コラム
			                
                                
              ステロイドの強さはどうやって決めるのか

1.湿疹の重症度で決まる
ステロイドの強さは、ネットに出ている一般的な強さではなく、湿疹の重症度で決めます。
例えば、湿疹の勢いが強いのに、一般的に決められたステロイドを延々塗っていてもよくなりません。
その湿疹に対して、「強いのか弱いのか」が決まります。
2.混合することのメリット
- ステロイド使用量を少なくできる
 - 皮膚を早く改善できる
 - 湿疹の再発がしにくくなる
 - 塗布しやすい
 
ステロイド外用剤と保湿剤が別々になっていた場合、実生活でスキンケアを続けるには無理があります。
例えば、お子さんが1人、さらに年齢が小さい、もしくは働いていない、のであれば良いかもしれませんが、継続性を考えた場合には無理があると思います。
また、重症の場合にはしょうがないですが、部位によって細かく塗る薬を変えるなど複雑になる場合があります。
出来るだけ簡単な状態で済むように塗布忘れや自己中断はしないようにしましょう。
3.混合した軟膏を使う場合の注意点
・薬の容器に直接手を入れないこと(細菌が生えて、異臭がしたりします)
・長期に、厚いところに放置しておくと分離します
良くならない方は、一般的な強い弱いで決めた薬を悪い時だけ塗る。もしくは最初から自然の力を信じて薬を使わない。しかし、これだと基本的に悪い状態がさらに悪くなったときだけ薬を使う羽目になるので、どこの病院に行っても同じ事の繰り返しです。
アトピー性皮膚炎は毎日薬を塗り段階的に減らしていくのが主流で、きちんと治療していれば、症状が無いもしくはほとんど無い日常を目指しましょう。
参考文献
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