食物アレルギー 減感作:牛乳のレシピ
1)減感作=免疫療法
以前「減感作」と言われていたのは、「免疫療法」と呼ばれています。
特に食べ物では、「経口免疫療法」と呼ばれています。
免疫療法の基本は、自分の体が敵(アレルギー)だと思っているものを、ちょっとずつ体に入れて慣れさせていく方法です。
牛乳は黙っていても治りません。
2)食べることが治療です
15年くらい前の食べ物アレルギーは「完全除去」といって、含有している食品(例えば、卵アレルギーの子のパンとか)も全く食べずに、治ってくるのを待つことが主流でした。
以前はこれで治ると言われていましたが、特に牛乳アレルギーは考えられているよりも治りません。
牛乳は、4歳までに26%が治ったと報告されています。
つまり、74%は治っておらず、16歳までみても約12%の子が治っていないとゆう結果です1)。
特に牛乳の場合には、採血で牛乳(とカゼイン)の値が高い、1歳過ぎで逆に値が上がる、治療していても下がってこない、アナフィラキシーを起こしていると治らない確率が上がることが分かっており、年齢が上がるほど、治りずらくなることがわかります。
3)牛乳アレルギーの攻略方法
牛乳アレルギーを治すコツは、「症状のない範囲で食べ、食べられる範囲を徐々に増やしていくこと」に加えて、「できるだけ早くから治療する」ことです。
完全除去の期間が長ければ長いほど治る確率は減っていくので、出来るだけ早い段階から治療を開始します。
治療を開始前には、必ず経口負荷試験を行って、「症状なく食べられる量」を確認します。
特に、牛乳アレルギーは症状が出ればでるほど、その症状が強ければ強いほど、体ががっちり敵だと認識するので、治りずらくなっていきます。
このため、牛乳が重症の子はアレルギー成分を弱めて治療することも多々あります。
牛乳は加熱しても発酵してもアレルギー成分は変わりませんが、小麦と調理するとアレルギー成分が減ります。
このため、牛乳そのものではなく、クッキーやパンを食べて慣らしくいくとゆうことです。
チーズは牛乳の13倍くらいアレルギー成分が強いので、食べられるようになるのは結構後です。
4)調理方法がポイント
経口免疫療法は、施設によってやり方が様々にありますので、そのクリニックの方針を確認しましょう。
アレルギー医であれば、細かいやり方はそれぞれ違いますが、ゴールとするところは一緒です。
登山で上るコースに違いがあるようなものです。
さて、牛乳アレルギーの治療は食べることで、それも週2~3回を1~3年が必要です。
このため、飽きさせない調理方法に工夫が必要です。
牛乳はヨーグルトでも同じなので、量が少ないときはヨーグルトの方が便利です。
牛乳だと、今月は3mlとなった場合には、注射器などで3mlを計測しないといけないですが、ヨーグルトだとスプーンに乗せて測りでおしまいです。
牛乳は加熱してもアレルギー成分が変わらないのですが、食べ慣らしの場合にはこれが非常に有効に機能します。
つまり、週何度か牛乳200mlを飲むとかヨーグルト食べるとか、牛乳アレルギーの子には結構な努力なので、加熱した料理で食べ方を工夫します。
5)例えばこんな感じ
鉄板① 味の変わるストロー Magic sipper
鉄板② 含有で慣らしていく子 進撃のパンケーキ
鉄板③ 寒天
食材をいれると分量は大体こんなくらいになります。
フローズンヨーグルト
3:13 ~頃から
飽きてきた子用
こんなのもあります。