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あかちゃん 保湿しない方が良い?

あかちゃん 保湿しない方が良い?

札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。

当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。

アトピー・かゆみの治療の患者様に多数ご来院いただいております。

乳児湿疹の対応が遅れた場合の典型例はこんな感じとゆうのをお話します。

「赤ちゃんの頃から肌荒れがひどく、小児科では乳児湿疹と言われるも悪くなるばかり。病院に行って、時々塗り薬を使っても現状維持が精一杯、乾燥肌の状態がづっと続いている。病院を変えて何度相談しても、肌を見てくれることもなく、これ以上やる事はないと言われ、帰ることを急かされる。

病院に通うたびに悲く、不安になる。

しばらくぶりに会った友人の子は、同じくらい肌が荒れていたのに、通っている病院で薬の塗り方と体の洗い方の説明を詳しく受けており、毎回肌を触って診察してもらっていた。

そのせいか、今は週1回だけ、お腹に軟膏を塗るだけでキレイな肌で痒みも無くなっており、来月からは保湿剤だけになるとゆう」

肌が心配になってきてからでも出来るだけ、早く対応しましょう。

【質問】

赤ちゃんは保湿しないほうが良いと聞きました。本当ですか?

【答え】

間違いです。

1)乳児湿疹と保湿についての誤解

多くの方が、「乳児期には保湿をしない方が良い」と考えていますが、これは誤った情報です。

実際には、乳児の肌は大人の肌とは異なり、特に保湿が必要な場合があります。

特によくないのが、「生後~ヶ月までは保湿はいらない」、「乳児にはワセリンで保湿が良い」の2点はお勧めできません。

保湿成分を自分で作れなくなるというウワサ

「保湿をすると、肌が自分で保湿成分を作れなくなる」というのは単なるウワサです。

逆に、適切な保湿は乳児の肌を健康に保つのに役立ちます。

そもそも、自分の力で保湿成分が作れていないくらい、デリケートな肌なのです。

そもそも「生後~ヶ月まで保湿はいらない」は全くのウワサで、その子その子で肌の状況がまったく違います。

生後数ヶ月間の保湿の必要性

「生後数ヶ月までは保湿は必要ない」という意見もありますが、これもまたウワサに過ぎません。

乳児の肌は個人差が大きく、一概に保湿が不要とは言えません。

ワセリンについて

ワセリンは一般的な保湿剤ではありません。保湿作用はほとんどなく、使用するとべとつきが生じやすいため、乳児の肌には適していないことが多いです。

ワセリンは、よだれかぶれやおむつかぶれの予防には有効ですが、それ以外の用途では当院ではお勧めしてません。

顔への保湿の必要性

乳児の顔への保湿が不要であるという誤解もありますが、これも正しくありません。

特に、生後3ヶ月までの口周囲の湿疹は、卵アレルギーと関連があるため、出来るだけ早期から適切なケアが必要です。

2)乳児の乾燥肌と乳児湿疹の症状

乾燥肌の誤解と実態

一般的に、乳児の乾燥肌は普通とされ、保湿を使うと自力での保湿能力を失うと考えられがちです。しかし、実際には乳児は生理的に乾燥肌になる時期があり、この時点で皮膚のバリア機能に異常が生じていることが知られています。

乾燥が進み痒みが出るレベルになると、すでに生理的範囲を超え、アトピー性皮膚炎の状態です。

アトピー性皮膚炎は、このような肌のバリア機能の低下から始まります。

この状態になるといくら保湿してもよくなることはありません。

乳児湿疹の特徴

乳児湿疹は生後2週間から2ヶ月頃に多く見られ、顔、首、頭皮など皮脂分泌が多い部位に現れます。

湿疹の形態は多様で、赤いポツポツ、黄色いかさぶたやフケ状のもの、膿を伴う状態などがあります。これらは局所的に限らず、皮膚全体に広がることもあります。

乳児湿疹の症状

乳児湿疹は、かゆみを伴うことがあり、かき壊すことで症状が悪化し、膿を伴うじゅくじゅくした状態になることもあります。

乾燥肌は、湿疹の前段階として最も軽い症状であり、適切なケアが重要です。

3)赤ちゃんの保湿はいつから?いつまで?

乳児の場合は生後1週間以内、「湿疹が出る前」からです。

これは湿疹があってもなくても関係なく、予防として保湿をします。

アレルギー医がいる病院では、妊婦教室でアトピー性皮膚炎の話があります。病院からプレゼントする出産セットにも保湿剤が入っており、生後1週間以内から助産師の保湿指導があります。

出産後に落ち着いたら、病院にいる時から保湿を始めています。

また、保湿剤の塗布は生後1ヶ月の時点でのオムツかぶれと皮膚トラブルも低いことが分かっています3)

つまり、保湿を塗ってマイナスになることはありません。

4)なにで、保湿する?

保湿はローション、クリーム、軟膏がありますが、基本はセラミド入りの「ローション」か「軟膏」が良いです。

食物、植物配合のスキンケア製品は、配合されている成分にアレルギーを起こすようになるため使用はお勧めできません。

また、皮膚が良くならないのに同じ方法を続けないことも大事です。

保湿で良くならないのであれば、それは「アトピー性皮膚炎」として治療が必要です。

これは、予防的に保湿を塗布することは、アトピー性皮膚炎の予防、それに続く食物アレルギーの予防につながる可能性がある4)と言われています。

肌荒れはアトピー性皮膚炎、そこからの食物アレルギーにつながるのです。

乳児湿疹は保湿しない方が良いなんて、30年前の話なのです。

【参考文献】

1)Infantie eczema pediatric and dermatology section. EAACI 2014

2)Hiroyuki Murota, etal. Allergology International 66; 8-13,2017.

3)Yonezawa. K, et al. J Dermato. 45(1):24-30, 2018. 

4)Sayantani Sindher, etal. Pediatr Allergy Immunol.231(6):699-703, 2020.

よくあるご質問

  • Q 採血結果は持参する必要がありますか?
    A

    採血結果からみるべきポイントは、年齢や食べ物、症状、合併するアレルギーによって、全く違ってきます。しっかりお話しを聞いたあとで、あなたに合った検査を医師が選ぶので、全く違う項目を検査する場合が多いので、手元になくても大丈夫です。

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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