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睡眠不足、見た目、そしてアレルギー

睡眠不足、見た目、そしてアレルギー

子どもの頃からアトピー性皮膚炎と喘息を持ち、痒くなったり落ち着いたりを、ずっと繰り返している。

自分の子どもも、兄弟揃ってアトピー性皮膚炎、卵と牛乳アレルギーがあるが、3歳になっても様子をみましょうと言われるばかりで何も良くなってない。

最近は腕と体を中心にかゆくて赤い湿疹がまた出るようになった。自分では蕁麻疹だと思っていたが、子ども達も肘や膝が紅くなり、いつものように悪化したまま治まらず数ヶ月続いている。特に、疲れる、生理、入浴剤すると必ず悪化してかゆい。

病院で出された薬を飲んでも、現状維持が精一杯で、時々悪くなり改善しない。周囲の人からは病院を変えるようアドバイスを受けたが、良い病院がわからず。通える範囲の病院をいくつか変更してもこれ以上やる事はないと言われている。

痒みで眠れないので、いつもイライラ。

常に疲れて、仕事も行きたくないけど、行かなければいけないストレスでまた痒くなる。

ちょっとしたことで、子どもに辛く当たってしまう自分が嫌になる。

このままずっと眠れない状態が続くのか、痒くなるたびにいつも不安に思うようになった。

1)睡眠不足は、心と身体のバランスを崩す

「アメリカ人は眠りすぎている」と主張し、自分が活動する時間を増やすために、電球を発明したエジソンは、我々に24時間稼働可能な世界を作りました。

その後SNS、YouTube、NetFlixなどが浸透、現在はさらに夜間に気を引くコンテンツが増え、眠ることの出来ない世界になりました。

眠らないとどうなるを知りたくなった科学者たちは、実際に人で眠らないとどうなるかの実験を行っています。

その結果、不眠時間が増えるにつれ、細かいミス、イラつき、暴言、言葉が不明瞭になる、さらには精神的錯乱から幻覚、幻聴、そして強いうつ状態になる事がわかっています。

また、普段より1〜2時間睡眠時間が低下するだけで、脳の機能は大幅に落ちることがわかっています。

そして、睡眠不足は太ります。

睡眠不足は、食欲を増すホルモンのグレリンが30%増加、ジャンクフードを好むようになります。

それ以外の身体への影響では、高血圧、糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞、癌になりやすいことがわかっています。

2)睡眠不足は、顔にくる

睡眠不足が続くと、しわ、たるみが増え、見た目の年齢があがります。

特にこの変化は顔に来ることが多くみられます。

肌の張りを担うのは、皮膚の深いところにあるコラーゲンです。

睡眠不足になると、ストレスに対するホルモンが分泌され、コラーゲンの生成を抑制します。

つまり、皮膚の土台の張りがなくなり、シワになり、タルみます。

これが、皮膚の薄い顔にでます。

年齢とともに、肌の張りを作れなくなっていくので、ある年齢以上での睡眠不足が続いているのなら、皮膚のたるみは戻れません。

3)アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、そして睡眠不足

ヨーロッパの学会に出ていた時、ドイツの医師がこんな話をしていました。

「今回、アレルギー性鼻炎の治療を自己中断した人達の経過を追ったら、かなりの数の人が死亡していた。アレルギー性鼻炎と死亡率は関係ある。」

会場にいた人たちは失笑していましたが、「みんな笑っていてるけど、今に証明される日がくる」と、彼は言いました。

ところが、内科、小児科と経験してる自分は、彼の意見に強く同意しました。

なぜなら、睡眠不足が、ストレス、肥満、糖尿病、心疾患、うつなどを引き起こし、睡眠不足がない人よりも2.4倍死亡率が高いこと。

そして、アレルギーによる痒みはひどい睡眠不足を起こす、と知っていたからです。

私と息子はアレルギー性鼻炎がひどく、通常の2倍以上の薬を使っても、鼻つまりと痒みで、毎日夜中に目が覚めていました。これ以上やることはないと言われ、日中も毎日眠たく、いつもイライラしていました。

そして、睡眠不足は蓄積し、仕事のパフォーマンスも落ちていきます。

薬を使っても、全くよくならない日々に絶望し、性格も悪くなってました。

4)睡眠不足は、すべてのアレルギーの悪化をもたらす

 睡眠不足になると、アレルギーはさらに悪くなります。

簡単にゆうと、免疫が落ちるから。

わかりやすく悪化するのは、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎です。

なぜなら、1番悪くなるのは、痒みだから。

この痒みを、悪くなったままにしておくと、ストレスになり、さらに眠りが浅くなくなります。

経験的には、普段より2時間以上、睡眠時間が短いと確実に免疫は落ち、アレルギー症状は出やすくなります。

この影響が、はっきり出るのが女性と子どもです。

女性の場合、生理も含めてホルモンバランスの影響を受けやすく、子どもの場合には癇癪、落ち着きのなさ、日中の眠気に現れます。

睡眠時間が短いことで、良いことは何もないのです。

5)だから、これが必要です

睡眠時間は人によって違う

睡眠時間は人によって異なりますが、5時間以下だと病気になりやすいことが解っています。

また、いつもより2時間以上の睡眠不足では、確実に脳の機能がおちることが解っています。

適切な睡眠時間は、7~8時間がおススメです。

睡眠不足の原因は徹底的に排除する

睡眠不足の原因に、眠る直前までのスマホの使用、寝酒、痒みがあげられます。

特に痒みに関しては、きちんとした治療で無くすことができます。

無くなっていなければ、その治療はあなたに合っていないとゆうことです。

これらは、改善できるものなので改善し、睡眠不足を無くしましょう。

睡眠は美容のための自己投資

睡眠は、肌の張り、たるみ、眼の下のクマに直接影響してきます。

よりよい肌になるために、睡眠を妨げるものはやめていきましょう。

 

【参考文献】

・Association of allergic rhinitis with obstructive sleep apnea: A meta-analysis.

Cao Y, Wu S, etal. 2018. 

・Sleep disorders in children with moderate to severe persistent allergic rhinitis.

Loekmanwidjaja J, etal. 84(2):178-184, 2018. 

・The linkage of allergic rhinitis and obstructive sleep apnea.

Chirakalwasan N, etal. Pac J Allergy Immunol. (4):276-86, 2014.

・Association between allergic and nonallergic rhinitis and obstructive sleep apnea.

Zheng M, etal.Curr Opin Allergy Clin Immunol. 18(1):16-25, 2018. 

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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