スズメバチアレルギー
札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。
1)スズメバチアレルギーと症状
アレルギーで死亡する場合には、薬5分、ハチ15分、食べ物30分と言われるくらい、スズメバチのアレルギー症状は早く出現します。
多くの方は刺されてから30分以内に、顔面腫脹、全身の蕁麻疹、呼吸苦、腹痛、けいれんなどの症状がでてきます。
救急車で搬送されるようなレベルだとショック(死ぬ可能性がある状態)になっており、搬送された時点ですでにお亡くなりになっていた方も経験しています。
ハチ毒はアレルギー反応が強く1回目から重症になることも少なくありません。
なので、2回目に刺されると危ないと言われるのは間違いで、アナフィラキシーのリスクは一度目でも存在し、その発生率は体に入った毒の量やその人の体質によります。
当然ですが、何度も刺されるとアナフィラキシーを起こす可能性が高くなっていきます。
ハチに刺されて2回目から全身症状(蕁麻疹、発熱など)に発展するのは刺された人の5~10%。次に、アナフィラキシーになるのは全身症状が出た人のさらに約10%です。
危ないのは、刺されて1週間程度してから刺された場所以外(つまり、右腕を刺されたのに足首が腫れてきた)などの場合です。
これはハチアレルギーの特殊型で、遅発性と呼ばれています。
これも次回刺されると全身に症状を起こしやすくなります。
また、ハチ毒は複数種類混ざっており、ハチを超えて共通のアレルギー成分もあります。
つまり、スズメバチに刺されてから、アシナガバチに刺されても症状がでる可能性があります。
2)スズメバチはこうゆう生き物
今年は暑さのためか、ハチ自体の大きさが大きいし攻撃開始の時期が早いです。
習性を過剰書きにしてみました。
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地域差: 北海道では主にスズメバチが問題。栃木県などではアシナガバチが多い。
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ミツバチのアレルギー: 日本ではほとんど問題なし。主に養蜂家や海外から帰国した人が対象。
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種類: 北海道にはスズメバチの3属16種類のうち、3属14種類が生息。アシナガバチは生息していない。
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体質: 北海道でアレルギーが問題となるのは、オオスズメバチとキイロスズメバチ。
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活動期間: スズメバチは8~10月が最も攻撃的。この期間に女王バチを育てるので、非常に攻撃的になる。
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攻撃性: 巣に近づくと攻撃性が増す。ホバリング(空中で止まる)が攻撃直前の前兆。オオスズメバチは攻撃の前兆がない。
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巣の場所: キイロスズメバチは軒先、オオスズメバチは古タイヤや地中。後者は突然攻撃するケースが多い。
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雨の影響: 餌を獲得できないため、雨の次の日は攻撃性が増す。
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針の特性: スズメバチの針は何度も刺せる。10匹以上に刺されると、腎不全のリスクで集中治療室に入院する。
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春先の攻撃性: 春は女王バチしかおらず、通常は攻撃性が低い。
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高リスク状況: 北海道では9月、マラソン、建築現場、山での作業が「ハチに刺される」キーワード。
3)スズメバチに刺されないようにする
スズメバチが刺すのはメスのみで、攻撃されるような可能性を低くしておくことが大切です。
ハチは。静かにしているものや動かないものは認識しずらいと言われています。
巣に対して、前後に動くのはハチを刺激すると言われています。もし、出会ったらできるだけ動かないようにしましょう。
服装と装備
- 色: 黒色や花柄の服は避け、明るくて単色の服を選ぶ。
- 袖口・裾: 締め付けるタイプを選ぶと、バチが中に入るのを防げます。
行動
- 静かな行動: 大声を出したり、急に動くとスズメバチが攻撃的になります。
- 食べ物と匂い: 強い匂いのする食べ物や香水は避ける。
- 近づかない: もし見つけたら、巣やスズメバチに近づかないように心掛けます。
4)刺されたら
ハチ、とくにスズメバチは大型で毒も強いです。
さされると、アレルギーに関係なく激痛が走り、とても耐えられるレベルではありません。
多くの場合には、刺された場所がものすごく腫れ、日本地図のようになることもあります。
また、スズメバチの場合には刺された場所が細菌感染することが非常に多く、放置すると血管にそって腫れが赤みが腕や足の上に上がってくることも少なくありません。
刺された場所を口で吸い、毒を出そうとするのはやめます。
またポイズンリムーバーは、「効果があればよいね」くらいに考えておくのがよいでしょう。
とゆうことで、病院受診は必須だと思います。