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新生児アトピー性皮膚炎の治療

新生児アトピー性皮膚炎の治療

札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。

新生児の肌荒れ

1)新生児の肌荒れ

生後1ヶ月の子供に多い皮膚の病気は

  • 乳児湿疹 29%
  • 脂漏性皮膚炎 7%
  • 間擦疹 14%
  • おむつかぶれ 24%

で、乳児湿疹が一番多くなっています1,2)

ちなみに、乳児湿疹とは、「生後2~3週から数か月までに乳児に生じるアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、おむつ皮膚炎などの総称」です3)

つまり、新生児期におきた「肌荒れ」は、アトピー性皮膚炎でも、オムツかぶれでも原因に関係なく全て「乳児湿疹」と呼ばれます

例えれば、腕が痛いのを、「ヤケド」、「骨折」、「切り傷」、「脱臼」など原因に関係なく、全て腕が痛いでまとめているのと同じです。

乳児湿疹の70%は新生児アトピー性皮膚炎4)と言われているので、計算上は乳児の約20%はアトピー性皮膚炎を持っているとゆう計算になります。

原因をはっきりさせておかないと、治療方法が全く違うので、いつまでも治りません。

乳児湿疹と言われたら、新生児期からのアトピー性皮膚炎を念頭においておきます。

2)アトピー性皮膚炎かどうかはルールで決まる

乳児湿疹がアトピー性皮膚炎の前段階なので、この時点で出来るだけ早く治療する必要があることがわかりました。

では、どの段階でアトピー性皮膚炎と言われるのでしょう。

残念ながら、アトピー性皮膚炎は「アトピーっぽい」、「私はそう思わない」といったなんとなくで決まるのではなく、「診断基準」とゆう世界的なルールで決まります。

アトピー性皮膚炎のルールは、1)搔痒、2)特徴的皮疹と分布、3)慢性・反復性の3基本項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と判断すると決まっています5)

つまり、1)かゆい、2)アトピー性皮膚炎っぽい見た目で、悪くなりやすい部分が荒れてる、3)繰り返している、があればアトピー性皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎っぽい見た目とは、一般の方が判断できるときは結構悪化しているときです。

悪くなりやすい部分は、額、目や口の周り、体幹、肘や膝で、乳児期の典型例としては、顔から始まり体にひろがっていきます。

この広がりは1~2週間程度で一気に広がっていくことがあり、ゴールデンウィーク、長期休暇前などの休み前は特に親は結構な恐怖を感じます。

3)悪化したときだけ塗っても治らない

よく「新生児期のアトピーは治るよ」とか「1歳まで見ないとわからない」などと言われることがありますが、これを信じて重症化したままになっているケースがあとを絶ちません。

たとえば、アメリカでは 、20歳以前に6ヵ月間無症状または無治療期間を1回以上有したアトピー患者の割合は50%いないと報告されています。また、ドイツでは、1歳以降で症状の残る割合は18.7%、小学校1年生でアトピー性皮膚炎の症状があれば6年生でも90%が残存していると報告されてます。

つまり、これまで言われていたように、勝手に治るのを待っているのは効率が悪いことになります。

一番よくない方法が、「悪くなったときだけ薬を塗る」です。

一般的な強い弱いで決めた薬を悪い時だけ塗る。もしくは最初から自然の力を信じて薬を使わない。しかし、これだと基本的に悪い状態がさらに悪くなったときだけ薬を使う羽目になるので、ずっと同じ事の繰り返しです。

4)乳児湿疹は、はやく治す

アトピー性皮膚炎の治療が上手くいかないと、体がアレルギーを超しやすい体質にどんどん傾き、次から次にアレルギーを起こしてきます。

このことをアレルギー・マーチと呼び、約7割の子がアトピー性皮膚炎から次々にアレルギーをおこしはじめます6)

で、乳児湿疹はとゆうと、乳児湿疹で受診した子の71%がその後アトピー性皮膚炎が確定となり、74%がさらにその後に食物アレルギーになっています7)

つまり、「乳児湿疹」と言われたら、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーになる可能性が高いですよと言われているとゆうこと。

1ヶ月も経たないうちにネットで検索できる画像のような皮膚になる子もいますが、多くは頬の乾燥から始まり、次いで赤みが広がっていきます.その後に体や手足に広がっていきますが、広がった時点では保湿だけで対応することはできません。

全ての病気は、時間が経てば経つほど治りにくくなります。

これは、肌も同じで、爆弾を抱えているのに似ている気がしてます。

アレルギーで言えば、乳児湿疹こそがすべてのアレルギーの始まりであり、湿疹が残っていればいるほど、治りにくくなり、さらに他のアレルギーにもなるとゆうこと。そしてそれは数年後に再発することも多いです。

つまり、赤ちゃんの時に乳児湿疹と言われていた、良くなったが、3歳頃にまた急激に悪くなってきた。

とにかく早く湿疹をゼロにすることが大切です。

湿疹は早ければ早いほど、使う量も日数も少なくて済むからで、まずは一気に湿疹を無くしてから保湿に切り替えます。

湿疹が無くなってからが保湿の力が発揮される時です。

5)だから、これが必要です

①乳児湿疹はアトピーになりかけ?

70%の子がアトピー性皮膚炎になります。これは、アトピーと言ってもよいのでは?

②良くならないのに、頑張る

1週間たっても状態が変わらなければ、方針を転換する必要があります。

③保湿は予防につかう

湿疹がない状態でその威力は発揮されます。

【参考文献】

1)Matsumoto K, Shimanouchi Y, Kawakubo K, et al. 

2)Int Arch Allergy Immunol. 2005;137:69 –76

3)竹井真理, 他. 乳児湿疹から考える食物アレルギー発症予防の可能性. 日小ア誌 2018;32:22-26.

4) 池松かおり,他.乳児期発症食物アレルギーに関する検討(第 1 報)~乳児アトピー性皮膚炎
 と食物アレルギーの関係~.アレルギー 2006;55:140—150.

5)アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会. アトピー性皮膚炎ガイドライン2018.

6)馬場実. アレルギー・免疫 2004: 11: 734-747.

7)Tsakok T, et al. Does atopic dermatitis cause food allergy? A systematic review. J Allergy Clin Immunol 2016;137:1071-1078.

8)松本健治. 食物アレルギーの発症予防. 日小ア誌 2016;30:574—579.

【治療内容】

治療内容:各種検査を行います

費用:保険診療の範囲です。

考えられる副作用:ありません

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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