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コラム

重症アレルギーの人ための注射治療:全身療法

重症アレルギーの人ための注射治療:全身療法

1.最重症アレルギーは注射で治療する

重症度で言えば、軽度、中等度、重度、最重症のうち、「最重症」です。

最重症とは、「通常の薬を数種類使っていても、もしくはステロイドの内服か注射をし続けないと状態が良くならないこと」をさします。

通常の薬では効果がない場合、つまり再発を繰り返す、様々な薬をつかっても治りが悪い状態をさします。

つまり、通常の薬だと間に合ってないので、特別な注射が必要な状態とゆうことです。

その特別な注射が、生物学的製剤です。

イメージでいうと、「アレルギーが起きている状態を根本から途切る薬」です。

現在の医療は、皆さんのなじみがないだけで、実はほとんどが注射やワクチンでの治療になってきています。

その代表が、ガン、リウマチ、アレルギーで、我々のような重症の患者さんを治療する人間には、「いままでの治療がなんだったんだ」と思うくらい世界を変えた薬です。

つまり、劇的に効きます。

日本では注射製剤として、ゾレア、デュピクセント、ファセンラ、ヌーカラ、ミチーガがあります。

もう10年以上前ですが、最重症の喘息の子ども達を数多く診ていた私は、通常の治療では効果がなくはないけれど、ちょっとカゼを引くなどするとアッとゆう間に入院していた子たちを治療しながら、ほんとに文字通り患者と泣いてました。

正味の話、「朝、病院に行ったらすでに入院していた」なんて夢をみてたくらいです。

転機が訪れたのはイタリアの学会で、「これからの喘息は月1回病院で注射するのが治療だ」とゾレアのことをオーストラリアの先生から教えてもらい、北海道では小児に1例も使用されていなかったゾレアを(まあ、大人もほとんど使われてなかったんですけど)初めて使いました。

それまでは年間平均5回ほどの入院、喘息の発作で30回ほど救急受診していたのに、入院はゼロになり、発作を起こす回数も年間1回、程度も自宅で追加吸入する程度になっていました。

「私はもう治らない」と外来で大騒ぎしていた子が、「もう治った」と言って吸入をさぼりだすくらいでした。

現在、日本では、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、スギ花粉症が、保険で使用することができます。

2. 投与間隔と値段(投与期間は一番下)

効果はものすごく高いですが、値段も一般の保険診療としてはそれなりにします。

ただし、人によって高いか安いかは違っているのであしからず。

ファセンラ:重症喘息患者に対して、最初の3回は4週毎、その後は8週毎の投与で、喘息発作や経口ステロイド使用量を減少することが示されています。

① ゾレア

【適応アレルギー】

  • 気管支喘息(6歳以上)、スギ花粉症(12歳以上):2週間か4週間に1回の投与。IgEと体重で注射の量が決まります。
  • 蕁麻疹(12歳以上):4週間に1回の投与。300㎎を注射します。

【自分で注射】

自宅での自己注射可能。

【経験的な効果】

  • 続木の経験的には、効果がなかった人ははほぼいない。
  • ただし、文献的には20~30%に効果を感じない~不十分な人がいるとは報告されている。
  • 気管支喘息は4ヶ月かけて効果が出てくるが、蕁麻疹は1ヶ月程度で効果が出る。

②デュピクセント

【適応年齢】

アトピー性皮膚炎:生後6か月から

気管支喘息:12歳から

【適応アレルギー】

  1. アトピー性皮膚炎(15歳以上)2週間に1回の注射。初回2本、2回目から1本の注射。
  2. 気管支喘息(12歳以上)2週間に1回の注射。初回2本、2回目から1本の注射。
  3. 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎:2週間に1回の注射。初回2本、2回目から1本の注射。
  4. アトピー性皮膚炎(5㎏以上30㎏未満):4週間に1回の注射。
  5. 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(15歳以上):2週間に1回の投与。安定したら4週間に1回。

【自分で注射】

自宅での自己注射可能。

【経験的な効果】

  • 続木の経験的には、効果がなかった人ははほぼいない。
  • ただし、文献的には20~30%に効果を感じない~不十分な人がいるとは報告されている。
  • アトピー性皮膚炎は、注射12~14日後に突然効果が出る。
【費用】
  • 診察料、検査費用、薬剤費などがかかります
  • 公費負担のある方は無料です。
  • 診察費用などと薬剤費用は別になります。
  • 3割負担の方は初回2本投与しますので、薬剤費用は約4万円程度、2回目以降の1本投与時で約2万円程度です。
  • 薬剤費用は、薬局での支払いとなります。

»デュピクセント®の薬剤費と医療費助成制度について

»高額療養費シミュレーション

【注射お知らせサービス(無料)】

自己注射をされる方は、注射お知らせメールサービス(無料)がご利用可能です。

メールアドレスと注射予定日を登録することで、2週に1度の注射のタイミングをメールでお知らせするサービスがご利用可能です。

»注射おしらせサービス(無料)

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③ファセンラ

【適応アレルギー】

  • 気管支喘息(成人):最初の3階は4週ごと、それ以降は8週ごとの注射。

④ヌーカラ

【適応アレルギー】

  • 気管支喘息(12歳以上):4週ごと、100㎎注射。
  • 好酸球多発肉下種(成人):4週ごと、300㎎注射。

【自分で注射】

自宅での自己注射可能。

【経験的な効果】

  • 続木の経験的には、効果がなかった人ははほぼいない。
  • ただし、文献的には20~30%に効果を感じない~不十分な人がいるとは報告されている。
  • 気管支喘息は4ヶ月かけて効果が出てくる。

⑤ミチーガ

【適応アレルギー】

  • アトピー性皮膚炎(13歳以上):4週ごと、60㎎注射。

【自分で注射】

自宅での自己注射可能。

【経験的な効果】

  • 新薬のため、データがほかの薬よりは少ない。
  • ただし、文献的には効果を感じない~不十分な人がいるとは報告されている。
  • 1週間以内程度に効果が出る。効果の速さは一番早い印象。
  • 結節性痒疹が多数ある方(ボコボコと盛り上がってる状態)

»費用負担シュミレーターこちら

3. 投与する期間

・どの薬剤も症状ゼロを保ったまま最低1年は継続。

・その後は徐々に投与間隔を伸ばしていき、2~3年で注射を中止することが多い。

注射開始からは、通常の薬の量で済む方からほぼ薬が不要になる方までバラバラです。

しかし、80%程度の方は症状がなくなった嬉しさから治療を注射以外中断することも多く、注射後にどのくらい治療として内服や吸入、塗り薬が必要になるかは注射中の治療の状態によります。

4.考えられる副作用

・皮膚掻痒、目の掻痒、湿疹などのアレルギー症状

・リンパ節腫脹などのリンパ系障害(アトピー再燃時の皮膚症状とは違った灼熱感や痛みのこともある)、手足の浮腫

・注射部位の紅斑など

・頻度は少ないですが、アナフィラキシー(呼吸苦、喘鳴、腹痛、蕁麻疹)

などの可能性が考えられます。

5.医療費負担の制度

当院でデュピクセントを導入された患者さまは、その効果には大変満足いただいておりますが、やはり治療を継続していく上で「費用が心配だ、高すぎる」という方もいらっしゃいます。

患者さまの経済的な負担を軽減するため、さまざまな医療費の助成制度があります。患者さまの収入にもよりますが、限られた費用負担で継続が可能になるケースがあります。1年間で支払った医療費の総額により還付金を受け取れる医療費控除や、1ヵ月の間に医療機関の窓口で支払った額が、一定の金額を超えた場合に、金額が払い戻される高額療養費制度を使うことをご検討ください。

»医療費の助成制度について

»厚生労働省:高額療養費制度について

»高額療養費シミュレーション

医療費負担が軽減されるその他の制度

▶付加給付制度(企業の健康保険組合等の独自制度)

ご加入の医療保険(保険者)によっては、独自に「付加給付」として国が定めるよりも手厚い医療費助成を行っており、自己負担上限額がさらに低く設定されている場合があります。

当院の患者さまでも企業にお勤めで月3000円~2万円以上の医療費は健保組合が負担してくれるという方もいらっしゃいます。

詳しくはご加入の保険者(健康保険組合等)にご確認ください。

お問い合わせ先:健康保険証に記載されている保険者(健康保険組合等)

▶学生などへの医療費補助制度

大学などの学校では、独自に学生の医療費負担を補助する制度を運営している場合があります。

手続きが必要な場合もありますので、詳しくは学生課などにご確認ください。

お問い合わせ先:大学の学生課等

▶ひとり親家庭への医療費補助制度

自治体によってはひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)の方に医療費助成を行っている場合があります。

助成内容や自治体により異なりますので、詳しくはお住いの自治体にご確認ください。

お問い合わせ先:お住いの自治体

経済的なご負担に関しては、ご自身のおかれた環境でいろいろな手段を検討される事をおすすめいたします。

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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