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アナフィラキシーの対応(医療者用)

アナフィラキシーの対応(医療者用)

1)アナフィラキシー

アナフィラキシーは、短時間で命にかかわる症状をおこすひどいアレルギー反応のこと。

2023年にガイドラインが変更になり、

まずは、「以下の2つの場合」に、アナフィラキシ―と診断できます。

①皮膚、軟膜、またはその両方の症状が急速に悪くなる(数分~数時間)

さらに、少なくとも以下の1つを伴う

・呼吸器の症状

息切れ、苦しい、喘鳴、呼吸困難感、など

・消化器の症状

強い腹痛、下痢、嘔吐、など

・循環器の症状

血圧低下、脱力、不整脈、動悸、失神など

②アレルギーだと知ってるもの、もしくはアレルギーが強く疑われるものを摂取後

血圧低下、喘鳴、嚥下痛などが、急速に発症。

特にワクチンを含む薬剤関係のアレルギーでは、ほとんどの場合に皮膚症状から始まります。経験的には「顔面(~全身)の紅斑」か「口唇、眼の腫脹」で始まりますが、「体幹の蕁麻疹」が最初に起きることもあります。呼吸器症状のみが最初に起きることは珍しく、皮膚症状と同時に、「咳」、「喘鳴」が出現することがほとんどです。

アナフィラキシーは「診断基準」が決まっています。

「軽いからアナフィラキシーじゃない」などと勝手に診断をしないようにします。

なぜなら、薬物アレルギー、特に注射製剤でアレルギー症状を起こした場合、ショック~心肺停止になるまでの時間が平均15分ととても速く、様子を見ているとあっとゆう間に心肺停止になるから。

私は、これまで3人ほどCT検査のための造影剤で、アレルギーから心肺停止になった方の治療を行っています。全員「具合が悪い」との訴えからすぐに救急外来に移動しましたが、移動途中に心肺停止になっています。やはり10~15分程度でした。

様子を見るのは止めましょう。

2)アナフィラキシ―の対応

アナフィラキシーは治療方針が決まっています。

「アドレナリン(エピネフリン)0.01㎎/㎏を、大腿外側に筋肉注射」を、症状あれば5-15分おきに繰り返すです。

と、同時に救急のA(気道)、B(呼吸)、C(循環)を確保します。

もう一度、アナフィラキシーの第一選択は「アドレナリン(エピネフリン)0.01㎎/㎏を、大腿外側に筋肉注射」。

「軽いアナフィラキシーだから」、「ショックじゃないから」ではなく、「アドレナリン(エピネフリン)0.01㎎/㎏を大腿の外側に筋肉注射」が第一選択です。

低酸素になることも多いし、Max vasocontrictionと言われるように極度に血管が収縮して血管確保が難しくなります。なので、ルーチーンで、酸素投与、血管確保を素早く行います。

例え、皮膚症状だけでも、全身に紅斑が出ているような場合には、いずれその他の症状を合併します。皮膚症状だけでも全身に出ている場合、早めに投与することをお勧めします。

アナフィラキシ―を含むアレルギーは、時間が経てば経つほど対応が難しくなりますので、誰もがショックだとわかるようになってからでは遅いです。

これまで、数百人のアナフィラキシーの人を救急で対応してきましたが、グルカゴンが必要な人はいませんでした(投与を考えた人はいる程度)。

世界基準のガイドラインにのっとった方法を取りましょう。

3)迷ったらアドレナリン(エピネフリン)

アレルギー症状、特にアナフィラキシーはドミノ倒しのようなものです。

症状が出て、勢いがつくと症状が止まりませんし、止めることが出来ません。

アドレナリン(エピネフリン)の目的は、気道確保と症状の進行抑制です。

つまり、気道の浮腫を取るための呼吸器に対するものだけではありません。

肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制することもわかっており、アレルギーの救急対応に慣れている医師ならばわかりますが、アレルギー症状の進行を一気に止めることができる印象です。さらに、入院後にアナフィラキシーが再発する可能性も低くなる印象ですが、2相性にアナフィラキシーを起こす人は3回、4回と数時間おきにアナフィラキシーをおこします。アドレナリン(エピネフリン)を、何度も使わなければいけない人もいます。

ポイントは、「こうなる前の早い段階で投与する」とゆうことです。

抗ヒスタミンのポララミン、ステロイドなどは「現在あるアレルギー症状」を緩和することは出来ます。

現場では、すべてが同時に進行するので、同時に投与されていることが多いですが、基本的にオプション治療と考えましょう。

経験すればわかりますが、対応が遅れれば遅れるほど、治りにくいです。

4)だから、これが必要です

①軽いアナフィラキシ―だから?

様子を見るのは、やめましょう。

②第一選択はアドレナリン(エピネフリン)

その他の治療を優先するのは、トッピングだけ食べて、アイスクリームを食べないようなものです。

③早く対応すればするほど軽症で済みます

死亡する最大の原因は、「エピネフリン投与が遅かった」です。

 

【参考文献】

1. Cardona et al. World Allergy Organization Anaphylaxis Guidance 2020. World Allergy Organization Journal (2020) 13:100472. http://doi.org/10.1016/j.waojou.2020.100472

2. Daniel LoVerde, etal. Anaphylaxis. Chest. 153(2): 528–543, 2018.

3. Einstein (Sao Paulo), etal. Diagnosis and treatment of anaphylaxis: there is an urgent needs to implement the use of guidelines. 2017; 15(4): 500–506.

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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