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カニアレルギー

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カニアレルギーに悩むひとへ

カニを食べると皮膚が赤く腫れたり、呼吸が苦しくなったりして不安を感じていませんか?

あるいは「家族や友人と食事に行くとき、カニが出てきたらどうしよう…」と気になってしまい、楽しめないことはありませんか?

食物アレルギーは命に関わる場合もあるため、ちょっとした症状でも大きな不安や恐怖を抱えてしまうのは当然です。

特にカニやエビなどの甲殻類はアレルギーを起こしやすい代表的な食材であり、実際にアナフィラキシーショックなど重篤な症状に至ることもあります。

「もしうっかり口にしてしまったらどうしよう」「本当に一生治らないのかな?」——こうした悩みは、同じような体験をしている方ほど大きいものです。

この記事では、カニアレルギーの最新研究でわかってきた発症メカニズムや診断法、交差反応、そして将来的な治療の可能性などをわかりやすくまとめました。

放置するとどうなる?

ところで「カニを少しでも食べると危ない」とわかっていても、外食や調理の際、ついうっかりエキスが入ったスープやソースを口にするリスクはゼロではありません。

カニアレルギーは一度発症すると自然軽快しにくく、長期間にわたり症状が持続するケースが多いのが特徴です。

食べる量がわずかでも、重度のアナフィラキシーを起こすことがあります。

このまま放っておくと——

  • 外食時に常にメニューを細かくチェックしなければならず、周囲に気を使い続ける
  • 旅行や行事でカニを扱う食事が出るとパニックになり、楽しさが半減する
  • 誤食による症状発生時、適切な対処をとれず救急搬送が遅れる恐れがある
  • エビやダニなど他のアレルゲンとの交差反応によるトラブルも見落としがちになる
  • 精神的な負担が大きくなり、食事そのものが苦痛に感じられる

このように、カニアレルギーを放置していると日常の楽しみやQOL(生活の質)が大きく損なわれるだけでなく、もしものときに自分や周囲の人が混乱してしまうリスクも高まります。

また日本を含むアジア圏では、甲殻類を使った料理が多いため注意すべき場面も非常に多いのが実情です。

まずはカニアレルギーに関する一般的なポイント

最初のステップとして、「カニアレルギー」にまつわる重要なポイントを整理してみましょう。

ここでは専門的な研究データが示す大まかな特徴を、わかりやすくまとめてみます。

発症メカニズム

・カニなどの甲殻類に含まれる蛋白質(特にトロポミオシン)が免疫系を刺激し、IgE抗体が作られる

カニを異物とみなされると、その後ごく少量の摂取でも急性アレルギー症状を引き起こす

・一般に幼少期より学童期以降に多く発症し、成人では治らない

診断法

・皮膚プリックテスト、血液中の特異IgE測定などが一般的

・検査で陽性か陰性かだけではなく、必要に応じて経口負荷試験による最終確認が行われる場合がある

・他のアレルゲン(エビ・ダニなど)との交差反応を考慮する必要があり、誤診や検査結果の解釈ミスには注意が必要

交差反応の存在

・カニとエビはアレルゲン蛋白の構造が似ているため、どちらか一方にアレルギーがある場合はもう一方にも症状が出る可能性がある

・ダニやゴキブリとの交差反応も指摘されており、後からカニ・エビ摂取時に症状が出るケースもある

・逆に軟体動物(イカ・タコなど)まで反応する人もいれば、まったく問題ない人もいて個人差が大きい

治療法

・基本は食べない

・アナフィラキシー時に備えたエピネフリン自己注射(アドレナリン自己注射)の携帯

・症状が出た場合はすぐに対処できるよう、本人だけでなく周囲にも説明しておくことが重要

・研究段階では免疫療法(経口・舌下・ワクチンなど)に期待が寄せられているが、まだ一般的な治療としては確立していない

これらのポイントを把握しておくだけでも、「自分はどういう状況にいて、何が注意点なのか」をイメージしやすくなります。

当クリニックでできる具体的アプローチ

「カニアレルギーを持っているかもしれない」「検査はしたことがあるけど、結果の見方がわからない」「誤食の危険を減らすために、どんな生活アドバイスが受けられるのだろう?」といった疑問をお持ちの方へ、当院でおこなっている取り組みを以下にまとめました。

1. 詳細な問診と個別カウンセリング

  • あなたのこれまでの症状や生活スタイル、食習慣をヒアリングし、どのような場面でリスクが高まるかを具体的に整理
  • カニ以外に疑わしい食物やダニ・花粉アレルギーの有無などもあわせて確認し、交差反応の可能性を洗い出す
  • 不安をしっかり受け止めるため、専門スタッフが時間をかけてカウンセリングを実施

2. 検査の提案と解説

  • 血液検査など標準的な検査を行い、結果の読み取り方をわかりやすく説明
  • 重症度や既往歴に応じて経口負荷試験を検討

3. 日常生活へのアドバイス

  • 具体的な「除去すべき食品リスト」や加工品での隠れアレルゲン情報を提供
  • 外食時に質問すべきポイント、パッケージ表示の見方、周囲への伝え方などを個別に指導
  • もしも症状が起きた場合の応急措置マニュアルをお渡しし、本人と家族・職場関係者がすぐ対応できるようサポート

4. 将来的な免疫療法の可能性についての情報提供

  • 経口免疫療法や舌下免疫療法、ワクチンなど最新の研究動向を定期的に追いかけ、患者さんに必要な情報をタイムリーに共有
  • まだ確立されていない段階の治療法であっても、メリット・デメリットを分かりやすく説明し、慎重に検討できるようアドバイス
  • 早期治験や臨床研究への参加希望がある場合には、その適否やリスクについて詳しくご案内

当クリニックでは、単に検査するだけでなく、患者さんの不安を取り除き、安心して生活できるようサポートすることに力を入れています。

「ちょっと相談してみたい」「自分に合った対策を一緒に考えてほしい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

アレルギークリニックを活用するメリット

カニアレルギーを含む食物アレルギーを診る医療機関は多々ありますが、クリニックを活用するメリットは以下のように整理できます。

  • 専門性の高さ:アレルギーのメカニズムを熟知した医師・スタッフが揃っており、検査から治療まで一貫した方針で進められる
  • 個々のリスク管理:症状の重さや生活背景に合わせた個別対応が可能。旅行や趣味(たとえばダイビングやスポーツ時のリスク)まで幅広く相談できる
  • 最新情報の入手しやすさ:新しい治療法の研究や臨床試験の状況をキャッチアップしやすく、患者さんにとって有益な選択肢を提案しやすい
  • 安心感と継続サポート:定期的なフォローアップや外来での相談ができるため、「どうしても心配が消えない」という不安を繰り返し解消できる

特にカニアレルギーは交差反応や、アレルギー反応が起きる状況に個人差が大きいことが特徴です。

「大丈夫なときもあれば、少量で症状が出るときもある」など、症状が不定期に現れるケースも少なくありません。そういった不安定さを抱えながら日常を送るのは相当なストレスになるものです。

クリニックで定期的に相談することで、その時々の体調や環境の変化に応じたアドバイスを受けられ、余計なリスクを避けながら生活の質を高められます。

ここまで読んでみて、「カニアレルギーってやっぱり大変そうだな…」と感じられたかもしれません。

しかし、だからこそ正しい知識を身につけ、専門家と一緒に対策を考えることで、あなたの生活はずっと安全で快適なものへ変わっていきます。

実は多くの方が、最初は怖くて何も手につかなかったものの、少しずつ知識を得るうちにアレルギーと上手に付き合うコツを掴んでいるのです。

  • ポイントは「情報不足で怖がらない」こと
    不安になるのは、何が危険で何が大丈夫か見分けがつかないからです。どんな場面でリスクが高まるのか、対処法は何があるのかを一度しっかり把握すれば、怖さは大幅に軽減されます。
  • 専門家と連携して「備え」を万全に
    食物アレルギー診療の経験豊富な医師やスタッフと話をすれば、具体的なリスク管理策が見えてきます。エピネフリン自己注射薬の正しい使い方や、職場・学校での周囲への伝え方など、困ったときに頼れる味方がいるだけでも心強いものです。
  • 「いつか克服できるかも」という希望を持つ
    研究段階ではあるものの、経口免疫療法や舌下免疫療法などの新しいアプローチが少しずつ成果を上げ始めています。まだ確立した治療法とは言えませんが、近い将来、「カニやエビを全く食べられない」は昔の話になっている可能性もあります。

もし「自分だけではどうにもならない」「ちゃんと検査したことがない」「すでにアレルギーと診断されているけど不安が多い」という方がいらっしゃれば、ぜひ私たちにご相談ください。

アレルギー専門の視点から、あなたの症状や生活パターンに合わせたアドバイスを行い、これから先も安心して日常を楽しめるようお手伝いしたいと考えています。

参考文献

  1. 平口雪子, 「甲殻類アレルギー」, 日本小児アレルギー学会誌 37(1):70-74 (2023). (甲殻類アレルギーの発症年齢や主要アレルゲン、診断の課題などを概説)cir.nii.ac.jpcir.nii.ac.jp.

  2. Wong, Lydia, et al., “Shellfish and House Dust Mite Allergies: Is the Link Tropomyosin?”, Allergy Asthma Immunol. Res. 8(2):101-106 (2016). (ダニと甲殻類アレルギーのトロポミオシンを介した交差感作についてのレビュー)pubmed.ncbi.nlm.nih.govpubmed.ncbi.nlm.nih.gov.

  3. Wai, Christine Y.Y., et al., “Overcoming Shellfish Allergy: How Far Have We Come?”, Int. J. Mol. Sci. 21(6): 2234 (2020). (甲殻類アレルギーの疫学、アレルゲン分子、診断法、免疫療法の最新動向を網羅した総説)mdpi.comhealth.ucdavis.edu.

  4. Theodoropoulou, Lydia M., Cullen, Niall A., “Sublingual immunotherapy for shrimp allergy: the nine-year clinical experience of a Midwest Allergy-Immunology practice”, Allergy Asthma Clin. Immunol. 20:33 (2024). (エビアレルギーに対する舌下免疫療法の効果と安全性を示した臨床研究)aacijournal.biomedcentral.comaacijournal.biomedcentral.com.

  5. Pedrosa, M., et al., “Shellfish Allergy: A Comprehensive Review”, Clin. Rev. Allergy Immunol. 49(2):203-216 (2015). (甲殻類アレルギーに関する包括的レビュー。主要アレルゲンや診断・管理について).

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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