えることも大切ですが、私は同時に「今の皮膚への刺激を増やさないこと」も大切だと考えています。

まず基本となるのは、皮膚を清潔に保ち、乾燥を防ぐことです。

ただし、清潔にしようとして強く洗いすぎたり、熱いお湯で長時間入浴したりすると、かえって皮膚への刺激になることがあります。

  • 汗をかいたままにしない
  • 皮膚を強くこすらない
  • 刺激の強い衣類を避ける
  • 爪を短く整える

といったことも意識してみてください。

そして、もう一つ大切なのが治療を自己判断で変えないことです。

「悪化したので薬が怖くなってやめた」「良くなったので急に全部やめた」という場合、症状が再び強くなることがあります。

アトピー性皮膚炎では、「どの薬を使うか」だけでなく、「どの部位に、どのくらいの量を、どのくらいの期間使うか」も重要です。

今の治療で良いのか不安な場合は、自己判断で大きく変更する前にご相談ください。

また、「食べ物が原因なのでは」と考えて、いくつもの食品を自己判断で除去する必要もありません。食物アレルギーとの関連が疑われる場合は、症状の出方や経過を確認しながら判断します。

6. 悪化を繰り返す場合は治療そのものを見直すこともあります

 

「薬を塗っているのに、どうして何度も悪くなるのでしょうか?」

これも、患者さんからいただくことのあるご相談です。

アトピー性皮膚炎は慢性的な病気なので、治療して一度良くなったからといって、その後ずっと症状が出ないとは限りません。

ただし、何度も強く悪化する場合には、現在の治療方法が今の皮膚の状態に合っているかを確認する必要があります。

私は診察の際、次のような点を確認します。

  • 湿疹がどのくらい広がっているか
  • 皮膚の炎症がどの程度か
  • かゆみはどのくらい強いか
  • 夜眠れているか
  • これまでどのような治療をしてきたか
  • 日常生活にどの程度影響しているか

薬についても、「強い薬か、弱い薬か」だけで考えるのではなく、そのときの症状や部位に合わせて選ぶことが重要です。

外用薬や保湿などによる治療を続けても症状が十分に落ち着かない場合には、状態やこれまでの治療経過に応じて、他の治療方法を検討することもあります。

デュピクセントなどの治療について詳しく知りたい方は、デュピクセントに関する記事もご覧ください。

また、「どこまで悪くなったら病院へ行った方がよいですか?」という質問もあります。

一律の日数で決めることはできませんが、次のような変化がある場合には、一度診察を受けることをご検討ください。

状態 受診を検討したい変化
かゆみ 夜眠れないほど強くなった
湿疹 範囲が広がった、赤みや炎症が強くなった
掻き傷 掻き壊しを繰り返している
治療 続けていても悪化を繰り返している
日常生活 睡眠や仕事、学校などに影響が出ている
症状の変化 いつもと違う湿疹や痛み、急な広がりがある

7. 診察でご相談いただくことのあるアトピー悪化の質問

 

Q. 薬を塗っているのに、どうしてまた悪化するのでしょうか?

アトピー性皮膚炎は、治療によって症状が良くなっても、再び悪化することがあります。

その場合は、薬の種類だけでなく、「どの部位に」「どのくらいの量を」「どのくらいの期間使っていたか」も確認します。

繰り返し悪化する場合には、ご自身で薬を増減するのではなく、今の皮膚の状態とこれまでの使い方を一緒に確認しましょう。

Q. 急に悪化しました。新しいアレルギーが増えたのでしょうか?

「急に悪化した=新しいアレルギーができた」とは限りません。

乾燥、汗、摩擦、季節、睡眠、生活環境、治療方法の変化など、いくつかの要因が重なっていることもあります。

診察では、アレルギーだけを見るのではなく、悪化する前後の経過も確認していきます。

Q. ストレスや寝不足でもアトピーは悪化しますか?

ストレスや睡眠不足だけでアトピー性皮膚炎の原因を説明することはできません。

ただ、「仕事が忙しくなった頃から悪化した」「眠れない日が続いてからかゆみが強くなった」という場合には、その変化も診察で確認したい情報です。

思い当たることがあれば、遠慮なくお話しください。

Q. 食べ物が原因かもしれません。自分で除去した方がよいでしょうか?

自己判断で特定の食品を長期間除去することはおすすめしていません。

食物アレルギーが関係する場合もありますが、血液検査の結果だけで原因食品を決めるわけではありません。

「特定の食品を食べたあとに症状が出る」など気になることがあれば、その経過を教えてください。

Q. 毎年同じ季節に悪化するのはなぜですか?

季節によって、気温、湿度、乾燥、花粉、汗の量などが変化します。

そのため、毎年同じ時期に症状が強くなる方もいます。

「何月頃から」「どの部位に」「どのような症状が出るのか」を覚えておいたり、写真を残したりしておくと、診察の際に経過を確認しやすくなります。

Q. アトピーが悪化したら、すぐ受診した方がよいですか?

症状の程度によるため、「何日続いたら受診」という明確な基準があるわけではありません。

ただし、かゆくて眠れない、湿疹が急に広がっている、掻き壊しが増えている、治療していても強い症状を繰り返す、普段とは違う症状が出ている場合には、早めにご相談ください。

8. まとめ|「何が変わったか」を一緒に整理しましょう

 

アトピー性皮膚炎が悪化すると、「何が原因なのだろう」と不安になる方は少なくありません。

しかし、乾燥、汗、摩擦、アレルゲン、掻き壊し、睡眠不足やストレスなど、いくつかの要因が重なって症状が悪化していることもあります。

そのため私は、原因を一つに決めつけるのではなく、「悪化する前後で何が変わったのか」を患者さんと一緒に整理することを大切にしています。

ご自身では関係がないと思っている生活上の変化が、診察では大切な情報になることもあります。

札幌市南区・澄川周辺で、アトピー性皮膚炎が最近悪化した、治療していても繰り返す、原因がよく分からず困っているという方は、保険診療のアレルギー科でご相談ください。

これまでの経過や現在の症状を確認しながら、今後の治療について一緒に考えていきます。

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記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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