知っておきたい顔の赤み:毛細血管拡張症の原因と最新治療法
「この赤みなんとかなりませんか?」ここ2年ほど、頬や鼻が赤くなったり、荒れたりして、治らない方からの相談が増えています。
「いつからですか?」と聞くと、「コロナでマスクしはじめた頃」から気になり始め、マスクはずしてもずっと赤みが残って気になっているという「マスクで肌が荒れている」という場合がほとんどです。
顔の赤みの原因は?
最新の肌分析機を使って4つ方法で肌の状態を撮影することで、拡張している血管の有無や、皮脂がどの毛穴から出ているのかなどを詳細に分析することによって、何が原因による「赤み」なのかは、すぐにわかります。
「顔の赤み(赤ら顔)」のもっとも多い原因は2つあります。
・酒さ(しゅさ): 酒さ(しゅさ)と言われる顔全体の赤みも、持続性紅斑に分類されます。ストレスやホルモンバランスの乱れなどが原因と言われており、飲み薬や塗り薬で治療します。
・毛細血管拡張:肌にごく細い赤い線が見えているなら、毛細血管が拡張しているサインです。鼻の下や頬が赤い場合、ファンデーションでも隠しきれない赤みは、浮いた血管にレーザーを照射する治療は、保険が適用できます。
「顔の赤み(赤ら顔)」の改善方法
「顔の赤み(赤ら顔)」の改善方法としては、一般的に以下の方法があります。
・スキンケア化粧品 アゼライン酸が入った基礎化粧品を使うだけでも、肌の赤みやニキビの赤みが大きく改善する例も多くあります。アゼライン酸を配合したスキンケア化粧品は、当院でも取り扱っています。
・レーザー治療 主に血管に作用する特別なレーザー(Vビーム)を使用して、毛細血管を収縮させることで、赤みを軽減できます。保険適用の治療法ですが、日本でこの治療が受けられるクリニックはかなり少ないのが現状です(北海道では当院を含めて数台しかありません)。
・光治療 シミ取りなどにも使えるIPLというレーザー(フォトシルクプラスなど)のモードを変更することで、赤み消しにも対応できることがありますが、当院ではおすすめしていません。
・薬物療法 抗炎症作用と免疫抑制作用を持つメトロニダゾール/ロゼックスゲル(保険適用)や、プロトピックや皮脂分泌抑制作用を持ちニキビ治療にも使用されるアゼライン酸(ベーシックケア)などの外用薬や、イソトレチノインなどの内服薬が使用されます。塗るタイプのお薬も、飲むタイプのお薬も、早くても3ヶ月から半年の期間の継続が必要です。
当院では、結果がわかるまで半年かかるスキンケアや薬物による方法よりも、早く確実に改善する「レーザー治療」をおすすめしています。
「レーザー治療」に関するよくあるご質問
何回くらい「レーザー治療」を受ければ、赤みが消えますか?
うまくいけば1回、通常2−3回で赤みがおさまり、治療後の再発は個人差が大きく、再発する可能性はあります。
「レーザー治療」には、保険が効くのですか?
肌診断機で写真を取って分析し「毛細血管拡張症」と診断された場合には、保険適用となります。当院の患者さんの場合、肌の赤みの40%くらいは「毛細血管拡張症」です。残りの60%は、塗り薬と飲み薬での治療になります。
診断の流れ
「顔の赤み(赤ら顔)」の診断は、以下の手順で行います。
問診: どんな時に赤みが出るのかなど、あなたのお話をじっくり伺います。
視診: 肌の状態をチェックします。 肌診断機による診断: 肌の状態を4つの撮影方法で分析し、最新の機器で、肌の深部まで詳しく調べます。
採血:必要に応じて好酸球増多など アレルギー性疾患との関連を探り、肝機能、甲状腺機能、アレルギー、全身性エリテマトーデス(SLE):膠原病による皮膚症状を確認します
※診断が確定し、もしその日のレーザー治療の枠に空きがあれば、当日中にレーザー治療を行うことも可能です。
麻酔も不要で10分ほどで終わります。
治療回数と費用
・治療回数は個人差がありますが、一般的には8,140円(3割負担)の治療を鼻の下だけなら1回から3回くらい、顔全体となると3から10回程度行うことが推奨されます(費用は照射面積によって異なります)。
・保険適用の場合は3ヶ月に1度に制限されていますが、自費診療の場合は2〜4週間ごとに受けることが可能なので、より早く改善できます。
保険診療(血管が浮いて見える場合:毛細血管拡張症) | |
10㎠ | 8,140円(3割負担) |
20㎠ | 9,640円(3割負担) |
30㎠ | 11,140円(3割負担) |
40㎠ | 12,640円(3割負担) |
50㎠ | 14,140円(3割負担) |
自費診療(血管が見えない場合) | |
フェイシャル(全顔) | 33,000円 |
レーザー治療について
毛細血管拡張症、ニキビ跡の赤みを改善するための色素レーザー治療がVビームです。
このレーザーは、波長595nmの光を発し、血液中のヘモグロビンに特異的に反応します。これにより、異常な血管を収縮し、赤ら顔や赤あざ、ニキビ跡の赤みなどの症状を改善することが期待できます。
Vビームは、効果的なレーザー治療法であり、多くの肌トラブルに対応可能です。患者様一人ひとりの肌状態に合わせた治療計画を立てることが重要です。
- 毛細血管拡張症の改善:
Vビームは、波長595nmの光を使用し、血液中のヘモグロビンに特異的に反応します。異常な血管を選択的に破壊し、赤みを軽減します。
- ニキビ跡の赤みの改善:
炎症によって生じた毛細血管の異常をターゲットにし、赤みを軽減します。通常、3~5回程度の施術が推奨されます。
- 肌質改善とコラーゲン生成促進:
皮膚深部のコラーゲン生成が促進され、小じわや肌のキメを改善します。
副作用
Vビーム治療にはいくつかの副作用がありますが、多くの場合軽度です。主な副作用には以下が含まれます:
- 赤みや腫れ: 施術直後に赤みやむくみが出ることがありますが、通常数時間から数日で収まります。
- 内出血: 照射部位に内出血(紫斑)が生じることがありますが、1〜2週間で改善します。
- 色素沈着: 炎症後色素沈着が起こる可能性があります.
そのほかの当院での治療
酒さ
外用薬と内服にて治療いたします。
- ロゼックスゲル(メトロニダゾール)、プロトピック:
抗炎症作用と免疫抑制作用を持ち、酒さによる赤みや炎症を軽減します。
- アゼライン酸(ベーシックケア):
抗炎症作用や皮脂分泌抑制作用を持ち、ニキビ治療にも使用されます。
ベーシックケア | 4,400円(税込) |
内服薬
以下の内服薬が効果的な場合もあります。
- ビブラマイシン(ドキシサイクリン):
抗生物質で、炎症を抑える効果があります。特に酒さによる赤い丘疹や膿疱に対して効果的です。
- ミノマイシン:
ビブラマイシンと同様に赤みや丘疹を抑える効果があります。
- イソトレチノイン:
重症ニキビや酒さの治療に用いられ、皮脂腺の活動を抑えます。
外用薬による治療
外用薬も赤ら顔の治療に効果的です。
- イベルメクチンクリーム:
ニキビダニを減少させ、炎症を抑える効果があります。
スキンケア
顔の赤みのスキンケアは、肌の赤みを軽減し、健康的な肌を保つために重要です。
顔の赤みは、毛細血管の拡張や肌の炎症が原因で起こることが多く、適切なスキンケアが必要です。
スキンケア方法
優しいクレンジング:
強い洗浄力のあるクレンジングは避け、低刺激性のクレンジング剤を使用します。肌に負担をかけず、優しく洗い流すことが大切です。
化粧水の使用:
化粧水は保湿力が高く、ヒアルロン酸やセラミド配合の化粧水は効果的です。手で優しく押し込むように塗布することで、摩擦を減らします。
乳液・クリームでの保湿:
化粧水の後は、乳液やクリームでしっかりと保湿します。特に敏感肌用の製品や、赤ら顔専用のクリームが効果的です。
日焼け止め:
紫外線は肌にダメージを与え、赤みを悪化させるため、日中は必ず日焼け止めを使用します。