すべてのアレルギーはアトピー性皮膚炎からはじまる!?
猪飼
知れば勇気が湧くアレルギー攻略講座この番組は、知られざるアレルギーの常識や花粉症、アトピー、ハウスダストといった日常にあふれるアレルギーの悩みにお応えしていく番組です。リスナーの皆さんのアレルギーリテラシーを高めるために、様々な知識と知恵をお伝えします。
猪飼
知れば勇気がわくアレルギー攻略講座番組ナビゲーターの猪飼雄一です。そして、アレルギーが専門で、札幌市、アルバアレルギークリニック院長の続木康伸先生ですよろしくお願いします。よろしくお願いします続木先生、番組いよいよ始まりましたけれども様々なアレルギーの知識をリスナーの皆さんに伝えていただきたいと思いますけれども、わかりやすく丁寧に教えていただけたらありがたいなと思っておりますよろしくお願いします。
猪飼
続けて初回ということなんですけれども、まずはアレルギーってそもそも何なのか、改めて教えていただきたいなと思うんですが。
続木
アレルギーっていうのは、うまく僕が子供たちに説明したり、お母さんたち説明するときの説明なんすけど、そもそも自分の体が、苦手だと思っているもの、敵だと思ってるものは、体の中に入ってきたときに自分の体がこれはあなたには合わないものですよって教えてくれてるのが、アレルギー症状なんですよ。
続木
なんか花粉症の人だったら、花粉が飛んできたら、目に入れば眼が痒くなるし、鼻づまりが出るし、食べ物アレルギーの人だったら口の中が痒くなってる、おなかが痛くなったりするし、あなたの体にはこれは合ってませんよ、敵ですよっていうのを教えてくれてるのがアレルギー反応ですよね。
猪飼
なるほど。苦手なもの、合わないものが、そういう症状として表れてるんで、それを食べないようにとかそういったことを知らせてくれてるっていうことなんですかね。ただそのアレルギー反応ってのも、本当にいろいろなものがあるじゃないですか。
続木
なので、いろんな反応として、そういう形で出てくるんです。それはもう個人差って思ってもらったらいいです。
続木
そうなんですねなんでっていうよりも個人差なんですよ。成人の卵アレルギーだったら、ほとんどの人は唇が腫れるとか、例えばリンゴとか俗に言うバラ科のアレルギー、北海道だとほぼ風土病みたいになってるんですけど、果物野菜のアレルギーですね。
猪飼
リンゴ、モモ、ナシ、さくらんぼとかだと口ん中が痒くなるとか、私それです。
続木
そうですか。
猪飼
はい。
続木
ある程度の傾向はあるんですよ。例えばバナナだったら基本的には乳児のアレルギーで、症状としてはお腹に湿疹が出るとか。
猪飼
そうなんですね
続木
バナナを食べてアレルギーが出るのは基本的に乳児です。
続木
大人でならないこともないですけど、非常に珍しいです。
猪飼
そうなんですね
続木
お腹の湿疹、逆に言うと、この典型的な症状から外れた症状ってのは危ないんですよ。
猪飼
同じものを食べて、大体お腹の湿疹が出るのにそうじゃない反応が出てるときってことですか。
続木
そうです。だから100人いて99人はお腹に湿疹が出るのに、バナナ食べて呼吸が苦しくなった子がいるとします。その子は重症なんですよ。だから他の子の話を聞いて、バナナって湿疹でるけど、家でほっといたら治るよねとかっていうのは、通じないんですよ。
続木
リンゴ食べて口の中が痒くなる人がほとんどなのに、リンゴ食べて全身に蕁麻疹が出るとかっていうのも、それも重症なんですよ。
猪飼
重症っていうのは、過剰に他の人よりも過剰に反応してるっていうこと?
続木
そうです、その通りです。
続木
体ががっちり敵だと思ってるときに、他の方よりも特に気をつけなければいけない。特に苦手なものであるっていうことなんです。だから「食べない方がいいよ」じゃなくて、「食べられない」ってことです。
猪飼
もう食べてはいけないに近いレベルですか?
続木
食べちゃいけないですね。
猪飼
そうなんですね。
続木
そうなんですって。
猪飼
でも、今お話出ましたけど、続木先生のクリニックにはそういった方がいらっしゃるっていうことなんですね。
続木
そうですね。そもそも救急車で運ばれてくるような人たちを得意にしているところなのと、果物野菜のアレルギーが得意だっていうのもあります。
続木
だからそういう細かい違いは詳しいっていうこともありますけどね。
猪飼
だから、その続木先生のもとに行って、何とか治してもらおうとか、対応してもらおうっていう方がいいいらっしゃると、大勢いらっしゃるということなんですねそうですね。
続木
何とかなっちゃうんだよ。他ではなかなかならないことも、対処できることがある。僕がオリジナルの方法でやってるっていうよりも、僕の友人であるとか尊敬してる先生たちの間の中では、ごく普通にやってるんですけど。
続木
でも例えばとある治療ですね。白樺の花粉症の治療っていうのがあって、これ日本ではできないんですよ。できないってどういうことかっていうと、日本でやろうとすると保険が効かないんですよね。
猪飼
そうなんです。
続木
はい。なぜかというと、アメリカとかヨーロッパでは、花粉症の治療っていうのは、花粉症のアレルギーを起こす成分っていうのが薬としてあるんですよ。
続木
それをちょっとずつ注射したり飲んだりっていうのが普通なんですけど、日本だとそれってスギしかできないんすよ。
猪飼
スギ花粉のみ保険でね
続木
うん。白樺の花粉症治療したいですとかってなったらどうするかっていうと、アメリカから薬を輸入しなきゃいけないんすよ。
猪飼
そこまでしないといけないんですか
続木
そうなんです。うちではそういうことをやってるので、治療できますけど、保険は効かないよね。ただ、それがオリジナルの治療ではなくて、アメリカに引っ越した場合、それは普通にクリニックで行われてる標準の治療、僕らのそのアレルギーの仲間の中では普通にやられてることなので、ただ日本でどれぐらいできるのっていうと、はい。
続木
他の治療だと多分七つの病院ぐらいしかできないので、できるところは限られてるよねっていう。
猪飼
そうなんですね。続木先生のクリニックには、アトピー性皮膚炎を患者さんも多くいらっしゃるというふうに伺ってますけど、アトピー性皮膚炎もアレルギーの一種ということなんですか?
続木
わかりやすくいえば、アレルギーの一種です。
猪飼
これでも、アトピー性皮膚炎の患者さんって本当、私の同年代の周りにも結構いましたけど、今こういった方は増えていらっしゃる。
続木
日本だと横ばいか増えてるかですかね。印象的に言うと減ってはいないです。
猪飼
そうなんですね。
続木
はい。
猪飼
ふうん。なんでこれ、アトピー性皮膚炎ってのはどういった原因でなっていくものなんでしょう。
続木
原因は本当にいろんな要素が絡みているんですよ。なんか全部の病気って同じなんですけど、がんを何か一つの原因でなったりすることって基本的にはないじゃないですか。
猪飼
そうですね
続木
いろいろな要因で、決まってますよね。
続木
がんになりやすい体質とか、タバコを吸っているとか、睡眠時間みたいなのがね、いろいろなことが組み合わさってがんになってしまうわけなんですけど、アレルギーも同じなんですよ。何か一つの原因だけでなるっていうわけではないので、何か一つ皆さんがそう思うのが、その何か一つの原因でなったんじゃないかってみんな思うんですけど、一つじゃないんですよっていう所が、全ての病気と同じなんですよ。
猪飼
そうなんですね
続木
アレルギー、アトピー性皮膚炎もいろいろな要因が重なって、症状として表れていると。正しい経済状態とその国の経済状態、ITと相関してるっていうのはもうはっきりしてて、はい。だから、急激にお金持ちななってる国は急激に増えてるんですよ。
猪飼
そういうものなんですか。
続木
はい。今一番増えてのインドネシアとアフリカなんですよ。
猪飼
なるほど、そういった相関性もあるんですね。
続木
ヨーロッパの学会に勉強で通ってるんですけど、もう10年前ぐらいからかな。何年前からかアフリカの先生の発表がめっちゃ増えてて
猪飼
はい、はい。
続木
そんときに話をしてたのが、やっぱ経済状態と相関してて。なるほどねと。そういうものなんです。
猪飼
それは、なかなか、そういうふうに続木先生みたいにいろいろ学会行ったり、世界の状況触れてないとわからないことですね。
続木
そうなんですよ。だから日本はまだそれほどお金がなかったときには、そんなになかったですよね。
猪飼
そうですか。発展とともにだんだん増えてきてっていうことなんですね。あとね、続木先生アレルギーが全てのアレルギーはアトピー性皮膚炎から始まるというような話を聞いたことがあるんですが、これはどういうことなんでしょうか?
続木
本当です。
猪飼
本当なんですか。
続木
本当です。全てアレルギーはってちょっと言い過ぎなんすけど、7割8割ぐらいです。
猪飼
7割8割でも結構な割合ですね。
続木
はい。結局最初の話に戻るんですけど、アトピー性皮膚炎もアレルギーの一種なんで、結局体の中の問題なんですよ。
続木
体の中でイメージで言うと、体の中の問題が表現の形として日々出てきてるだけなんすよ。これは表現の形として食べ物にくる人は食べ物アレルギーになるし、表現の形としてイヌに来ればイヌアレルギーになるしって感じなんすよ。
続木
ガンとかも表現の形として胃くれば胃がんになるしみたいな。イメージで言うとね、全てのアレルギーっていうのは、体の中で全部繋がっていますよと。一つアレルギーを起こすと、ドミノ倒しみたいにバーっとアレルギーを起こしていくんですよね。
続木
それの入口がアトピー性皮膚炎。そういうことなんです。
猪飼
その後どんなアレルギー症状になっていく可能性があるんですか?
猪飼
典型的には赤ちゃんでいうとアトピー性皮膚炎になりました。重症度が高くなればなるほどもう食べ物アレルギーって出発なんですよ。それがやっぱり重症度が増えるとやっぱり食べ物アレルギーも卵アレルギーも次から次に増えていくと。
続木
今の続木先生のお話を聞くと、もうそのアレルギーの症状を抑えるとか改善するためにはア、トピー性皮膚炎をどう抑えるかみたいな話になってきますね。
続木
そうです。
猪飼
すればいいんですか。
続木
はい。研究結果だと、結局防げません、いや完全には防げないんじゃないかとかいろいろ言われてるんですけど、実際に患者さんの治療してる身としては、もう明らかに防げるんですよ。
猪飼
防げる。
続木
明らかに、明らかに防げる。アトピー性皮膚炎もならないようにいろんな工夫があって、妊娠前からいろんなことするんすよ、妊娠前から。
続木
でもいろんなことをしてアレルギーになるリスクを下げて、アトピー性皮膚炎にそれでもなっちゃう子は、もうできるだけ早く治療する。
猪飼
ちなみに妊娠前からの対策ってのはどういったことがあるんですか。妊娠前からの対策っていうのは一番がやっぱりお母さんからの遺伝してくるでしょうか?
猪飼
それはアレルギーを起こしやすい体質をもらってくるわけですよ。
続木
はい。なので、お母さんアトピー性皮膚炎で、もちろん娘さんアトピー性皮膚炎っていうパターンももちろんありますけど、アレルギーを起こしやすい体質を遺伝してくるので、お母さんがアトピー性皮膚炎、お子さんは食べ物アレルギーとかお子さんアレルギー性鼻炎とか。お母さん喘息、お子さんアトピー性皮膚炎とか、そういうパターンで起こしてくるんですよね
続木
何かのデータを持って生まれてくる感じです。そのデータの中にフォルダがいっぱいあって、そのフォルダーにアトピー性皮膚炎とか卵アレルギーとか犬アレルギーとかが入っていて、それが開かれるとアレルギーになっちゃうってことです。
続木
僕らはそのできればそのデータを子供に移行させないように、データが移行しちゃったとしても、ファイルを開かれないようにして、ひらいちゃった場合にはそのファイルを閉じて、あわよくばそのファイルを削除する。ファイルを消し去っていくっていうのを、イメージして治療しているんじゃないか、そういうことをやられているわけなんですね。
猪飼
今少しちらっとお話に出た、妊娠しているときからの対処とか、なってしまった後の対処とか具体的なお話をね、今後もこの番組の中でいろいろと伺っていきたいと思います。すべてのアレルギーは、アトピー性皮膚炎から始まるというのは非常に今回で、初回の放送の中で一番大きな情報だったかと思います。そのあたりもまた詳しく伺っていけたらと思います。
猪飼
知れば勇気がわくアレルギー攻略講座、札幌市、アルバアレルギークリニック院長の続木康伸先生とお会いしてきました。続木先生どうもありがとうございました。
続木
ありがとうございました。