アレルギー性鼻炎:ダニアレルギーの治療
2023/7/17追記
アレルギー性鼻炎で、長年同じような薬を飲み続けていませんか。
お医者さんに相談しようにも薬を飲みなさいと言われるだけ。
良くも悪くも良くもならないまま、こんなものだと諦めているかもしれませんが…実は、どんな症状が出るかによって、薬の組み合わせを変えることで、症状をゼロにすることが、アレルギーでは可能です。
けれど、きちんと薬を組み合わせるためには、しっかりと時間を作って話す必要があります。
1)今までの方法だと、ずっと薬を飲み続けるだけ
通年性アレルギー性鼻炎の有病率は、日本人の30%を超えていると言われます。
この通年性アレルギー性鼻炎で圧倒的に多い原因が、ダニです。
北海道では、ダニ→アレルギー性鼻炎→花粉症→果物・野菜アレルギーの順番で進みます。
さらに、花粉症になると自然に治ることはありません。
アレルゲン免疫療法は、アレルギー疾患に対する唯一の治せる(根本的治療)です。
これでしか治る可能性はありません。
つまり、いつものアレルギーの薬を内服していても、いつまでもずっと飲み続けなければいけません。
一方、このアレルゲン免疫療法は、身体が敵だと思っているアレルギーの原因を少しづつ体に接種して慣らしていく方法です。なので、約3ヶ月ほどで鼻の症状が落ち着きます。
このため、アレルゲン免疫療法開始から3ヶ月でアレルギー剤の減量を開始、長くても約半年後にはいままで飲んでいたい抗アレルギー薬を終了します。
ただし、日本では、健康保険の問題上、保険内ではダニとスギしか出来ませんが、他の国では様々な種類の免疫療法を健康保険で受けることができます。
ちなみに、フランスで暮らす私の妹は、7種類の花粉に対して同時に治療していました。
2)世の中では、ジェネリックでも同じだと思われています
一般的に飲まれているアレルギーの薬でも、個人によって合う合わないがあります。
しかも、抗アレルギー薬の効果は6割程度であり、 2~4週間の治療で効果がない場合、薬を変更しなければ、良くならないままに薬だけ飲み続けることになります。
これでは、時間が経てば経つほど治りにくくなるだけです。
3)注射と内服(舌下)があります
注射(皮下:予防接種みたいな感じ)と舌下(舌の下に薬を置いてから飲む。内服とほぼ一緒)があります。
注射と 舌下 では効果は同じです。
一方で、注射の方が有効であるとの報告は複数ありますが、内服の方が有効であるという報告はありません。
これは、毎日自分で内服するので内服を忘れるためです。注射の場合には、クリニックに来れば注射になります。
注射と内服の違いを見てみましょう。
① 注射
予防接種よりはるかに少ない状態をイメージしてください。
目標とする注射量があり、目標に到達するまでのやり方が2種類(外来と入院)です。目標量に到達するまでの時間が違ってきますが、ほとんどの病院は導入する時は入院して行っている場合もあります。
外来:最初の1年くらいは週2~数週に1回の通院、もしくは導入開始時は集中的に治療。その後は月1回の受診。
入院:病院により入院期間が変わるが、5日~2週間以内。その後は月1回の受診。
メリット:治療期間は月1回の受診。
デメリット:入院もしくは集中的な治療期間が必要。
②内服
内服(正確には舌下で1分間保持)を、毎日3年~5年です。最初の1週間は量が少ないですが、2週目からの量を毎日3年~5年間内服します。
メリット:入院することなく出来る。
デメリット:3年以上毎日服用する必要がある。
これは、毎日のむことが前提の治療です。飲み忘れれば飲み忘れるほど、最終的な効果は低くなります。ちなみに成人は毎日飲むことがほぼ出来ず、約50~70%の人が途中で止めてしまいます。
4)副作用はこれ
自分の体が敵だと思っているものを、接種して体を慣れさせていく治療なので、体調が悪い時などはアレルギー反応がでます。
・局所反応:舌下なら口腔内搔痒、皮下注射なら打った場所の腫れです。
・全身反応:0.005~3.3%程度で起こり得るとされています。当院の場合だと注射が0.005%、内服は0%です。
全身反応とは蕁麻疹が出たり、アナフィラキシーを起こしたりする可能性はマレですがあります。
しかし、これは癌でも手術でも、すべての医学的治療で同じ。
ダニ、スギ、ハチ(輸入製剤)アレルゲン免疫療法で、注射の前には必ず内服、睡眠不足時(普段より2時間)、体調不良時にはやらない、ことで、副反応が起きた人は私のところではいません。
むしろ内服の場合は自宅で行うために、患者さん自身が注射以上に実際の使用方法を十分に理解する必要があります。
5)だから、これが必要です
①注意事項は避ける
前投薬は必須(注射の前には必ず内服)、睡眠不足(普段より2時間以上)、体調不良時にはやらない、を守れば、副作用が起きた人はいません。
②最低3年、当院では推奨5年
治療期間は長いです。だから子どもははやくから始めます。
③楽なのは注射
月1回ですから。
でも出来る病院は少ないです。
参考文献
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