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離乳食 アレルギー食材の進め方

離乳食 アレルギー食材の進め方

札幌市南区のアレルギー科・小児科のアルバアレルギークリニックです。

本日は、「離乳食 アレルギー食材の進め方」とゆうタイルでお話させていただきたいと思います。

1)アレルギー食材はこれ

1歳以下、つまり離乳食が始まる前の乳児がアレルギーを起こしやすい食材は「卵、牛乳、小麦」です。中でも「卵」アレルギーを持つ子は約40%で、牛乳の2倍、小麦の4倍と圧倒的に多いです。

これは、この3つは子どもが食べるものには、全て含有されているし、また調理しやすいことからも接する頻度が高いためもあります。逆に言えば、この3つが食べられないと大きく制限がかかるため、食生活が大変になります。

10年以上前は、米、ジャガイモなど様々な食品が言われていましたが、基本的にはアレルギーはないと考えてよいレベルです。

また、乳児における魚や肉類のアレルギーは、アトピー性皮膚炎が重症になってしまっている以外ではないと思っていて結構です。

ここで、注意が必要なのは、アレルギーを起こす頻度が高い卵、牛乳、小麦は子どもが食べるものには大体はいっているとゆうことです。

離乳食をレトルトにしようとしても、外出先でなんとかしようとしても、難しい場面が多くあるとゆうことです。

2)離乳食は5~6ヶ月から

2000年前半は、卵、牛乳、小麦などのアレルギーの頻度の高い食品は、離乳食の開始を遅らせる対応がとられていました。

しかし、今は食べなければ食べないだけアレルギーを起こす確率が高くなる印象で、逆に「症状がないままに」食べれば食べるほど、アレルギー予防になるとの説も有力です。

特に卵やピーナッツでは、「生後4~6ヶ月での早期摂取によって食物アレルギー予防になる」で決着がついています。

一方で早ければ早いほど良いかとゆうとそうでもなく、4ヶ月より前だと便秘になりやすいことがわかっています。

ちなみに、子どもの便秘は腹痛、嘔吐を伴いやすい印象で年齢が小さいほどウンチをするときに固くて痛いので、切れたり、泣いたりします。

なので、離乳食は通常通り、5~6ヶ月で開始がよいでしょう。

よくご質問をいただく、「兄弟に食物アレルギーを持っている子がいて心配」な場合、そもそも卵、牛乳、小麦は7~8ヶ月くらいから開始です。

それまでに米、肉、魚、野菜などをドンドン進め、食べれるものを増やせば良いのです。

3)少量とはこのこと

卵、牛乳、小麦のメジャー食品が心配な場合、少量からと言われます。

この少量とは、卵で例えると

①なめる程度

②かけら

③一口

④1/4

⑤1/3

⑥1/2

といった感じで増やしていきます。

どこかの段階で、口が赤くなるなどの症状がでれば終了です。

このときに注意が必要なのが、「前回が軽かったから、今回も軽い訳ではない」とゆうこと。

思い込まないようにしましょう。

食物アレルギーだと確定したら、まず第一は、食べて慣らす方法をできるだけ早く始めることです。

食べて慣らす方法は、体が敵だと思っているものをちょっとずつ食べて慣らしていく方法です。

1歳以上まで「完全除去」にしていると味覚が固まってしまうのか、自分のアレルギー食品は食べてくれなくなることが非常に多いです。

食べてくれないことには治療が進みませんが、食べなければ食べないだけ治らなくなっていくので、いろんな意味で治療が進まず、諦めることになってしまいます。

このためには、毎日の食事と出先での食事が「楽なこと」を第一に考えます。

あまりにも複雑な食べ慣らしを指示された場合には、病院を変えるのも手でしょう。

4)外では食べない

食物アレルギーが確定した場合、「外出先では完全除去」が決まりです。

アレルギーはその時の体調、体に入った量によって症状が大きく変わります。

子どもの場合、「いつもは大丈夫だった」は通用しません。

なので、みんなで遊びに行ったときにも安全第一を考えると、「含有しているものも完全に食べない」が正解です。

ただし、卵、牛乳、小麦を除いた食事では、友人の子ども達が一緒の場合、レストランなどの行先が限られてしまいます。

ここで、使えるのはヴィーガンやグルテンフリーの概念です。

通常、ヴィーガンは卵や乳製品などの、動物性食品をいっさい食べない「完全菜食主義」の方のことを指します。

10年くらい前は、アレルギー対応のお店の方で「卵、牛乳、小麦は入っていません」と言われても、症状を出す子が頻発していました。

これは、「これくらいなら入っているとは言わないと思った」とゆう間違えた認識であることがほとんどでした。

特別料金を支払うなら別として、アレルギー対応できるお店はないに等しいのが現在です。

一方現在は、ヴィーガンやグルテンフリー対応のお店が多いので、これが一つの選択肢としてな最高です。

SNSが日常の現在、ヴィーガンやグルテンフリーなのに「実は入ってました」ではすみませんので、お店は細心の注意を払っています。

5)だから、これが必要です

①妊娠中は普通に食べる

思い込みで除去すると、栄養が偏りそっちの影響がほうが強いです。

②肌荒れはゼロ

湿疹があればあるほど、食物アレルギーになりやすくなります。

③卵、牛乳、小麦アレルギーになったら

ヴィーガンかグルテンフリーだと言い張りましょう。イマドキで、環境にもやさしく、シャレオツです。

受診前にちょっと相談はこちら

参考文献

高増 哲也. 離乳食の進め方,除去の解除の進め方. 日小ア誌 2013;27:28-30.

栗原 和幸. 経口免疫寛容を意識した離乳食. 日小ア誌 2016;30:13‒20.

成田 雅美. 食物アレルギーの発症予防. 日小ア誌 2020;34:391-399.

赤ちゃんとお母さんのためのアレルギー読本. 周産期医学 Vol.48, 2018. 

Matsuo.K, etal. Are both early egg introduction and eczema treatment necessary for primary prevention of egg allergy? JACI 141:1997-2001. e3. 2018.

食物アレルギー診療ガイドライン. 日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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