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りんごアレルギー

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リンゴアレルギーの最新情報:症状、地域差、対策まで

皆さんこんにちは。

今回は意外と多い「リンゴアレルギー」について、最新の研究成果をもとにご紹介します。

リンゴは栄養豊富で健康的な果物として親しまれていますが、実はアレルギー反応を引き起こすこともあるのです。

特に花粉症の方は、リンゴを食べた時に口やのどにかゆみや腫れを感じた経験があるかもしれません。

リンゴアレルギーとは?

リンゴアレルギーは、リンゴに含まれるタンパク質に対して体が過剰に反応することで起こります。多くの場合、これは「花粉-食物アレルギー症候群」または「口腔アレルギー症候群」と呼ばれる状態の一部です。これは花粉症の方がリンゴなどの特定の果物や野菜を食べた際に、口やのどに不快感を感じる現象です。

特に白樺(シラカバ)やハンノキなどの木の花粉にアレルギーがある人がリンゴアレルギーを発症することが多く、白樺花粉アレルギーの方の約70%がリンゴにも反応するという報告もあります。これは、白樺花粉の主要なアレルギー物質とリンゴの主要なアレルギー物質の構造が似ているためです。

研究によると、花粉症のあるお子さんの約4分の1が、この花粉と関連した食物アレルギーも持っているとされています。

地域によって症状が違う?リンゴアレルギーの地域差

ヨーロッパの北部と中部(オーストリア、オランダなど)

  • 主なアレルギー物質は「Mal d 1」と呼ばれるタンパク質
  • 症状は比較的軽く、口やのどの中だけに限られることが多い
  • 白樺花粉アレルギーとの関連が強い
  • オランダの研究では、リンゴアレルギーの人のわずか2.5%だけが重い症状を示した

南ヨーロッパ・地中海地域

  • 「Mal d 3」と呼ばれる別のタンパク質が主な原因
  • より重い全身症状やアナフィラキシー(重いアレルギー反応)が報告されている
  • 患者の50%以上が重い症状を示す
  • スペイン中部では、リンゴアレルギーは草花粉症と関連があり、患者の82%が重い全身症状を示すという報告もある

アジア地域

  • 北中国でのリンゴアレルギーの症状パターンは北ヨーロッパに似ている
  • 日本と韓国でもリンゴアレルギーは主要な食物アレルギーの一つ
  • 日本の研究では、リンゴアレルギーの原因となるMal d 1に反応する人の割合は92.3%と報告されている
  • 北海道のシラカバ花粉症患者の約7割がリンゴを食べると口腔内の症状が出るという報告がある

リンゴのアレルギー物質について

Mal d 1(マル・ディー・ワン)

リンゴアレルギーの主な原因となるタンパク質で、特に日本を含む北部・中部ヨーロッパで重要です。

特徴:

  • 熱や消化酵素に弱く、加熱したり消化されたりすると分解されやすい
  • そのため、リンゴジュースや加熱したリンゴ製品では症状が出にくいことが多い
  • リンゴの保存期間が長くなるとMal d 1の量が増加するという報告もある
  • 北中国の研究では、リンゴアレルギーの診断に最も適したアレルギー物質であることがわかった

Mal d 3

南ヨーロッパで主に見られるアレルギー物質です。

特徴:

  • 熱や消化酵素に強く、加熱しても分解されにくい
  • より重い全身症状と関連する可能性がある
  • 北中国の研究では、Mal d 3に反応することはリンゴに対する重い症状を必ずしも示さず、むしろよもぎアレルギーや桃、ナッツ、豆類アレルギーのリスク増加と関連しているという結果も

リンゴの品種とアレルギーの関係

リンゴの品種によってアレルギー物質の含有量に大きな差があることが、複数の研究で明らかになっています。

ヨーロッパの研究では:

  • ゴールデンデリシャスはMal d 1の量が多く、ほぼすべての口腔アレルギー症候群の患者さんが症状を示す
  • サンタナはMal d 1の量が少なく、患者さんの約半数は症状を示さず食べることができる

日本の研究では:

  • 長野県産リンゴ28品種のMal d 1量を分析した結果、日本での生産・消費量が最も多いサンふじと比較して、Mal d 1量が明らかに少ない品種が14種類見つかった
  • Mal d 1の量から、実際に食べてみなくてもアレルギー症状が出やすいかどうかを推定できる可能性がある
  • この情報は「アレルギーを起こしにくいリンゴ」の品種開発にも活用できる

この研究結果は、リンゴアレルギーの方でも品種を選べば食べられる可能性があることを示しています。

リンゴアレルギーの診断方法

リンゴアレルギーの診断には様々な方法が研究されています。

成分を詳しく分析する方法:

  • アレルギーの原因となる特定のタンパク質への反応を調べることで、症状の予測や他のアレルギーとの関連性を評価できる
  • 北中国の研究では、リンゴアレルギーがあるかどうかを判断するMal d 1の基準値が算出された
  • Mal d 1はリンゴアレルギーの診断に、白樺花粉のアレルギー物質よりも効果的であることが示されている

その他の診断法:

  • 血液中の細胞の反応を測定する方法も研究されている
  • 日本では、タンパク質を検出する特殊な方法を組み合わせたMal d 1の測定法が開発されている

リンゴアレルギーの治療法研究

免疫療法の進展

ウィーン医科大学の研究では、リンゴのアレルギー物質Mal d 1が効果的な治療選択肢となる可能性が示されています:

  • リンゴアレルギーと白樺花粉アレルギーを持つ60人のボランティアを対象とした試験が実施された
  • 20人に偽薬、20人に白樺花粉のアレルギー物質、20人にリンゴのアレルギー物質Mal d 1が投与された
  • Mal d 1を毎日舌の下に投与した結果、6人の参加者ではアレルギー症状が全く現れなくなり、2つのリンゴを毎日症状なく食べられるようになった
  • 残りの参加者でも症状は大幅に軽減され、健康的な在来種のリンゴを避ける必要がなくなった

日本の研究でも、バラ科果物アレルギーに対するシラカバ花粉アレルギー物質を用いた免疫療法が79%で効果を示したとの報告があります。

代替的なアプローチ

イタリアのLaimburg研究センターでは、リンゴを食べることによる代替的な免疫療法の可能性が研究されています:

  • リンゴを食べることで白樺花粉アレルギーの治療になる可能性が示唆されている
  • 「毎日2年間、ゴールデンデリシャスや同様のリンゴを皮ごと半分食べる」といった処方が将来的に可能になるかもしれない

この研究は、アレルギーの治療に食品そのものを活用するという興味深いアプローチを示しています。

今後の展望と実用化への期待

リンゴアレルギーの研究の進展により、以下のような実用化が期待されています:

アレルギー物質の含有量に基づく食事指導:

  • Mal d 1の少ないリンゴを選択的に食べることで、リンゴアレルギーの方の生活の質向上に役立つ可能性がある
  • 日本の研究では、リンゴアレルギー患者さんが症状を示すMal d 1量の閾値を求め、食事指導に活用することを目的としている

低アレルゲン品種の開発と普及:

  • アレルギー物質に関する研究結果は、「アレルギーを起こしにくいリンゴ」品種の開発に活用できる
  • 日本における低アレルゲン品種の普及により、リンゴの口腔アレルギー症候群の患者さんの半数程度はリンゴが生で食べられるようになる可能性がある

免疫療法の進展:

  • 口腔アレルギー症候群を伴う白樺花粉症患者さんに対する免疫療法の効果は、血液検査によって早期から評価できる可能性がある
  • Mal d 1を用いた免疫療法の第III相試験が進行中であり、数年以内に治療法として利用可能になる可能性がある。

まとめ:リンゴアレルギーの方へのアドバイス

リンゴアレルギーがあると診断された方や症状がある方へのアドバイスをまとめます:

  1. 品種を試してみましょう:すべてのリンゴに同じように反応するわけではありません。研究によれば、アレルギー物質の含有量は品種によって大きく異なります。
  2. 調理方法を変えてみる:Mal d 1は熱に弱いため、リンゴを加熱して食べると症状が出にくくなることがあります。アップルパイやコンポートなどを試してみましょう。
  3. 保存期間に注意:リンゴの保存期間が長くなるとMal d 1の量が増加するという報告があります。新鮮なリンゴを選ぶと症状が軽減する可能性があります。
  4. 皮をむいて食べる:アレルギー物質は皮の近くに多く含まれることがあるため、皮をむいて食べると症状が軽減することもあります。
  5. 医師に相談する:症状が心配な場合は、必ず医師に相談しましょう。特に重度の反応(呼吸困難、めまい、全身の発疹など)がある場合は専門医の診察を受けることが重要です。
  6. 免疫療法の可能性:白樺花粉症とリンゴアレルギーの両方がある方は、免疫療法について医師に相談してみることも一案です。

リンゴアレルギーの研究は日々進んでいます。今後も新しい診断法や治療法、低アレルゲン品種の開発などが進むことで、リンゴアレルギーの方々の生活がより豊かになることを期待しています。


参考文献:

  1. 岡島彩子、他. リンゴ品種別のアレルゲンコンポーネントMal d 1のタンパク定量と経口負荷試験. 公益財団法人 未来創造研究開発財団 研究報告書. 2019.
  2. Medical University of Vienna. Apple allergens as an effective option for treating apple allergy. 2017.
  3. 岡島彩子、他. リンゴ花粉食物アレルギー症候群に対する低アレルゲン品種の有効性評価. 公益財団法人 浦上食品・食文化振興財団 研究報告書. 2019.
  4. ThermoFisher Scientific. アレルゲン情報: リンゴ. 2021.
  5. Wang J, et al. Mal d 1 Is a Superior Marker for Apple Allergy in the Chinese Population. Frontiers in Medicine. 2024.
  6. Laimburg Research Centre. Can apples cure allergies? 2022.
  7. 大沢晃司、他. シラカバ花粉アレルギーに合併したバラ科果物アレルギーの臨床的検討. 日本アレルギー学会誌. 2022.
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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