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コロナ合併症 成人と小児

コロナ合併症 成人と小児

コロナ感染症で怖いのは、「命に係わる重症化」、「後遺症」、そして「合併症」です。

「合併症」とは、コロナ感染で引き起こされる「コロナ感染以外の他の病気」のこと。 今回は「合併症」に注意してみてみます。

コロナ感染から症状が出るまでの期間は、平均5日間くらいですが、1~14日と幅があります。 80%の人は風邪と似たような症状で1週間程度で治っていきますが、20%の人は症状が悪化、肺炎などになり入院します。

なかでも、高齢者、糖尿病・高血圧のある人、肥満、喫煙歴、癌を抱えている方がコロナ感染が重症化しやすいとされています。

1)合併症

ワクチンを接種している場合には、重症化を予防できることが証明されています。

①小児

合併症とはコロナに感染したときに、感染症と同時に発症する別の病気です。 日本国内において10歳未満の小児は約1万人、10歳代の小児は約2万人が新型コロナウイルス感染していると言われています1)。 しかし、4月ころまで小児の死亡はありませんでしたが、死亡例が出てきています。 アメリカでは、コロナ感染者の17.2%が小児でした。

つまり、コロナに約5人に1人は子どもです。 また、欧米では重症化した小児例が報告されていますが、日本でもコロナ感染で重症になる子ども達が報告されてきています。 コロナウイルスに感染すると、肺もやられますが、血管もやられて、詰まったりします。

②成人

1)脳卒中

コロナウイルスは脳梗塞、脳出血など、脳の血管の病気を起こすことがあります 。 日本では、コロナ感染による脳卒中の60%は入院中に発症すると言われ、脳卒中の85%以上が脳梗塞です。 また、死亡率も25%と高い数値を示しています。 これはあくまでも、コロナ感染と診断されて入院している脳卒中の場合です。 コロナ無症候感染は約30%ともいわれ、この場合(無症候性なので検査する必要がない)、脳卒中だとしてもコロナに感染しているかはわかりませんので、実際はもっと多いかもしれません。

2)心臓

コロナウイルスは、心臓の病気(不整脈、狭心症、心筋梗塞、静脈血栓塞栓症など)を引き起こします。 またコロナ感染で心臓の病気を発症すると、病院到着が従来より1.7時間遅れることも指摘されています。 これは、時に致命的になります。 また、コロナ感染で心臓の病気を起こした場合、機械的合併症(自由壁破裂、切迫破裂、心室中隔穿孔、乳頭筋断裂:つまり心臓の血管ではなく、心臓自体がやられる)の発症率も3.6%から14.3%に大きく上昇します。 これは、若者でも同様であり、特に運動選手における心臓突然死の主な原因になっている心筋炎を引き起こします。 このため、アスリートはコロナ感染後は心臓の検査をしてからの復帰がよいでしょう。

3)腎臓

コロナウイルスは、腎臓もやられます。急性腎障害は、コロナ感染による入院患者の24〜57%、集中治療室(ICU)入院患者の61〜78%で報告されています。 そして、これは退院後も回復が悪いことが解っています。

4)消化器

お腹(腹部症状)がやられるひとが、3~6%程度います。 下痢、嘔吐、腹痛の順に頻度が高いです。 これらは小児の特徴でもありますが、成人ではコロナウイルス感染症の重症化と関連するのは腹痛であることが解っています。 また、腸閉塞などのお腹の病気も合併症します。ちなみに、腸閉塞は酷くなると手術して腸を死んだ(壊死)した腸を切除しなければいけません。

5)糖尿病

コロナウイルスは膵臓にも感染し、膵臓の細胞を変性させることもわかっています。 血糖を下げるインシュリンが作れなくなります。 つまり、血統が上がる、糖尿病になります。 イタリアでは551人の入院患者中46%が高血糖を示し、コントロールが困難な患者もいました。 また、コロナ感染が回復しても今度は糖尿病になっていたなんてことも起きます。 実際、コロナ感染回復後に15%の人が糖尿病になり、新型コロナ感染の重症患者の30%が糖尿病を発症する可能性があるといわれています。

2)高齢者の方が重症?

成人でコロナになると、肺炎になり、肺炎が悪化し重症化する事が多いです。

しかし、小児では、「小児多系統炎症性症候群」と言われ、発熱、腹痛、下痢、首の痛み、目の充血、発疹、倦怠感が出てきます。 さらには心臓の動きが悪くなり、呼吸苦、胸の痛み、意識低下、起きることができない、強度の腹痛は重症化するの緊急事態の特徴です。 ショック(血圧低下や意識が低下すること:そのままだと死ぬ)や心筋炎(心臓に炎症が及び動かなくなる、何もしなければ死ぬ)を呈して、複数臓器の障害を起こします。

幸い全例回復していますが、この状態になるのは、コロナウイルスに感染した回復期(2~6週後)、小学校以降の子に多い傾向にあるとされています。

3)アレルギーではこうなる

コロナ感染で、問題になるのは後遺症です。

子供であろうと半数以上のに後遺症が残りますが、その後遺症も治療方法がありませんし、治るかどうかもわかっていません。

アレルギーの分野では、「気管支喘息の悪化」、「蕁麻疹」、「アトピー性皮膚炎の悪化」があります。 治療方法としては2つで、「薬を増量すること」、「ワクチンを打つこと」でしか対応できないのが現状ですが、コロナに感染して持病のアレルギーが悪化している子は、すべからくワクチンを接種していません。

コロナは肺を壊す力が非常に強く、成人と同じように肺の機能は落ちると思われます。 成人では、びっくりするくらい呼吸機能が低下します。 今後研究が進むと思いますが、肺の機能が落ちてしまった場合、回復するかどうかすらわかりません。 つまり、コロナにはかからないこと、かかっても重症化させないのが最大の防御です。 つまり、ワクチン一択です。

今回のコロナ予防接種はとても予防効果が高く、インフルエンザ予防接種の比ではありません。 4)後遺症 コロナ感染症では、原因不明の後遺症が言われています。 コロナ感染後から約2ヶ月後でも87%の患者が何らかの症状があるとも言われ、特に40代と50代女性で高いとされています。 また、関節痛やうつ病様の症状も報告されています。 ここで、多い後遺症を見てみましょう。 咳、息切れ、味覚障害、臭覚障害です。

60日後 120日後
7.9% 6.3%
息切 15.9% 息切 9.5%
味覚 4.8% 味覚 1.6%
臭覚 16.1% 臭覚 9.7%

Yusuke Miyazato, etal. Open Forum Infectious Diseases, 7;11, 2020, ofaa507. ご覧のように、コロナにかかってしまい後遺症が残ると、6ヶ月経過しても治ってない方が少なくありません。治療法もありませんので、自然に治るのを待つしかない状況です。 

4)だから、コロナ予防接種が必要です

①アレルギーに慣れていない医者は大騒ぎです

我々アレルギー医にとっては、日常の診療です。

②感染予防が甘く見られています

感染予防だけではなく、後遺症の治療にもなると言われています。

③ドーナツがもらえる

コロナ予防接種でもらえるクリスピー・クリーム・ドーナツは1人1個までです。

【参考文献】

・新型コロナウイする感染症の小児重症例について. 日本小児科学会 ガイドライン・提言

・For Parents: Multisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS-C) associated with COVID-19

・COVID-19 に続発する多系統炎症性症候群(MIS-C)の発生について. 日本川崎病学会.

・The Pfizer-BioNTech Vaccine Is Said to Be Powerfully Protective in Adolescents

・Pfizer and BioNTech Confirm High Efficacy and No Serious Safety Concerns Through Up to Six Months Following Second Dose in Updated Topline Analysis of Landmark COVID-19 Vaccine Study

・CDC Director Statement on Pfizer’s Use of COVID-19 Vaccine in Adolescents Age 12 and Older

・Ling Mao, etal. Neurologic Manifestations of Hospitalized Patients With Coronavirus Disease 2019 in Wuhan, China. JAMA Neuro. 1;77(6):683-690, 2020.

・新型コロナ併発の脳卒中は転帰不良傾向. Medical tribune

・Daniel P Oran, etal. The Proportion of SARS-CoV-2 Infections That Are Asymptomatic : A Systematic Review. Ann INtern Med. 22;M20-6976. doi: 10.7326/M20-6976, 2020.

・Satoshi Kitahara, etal. COVID-19 pandemic is associated with mechanical complications in patients with ST-elevation myocardial infarction. Open heart. 2021 Feb;8(1):e001497. doi: 10.1136/openhrt-2020-001497.

・James Nugent, etal. Assessment of Acute Kidney Injury and Longitudinal Kidney Function After Hospital Discharge Among Patients With and Without COVID-19. JAMA Net Open. 2021,1;4(3):e211095. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2021.1095.

・Mohamad El Moheb, etal. Novelty in the gut: a systematic review and meta-analysis of the gastrointestinal manifestations of COVID-19. BMJ Open Gastroenterol. 2020 ;7(1):e000417.

・Mohamad El Moheb, etal. Gastrointestinal Complications in Critically Ill Patients With and Without COVID-19. 

 
 
・Thirunavukkarasu Sathish PhD, etal. Proportion of newly diagnosed diabetes in COVID-19 patients: A systematic review and meta-analysis. Diabetes Obes Metab. 2021;23:870874.
 
・Chien-Ting Wu, etal.  SARS-CoV-2 infects human pancreatic β cells and elicits β cell impairment. Cell Metabolism 33, 1–12, August 3, 2021.
 
・Acute and long-term disruption of glycometabolic control after SARS-CoV-2 infection. Nature Metabolism

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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