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アトピー肌とニキビの違い – 毛穴トラブルの原因と対策

アトピー肌とニキビの違い – 毛穴トラブルの原因と対策

アトピー性皮膚炎とニキビ(尋常性ざ瘡)は、どちらも肌の悩みとして多くの方が経験する皮膚トラブルです。

一見似ているように思えるこの二つの肌トラブルですが、実は原因も症状も治療法も大きく異なります。

この記事では、アトピー肌とニキビの違いをわかりやすく解説し、それぞれに効果的なスキンケア方法をご紹介します。

肌の仕組みとトラブルの違い

アトピー肌の特徴

アトピー性皮膚炎の肌は、「守りの壁」が弱くなっているのが特徴です。

健康な肌では、表面に薄い膜のような層があり、水分の蒸発を防いだり外からの刺激物から肌を守ったりしていますが、アトピー肌ではこの壁が壊れやすくなっています。

この状態では、肌の水分が逃げやすくなって乾燥し、外からの刺激物も侵入しやすくなります。その結果、肌が過剰に反応して炎症を起こし、かゆみや赤みを生じます。

アトピー肌では、皮脂(肌の油分)の分泌が少なくなっています。

皮脂は肌を守る役割も果たしているため、その減少は肌の乾燥とバリア機能の低下につながります。

また、アトピー肌では「黄色ブドウ球菌」という細菌が増えやすく、これが炎症を悪化させることもあります。

ニキビの特徴

ニキビは逆に、皮脂の過剰分泌が主な原因です。思春期になるとホルモンバランスの変化で皮脂腺が活発になり、皮脂が多く作られるようになります。

この過剰な皮脂が毛穴の出口で角質(古い皮膚細胞)と混ざり合い、毛穴を詰まらせます。

毛穴が詰まると「コメド」という状態になり、これが白ニキビや黒ニキビの正体です。

さらに、「アクネ菌」(正確にはキュティバクテリウム・アクネス)という常在菌が詰まった毛穴の中で増殖し、炎症を引き起こします。

その結果、赤いブツブツした丘疹や膿を持った吹き出物ができます。

ニキビは見た目の問題だけでなく、痛みを伴うこともあります。

特に大きなニキビ(結節やのう腫)になると、押すと痛みを感じることもあります。ただし、アトピーのような強いかゆみはあまり感じません。

見た目と症状の違い

アトピー肌の見た目と症状

アトピー性皮膚炎の特徴的な症状は、強いかゆみを伴う赤い湿疹です。

湿疹は小さな丘疹や水ぶくれが集まったような状態で、かきむしることで皮膚が傷つき、ジュクジュクしたり、かさぶたができたりします。

好発部位は年齢によって異なります:

  • 赤ちゃんの場合:頬やおでこ、手足の外側に出やすい
  • 子供〜大人:肘の内側や膝の裏側など、体の曲がる部分に出やすい

アトピー肌では、肌がカサカサと乾燥し、細かいウロコ状のかさぶたができることもあります。長期間続くと、皮膚が厚くなってゴワゴワした感じ(苔癬化)になることも。また、掻きすぎることで色素沈着を起こし、肌が黒ずむこともあります。

季節的には冬の乾燥する時期に悪化しやすく、汗をかく夏も刺激で悪化することがあります。

ニキビの見た目と症状

ニキビの特徴的な見た目は、毛穴に詰まった角栓(白ニキビ・黒ニキビ)と赤く腫れた炎症性のブツブツです。

  • 白ニキビ(ホワイトヘッド):毛穴が完全に詰まり、白い粒のように見える
  • 黒ニキビ(ブラックヘッド):毛穴が開いていて、詰まった角栓が空気に触れて酸化し黒く見える
  • 赤ニキビ:炎症を起こして赤く腫れた状態
  • 膿ニキビ:黄色や白色の膿が見える状態

ニキビは主に皮脂腺の多い部位に出やすく、顔(特にTゾーン:おでこ、鼻、あご)、胸の上部、背中の上部などに集中します。

アトピーのように体の曲がる部分に出ることはあまりありません。

季節的には、夏場に汗や皮脂の分泌が増えて悪化しやすい傾向がありますが、個人差も大きいです。

肌の状態の違い

アトピー肌の状態

アトピー肌では、次のような肌の状態が見られます:

  1. 乾燥している(水分不足)
  2. バリア機能が低下している(外部刺激に弱い)
  3. 皮脂分泌が少ない(油分不足)
  4. 炎症が起きやすい(かゆみや赤みが出やすい)
  5. 黄色ブドウ球菌が増えやすい

アトピー肌の毛穴は比較的目立たないことが多いです。

これは皮脂分泌が少ないため、毛穴が詰まりにくいからです。

ただし、慢性的な炎症により、毛穴周りに小さな丘疹ができることもあります(毛孔性湿疹と呼ばれます)。

ニキビ肌の状態

ニキビができやすい肌では、次のような状態が見られます:

  1. 皮脂分泌が多い(テカリやすい)
  2. 毛穴に角質が詰まりやすい
  3. アクネ菌が増殖しやすい
  4. 炎症が毛穴を中心に起きる
  5. 毛穴が目立ちやすい

ニキビ肌では毛穴が開いて目立つことが多く、特に鼻や額は皮脂分泌が多いため黒ニキビができやすい部位です。ニキビ肌でも乾燥することはありますが、それは表面的な乾燥であることが多く、奥では皮脂が過剰に分泌されていることがあります(「インナードライ」と呼ばれる状態)。

スキンケアの違い

アトピー肌のスキンケア

アトピー肌のスキンケアの基本は「保湿」と「刺激を避けること」です。

洗顔・入浴

  • ぬるま湯で優しく洗う(熱いお湯は避ける)
  • 弱酸性の低刺激な石鹸や洗顔料を使う
  • ごしごし擦らない
  • 長時間の入浴は避ける

保湿

  • 入浴後は15分以内に保湿剤を塗る
  • セラミド配合の保湿剤がおすすめ
  • ワセリンなどの油性の保湿剤も効果的
  • 朝晩2回、必要なら日中も保湿する

炎症対策

  • 医師の処方したステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などを指示通りに使用する
  • かゆみが強い時は、冷やしたり医師に相談したりする
  • 掻かないよう注意する(爪は短く切る)

生活習慣

  • 汗をかいたらすぐに拭き、着替える
  • 肌に優しい素材(綿など)の衣類を選ぶ
  • ダニ・ホコリを減らす工夫をする
  • 適度な湿度を保つ(40〜60%が理想的)

アトピー肌の人は、皮膚科医と相談しながら症状に合わせたスキンケアと治療を行うことが大切です。重症の場合は、新しいタイプの飲み薬や注射薬(生物学的製剤)が効果的なこともあります。

ニキビ肌のスキンケア

ニキビ肌のスキンケアでは「余分な皮脂のコントロール」と「毛穴の詰まりを防ぐこと」が重要です。

洗顔

  • 朝晩2回、適切な洗顔料で洗う
  • 熱すぎるお湯は皮脂の過剰分泌を促すので避ける
  • ゴシゴシ擦らず、泡で優しく洗う
  • 洗いすぎは逆効果(皮脂分泌を促進する)

スキンケア製品選び

  • 「ノンコメドジェニック」(毛穴を詰まらせない)製品を選ぶ
  • サリチル酸やグリコール酸などの成分が入った製品は古い角質を除去するのに役立つ
  • レチノイド(ビタミンA誘導体)配合の製品は毛穴の詰まりを防ぐ
  • 過酸化ベンゾイル配合の薬用製品はアクネ菌を減らして炎症を抑える

生活習慣

  • 運動後や汗をかいたらすぐに洗顔する
  • 顔を触る習慣を避ける
  • ニキビを自分で潰さない(跡が残りやすい)
  • バランスの良い食事を心がける(高糖質食品や乳製品の過剰摂取を控える)
  • 十分な睡眠とストレス管理も大切

治療

  • 市販の薬用化粧品で改善しない場合は皮膚科を受診する
  • 医師の処方する外用薬(レチノイド、抗生物質など)や内服薬が効果的
  • 重症の場合は内服薬(抗生物質、ホルモン療法、イソトレチノインなど)を検討

ニキビ肌の人は、保湿も大切ですが、油分の多い重たい保湿剤は避け、水分ベースの軽い保湿剤を選ぶと良いでしょう。

まとめ:アトピー肌とニキビ肌の違い

アトピー肌 ニキビ肌
肌の状態 乾燥、バリア機能低下 皮脂過剰、毛穴詰まり
主な症状 かゆみ、赤み、湿疹 面皰(コメド)、赤い丘疹、膿疱
好発部位 関節の曲がる部分など Tゾーン、胸や背中の上部
関連する細菌 黄色ブドウ球菌 アクネ菌
スキンケアのポイント 保湿重視 皮脂・角質コントロール
治療薬 ステロイド、タクロリムスなど レチノイド、過酸化ベンゾイル、抗生物質など

アトピー肌とニキビは見た目が似ていることもありますが、原因や対処法が大きく異なります。自己判断せず、症状が気になる場合は皮膚科を受診して、正しい診断と治療を受けることをおすすめします。

どちらの肌トラブルも、適切なケアと治療で大幅に改善することができます。あなたの肌質に合った方法で、健やかな肌を目指しましょう。

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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