アレルギー反応とは
1)アレルギーは、免疫が暴れだしていること
バイ菌などをやっつけようとする仕組みを免疫と言います。
この免疫が暴れ出し、食べ物や花粉な有害でないものも「自分の敵」と考え、自分も敵も区別せず攻撃します。
この時に、鼻を攻撃すればアレルギー性鼻炎に、気道を攻撃すれば気管支喘息の症状が出るイメージです。
つまり、暴れている。
免疫が暴れ出してしまうことが、「アレルギー」で、起きてくる症状が「アレルギー反応」です。
このアレルギー反応は、年齢、アレルギーを起こす物質、その時の体調で全く症状がちがいます。
また、「何か特定のことをこうしたらアレルギーになった」というものではなく、「あなたが、たまたまアレルギーを起こしやすい体質であった」とゆうことです。
ちなみに、免疫を上げてアレルギーを治すのは間違い。
暴れている「免疫を整える」のが正解なのです。
暴れているアレルギーを盛り上げてもしょうがありません。
2)敵の侵入から、攻撃が起きるのがアレルギー
この攻撃を引き起こす物質をアレルゲンと言います。
食べ物で起きると食物アレルギー、花粉やダニが原因で症状が起きるとアレルギー性鼻炎になります。
敵(原因)の侵入から「攻撃(症状)が起きるのがアレルギー」
つまり、症状がない=暴れ出していない
症状があってはじめてアレルギーなので、症状がなければ採血の値は関係ありません。
また、健康保険の採血はたとえ「牛乳」の項目であったちしても、アレルギー反応を起こす限られた部分しか検査できません。なので、「採血では反応がないんですけど」や「採血の値は低いのですが」は、こういった意味であり、人によって正確な体の状態を反映していないことも多々あります。
アレルギーの採血は、年齢、食べ物、症状、合併するアレルギーによって、見るべきポイントと対応が全く違ってくるので、幅広い経験と知識が必要です。
3)世の中のすべてのものがアレルギーの原因になる
さつまいも、キャベツ、紅色2号、歯磨き粉・・・・
この世の中すべてのものがアレルギーの原因になります。
そして、アレルギーは体の中の問題なので、色々なアレルギーが密接に絡んでいます。
例えば、ダニと喘息、アトピー性皮膚炎と食物アレルギー、花粉症からの果物・野菜アレルギー、ヨモギアレルギーからのスパイスアレルギー、ネコアレルギーとブタ肉など、一つアレルギーがあると他のアレルギーを呼んできます。
なので、アレルギーは一つだけでも、複数持っている場合もあり、それは完全に体質に依存します。
4)体調、体質、体に入ってきた量で、症状は変わる
アレルギー反応、つまりアレルギーの症状は人によって大きく変わります。
その子の体質、その時の体調、体に入ってきた量でまったく症状の強さは違います。
例えば、子どもの卵アレルギーで普段は唇が腫れるだけだとしても、「鼻かぜかな?」くらいの程度でも、全身蕁麻疹が出て、ぜーぜーし始めたりします。
つまり、「普段は唇が腫れるだけだった」はアレルギーでは通用しません。
正直に話すと、子どもが自宅で夜間に突然ゼイゼイし始めたら、恐怖以外のものではありません。
私でもそうですから。
症状を出さないための工夫が必要なのです。
5)だから、これが必要です
①細かいことを知ろうとすると混乱するだけ
細かい話は理解できる範疇を超えています。それは医師でも同じです。
②触らなければ症状はない
大切なのは症状がないことです。どうするのが効率が良いのかだけに注目します。
③思い込みは捨てる
「普段はこうだった」は通用しません。
【参考文献】
①札幌市保育所等における食物アレルギー対応マニュアル
②海老澤元宏編. 症例と通してまなぶ年代別食物アレルギーの全て 改定2版. 南山堂
③赤ちゃんとお母さんのためのアレルギー読本. 周産期医学 Vol.48 増刊号. 2018.