花粉症とは
花粉症は、特定の植物の花粉に対するアレルギーのことです。
花粉症は季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれ、主に春の花粉の飛散が多い時期に症状が現れます。
多いのはスギやヒノキ、シラカンバなどの植物の花粉が原因となりますが、住んでいる地域によって症状は大きく変わります。
くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。
北海道の花粉症と採血結果
症状
鼻づまりや鼻水
くしゃみ
目のかゆみや充血
喉のかゆみや咳
疲労感や頭痛
など、目や鼻の症状だけではありません。
原因花粉
花粉症の原因は、特定の植物の花粉に対するアレルギー反応です。
代表的な花粉症の原因としては、シラカンバ、スギ、ヒノキ、ブタクサ、ヨモギ、イネなどがありますが、地域によって大きく変わります。
花粉症の症状は、花粉の飛散量に応じて季節的に現れます。
スギ花粉症は春、ヒノキ花粉症は春から初夏、ブタクサ花粉症は夏に、ヨモギやイネ花粉症は秋に症状が顕著になります。
診断と治療
花粉症は主に症状とアレルギー検査の結果をもとに診断されます。
診断を受けたら、医師から治療法や対処法を指導されます。
治療法には、抗ヒスタミン薬、ステロイド鼻スプレー、目薬、アレルギー免疫療法(アレルギー導入療法)などがあります。
予防方法
花粉症の症状を軽減するために、以下の予防策を取ることができます。
花粉の飛散時期に室内に滞在する。
花粉の飛散が多い日には外出を控える。
マスクを着用する。
目を保護するためにサングラスをかける。
花粉症は個人差があり、症状の程度や感受性は異なります。
重度の場合、日常生活に支障をきたすこともありますので、医師の指導のもとで適切な治療を受けることが大切です。また、自己判断や自己治療せず、医師の診断と指導に従うことが重要です。
私が、アレルギー性鼻炎を治療する理由
私の息子はアレルギー性鼻炎がとても酷く、人の4倍の薬を飲んで、2倍の量の点鼻薬を使っていました。
しかし、色々な専門医に受診しても、4歳の時にはこれ以上やれることはないと言われ、鼻の詰まりで息子は夜中に泣いて起きる状態でした。
その当時、アレルギー医になりたてだった私は、親として「本当に治療方法はないのか?」と思う反面、専門医が言うならと諦めの気持ちから泣きたくなっていました。
ところが、勉強に行ったイタリアのアレルギー学会で、他の国ではアレルギー性鼻炎の原因のダニアレルギーは、注射で根治させていることを知ります。
そこで、私は日本でも同様の治療を探しましたが、2015年の日本では他の国よりも6割程度の効果しかない薬しかありませんでした。
他の国と同じ薬を輸入して治療しようとしましたが3ヶ月はかかる事がわかったので、まずは息子のダニアレルギーを日本にある薬で開始しました。
すると、治療開始1ヶ月後には夜中に起きることは一切なくなり、不眠が続き機嫌の悪かった息子や家族がイライラする事はなくなり、明らかに私の息子の鼻は良くなっている事を実感しました。
そして、3ヶ月後には今まで悩んでいた症状を忘れるくらいになり、今までの薬を減らし始めました。
その6ヶ月後には月1回の注射以外の薬は不要になり、現在に至ります。
大量にあった毎日の薬も必要なく、鼻の症状がない事で生活が楽になり、毎日快適に眠れることでストレスもなく、家族が毎日笑えるとは思ってもいませんでした。
いつでも笑っている家族をみて、もっと早く注射の治療を知っていれば、4歳だった頃の私の息子が毎日泣くようなことはありませんでしたが、実はごく一部の日本のアレルギー病院でもこの治療は普通に行われていたことを後に知ります。
一方で、アレルギーを掲げているクリニックは多いものの、健康保険の仕組み上仕方ないこととはいえ、アレルギーを根治するような治療や我々アレルギー医が行っているような検査を行える医者は全体の0.5%程度もいません。
このため、有名なアレルギー病院に患者は集中し、受診するのに3〜6ヶ月待ちです。
広告や宣伝をする必要が無いので表にも出てきません。
こういった状況のため、地方のアレルギー医であった自分では、アレルギーを根治するような治療や全てのアレルギーに対応して治療を行っている医師達と知り会うことが出来ませんでした。
ですが、私は今もアレルギーの勉強を続け、海外の学会を回っています。
さらには、知り合ったアレルギー医達にお願いし、休暇を取って日本全国の病院を勉強して回り、アレルギー医同士で患者さんを紹介し合って、他のアレルギー医達と関係を作り続けています。
私の息子は何年もこの情報に辿り着けませんでしたが、私がアレルギー全般の治療が行えるようになった今では、早くから知っていれば大きく生活が変わるアレルギーの治療を、悩み続けている私のところ来る子ども達には受けてほしいと思っています。
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