第20回 薬剤の進化で、「気管支喘息」は「月1回の注射治療」の時代に!?
要約
この番組は、アレルギーに関する様々な知識や対処法をリスナーに伝えることを目的としている。今回のテーマは、気管支喘息の治療法である。気管支喘息は気管支が炎症を起こし、呼吸困難を引き起こす病気である。過去には重症化した場合に死亡することもあったが、近年では吸入ステロイドや生物学的製剤などの治療法が確立され、症状を抑えられるようになった。しかし、治療費は高額であるため、予防が大切である。アトピー性皮膚炎からアレルギーマーチを防ぐことが重要だ。
チャプター
気管支喘息の症状と原因
気管支喘息は気管支が炎症を起こし、呼吸困難を引き起こす病気である。気温の変化などで発作的に症状が悪化する。過去には重症化した場合に死亡することもあった。
気管支喘息の治療法
近年では吸入ステロイドや生物学的製剤などの治療法が確立され、症状を抑えられるようになった。しかし治療費は高額である。
気管支喘息の予防
治療費の高騰が問題であるため、予防が大切である。アトピー性皮膚炎からアレルギーマーチを防ぐことが重要だ。
行動項目
- アレルギーリテラシーの向上に努める。
- アトピー性皮膚炎の早期治療に取り組む。
- アレルギーマーチを防ぐ対策を立てる。
文字おこし
知れば勇気が湧くアレルギー攻略講座この番組は、知られざるアレルギーの常識や花粉症、アトピー、ハウスダストといった日常にあふれるアレルギーの悩みにお応えしていく番組です。リスナーの皆さんのアレルギーリテラシーを高めるために、様々な知識と知恵をお伝えします。
知れば勇気がわくアレルギー攻略講座番組ナビゲーターの猪狩雄一です。札幌市アルバアレルギークリニック院長続木康伸先生にアレルギーに関する様々な知識や知恵を教えていただきます。鈴木先生、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さあ続木先生今回のテーマは気管支喘息の治療法治し方です。前回、気管支喘息を発症する原因などね、基本的な知識についてお話しいただきましたけれども、改めて続木先生気管支喘息どんなものなのか、ちょっとご説明いただけますか。
うん。気管支喘息っていうのは簡単に言うと空気の通り道のアレルギーで、
はい。
通り道が常に赤く腫れていると、
はい。
何かの拍子に食う気温の変化とか、うん。風邪をひいたりとか、はい。そういったときに発作的に空気の通り道が狭くなって、呼吸が苦しくなっちゃうのを繰り返すものってことですね。
なんですね。今あの気温の変化っていうワードも出ましたけど、これ時期的に症状出やすい時期みたいのも当然あるわけですね。
ありますね北海道だと今、
今、秋口から冬にかけてぐらいですか。今ちょうどそういった、もしかしたらね症状に悩んでいらっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんけれども実際にその発症してしまった際に、どうやって直せばいいのかということを今回は具体的に伺っていきたいと思います。
あの前回の番組の中で昔は亡くなる方もいたというお話がね、
はい
出てましたけど、昔は治療法が違ったということですか。
昔っていうか僕らは研修医になったときにはもう吸入ステロイドっていうのがあったんで、はい、基本は吸入ステロイドなんですよ。
ええ。
うん。今は重症になっちゃった人たちっていうのは、吸入ステロイドだけでは対応しきれない方々っていうのはいろんな治療があるんですけど、昔はもう吸入ステロイドの他に何か飲み薬も飲んで、さらに、内服、飲み薬のステロイドも飲んでっていうようなことをやらないと症状が治まらない。で、それぐらいやっても治まらない人ってのはいたんですね昔
そうなんですね。そのときの治療方法っていうのはその飲む以外にも何かいろいろ手段があるん
ですか。もう本当に僕があ、研修医になったときはもう古い治療をやられてる先生たちはてもう昔言ってたテオフィリンというのを飲ませたりとか、
飲み薬でも点滴でも
そうなんですね。点滴になる。はい。
点滴に関しては、僕らが研修になったときにはテオフィリンても副作用が強すぎ大して効かないわりに副作用が強すぎて、僕らが研修医になったときにはもう専門の先生たちは使わあまり使わないって言ってた薬。
そうなんですね。はい。
文章もないもう、吸入ステロイドだけだと収まらない人に、うん。第3案ぐらいで、使うっていう感じ。
そうなんですねテオフィリン。
はい。あと俗に言うすし主にそうなぐらいひどい発作を起こしてきて搬送されてきた人たちに点滴で使う
なるほどもう症状が吸入だけではなかなか改善しないと、
改善しないというか昔は本当何もなかったんで。今はもう本当に、人工呼吸器でもいろいろなバージョンがありますけど、はい。もし人工呼吸器もそんないいものはなかったんで。僕らが研修になったときに結構いいものが出てきたぐらいだったんで。
そうですか。
これまで本当救急車で運ばれてきたら、呼吸に合わせて胸を押してたりとかしてたんで、
胸を押す
スクイージングっていうんですけど、はい。胸って空気すると大きく広がるじゃないすか。
はい。
喘息の発作がひどくなると、吐けないんすよ。
はい。
空気の通り道が狭くなりすぎて、
はい、はい
ちょっとだけ広がるから吸えるんですけど、
はい。
胸の中に空気がパンパに溜まってくるんすよ。
はい
はけないし吸えないそれ以上吸い込めないから苦しいんですよ。
はい。
だから、呼吸に合わせて無理やり胸押してやって、こうやってって言っ、僕あげて、胸の中の空気、手で無理やり出して、
そんなやり方をやってたんですか。もう強制的に押し出すってこと
ってそうで、肋骨あるんで、弾力あるじゃないすか。胸の骨
はい、はい。
それギュッて絞ってゆっくり話してやると、胸って一気に広がっていくので、はい新しい空気一気に入るから、
はい。
だいぶ楽になって
そんなやり方をして今もやってますかそれ
今やってない。
だから、人の手でやってたっていうことですね。
しょうがないから気管挿管っていうのをして人工呼吸器に繋いでた
そういうことをやっていた時期があったんですね。
ありました昔
医療機器もどんどんどんどん新しいものいいものができて、来たっていうことですねはい。他にも何かその当時、今はやってないけどみたいな治療なりっていうのはあったんですか。
あんまりないですけどサルタノールだけ使うとか。発作のときに何かスプレーしてるの見たことあるかもしれないですけど、
メプチンとかサルタノールって言うんですけど、はい。昔の苦しくなったらこれだけ吸うっていう治療がやって、
グーニーズって映画で主人公がシュッてやったりしてるじゃないすか。
すいません。そこまで細かいのはしりません。
そうなんですね。
そうですかサルタノールし、シュッシュと。
うん空気の通り道を広げるだけなんで、はい。結局慢性的なくなってると収まらないわけですよ。
はい。
もう昔は吸入ステロイドやってもしょうがない人たちっていうのは良いものがなかったんで、
はい。
なので、しょうがないので、飲み薬のステロイドを飲んでたりしたんですよね。
そうなん
です昔はね。ただもう今はそういうふうにただ、人工呼吸器っぽい呼吸補助してくれるような、酸素吸入の機会でもいいのがあるし、はい。今は生物学的製剤っていうのはもう10年前ぐらい出てるんで、
生物学的製剤
はい
これどんなものなんです。
注射なんですよ
注射なんです。はい。
今なんか腸がね、アレルギーじゃないんだけど赤く腫れちゃう炎症性腸疾患という病気とかリウマチとか、はい。ここがもそうなんですけど、今注射で治療する時代なんすよ。はい。例えばアレルギーにもそういう注射で治療するタイプの製剤等がいくつかあって、はい喘息にもこの生物学的製剤っていうのを使うわけですよ。俺が足もめちゃくちゃ器具、
めちゃくちゃ効く、
めちゃくちゃ効く。だからこの昔のその喘息で人が昔は死んでいたんだよ。だけど今は死ななくなったけど死ぬ目に遭う人はまだまだたくさんいるよねっていうような時代を経験してきた俺たちにとってはもう夢のような薬。
そうなんですね。だから続木先生が気管支喘息は慢性的な火傷みたいなものだっていうふうにね、おっしゃってますけどそれを、その症状、その注射で抑えられると、
バチンと根本からその起こる機序を切っちゃうって感じなんですよね。
それは1回打てばいいですか。
いや、2週間に1回もしくは月1回、製剤によっていろいろですけどね。
種類によって、でも月に一、二回、
うん。
何年くらいどのくらい引か
人によるけど、大体真面目にやってれば、1年から3年、
1年から3年、
3年ぐらいでオフにできてる人たちが僕の患者さん多いですね。俺は今薬使い始めたらかなり早かったんで
そうなんですね。1年から長い方で3年くらい、月1から2回ぐらい、月1回から2回ぐらい注射して、もうそれで完治するってことですか
ねいや症状が出なくなる基本的には他の人の3倍薬を使わなきゃいけなかった人が、他の人と同じぐらいまでの、もしくは一番低いレベルランクの治療で何とか。
重い症状、重かった人がそこまで改善するということで、
そうですね基本的には保険で使う薬なので、そうなん
ですね。
はい。特に最重症っていう人にしか使えないので、
はい。そうっすね。
そうかでもそういうね気管支喘息悩んでる方は多分大勢いらっしゃると思いますけど、そういった治療法がもうここ数年でできていて、ここ最近は確立されていて、それだけ症状を抑えることができるということなんです。
でもこれ続木先生、発症してしまったときの今、治療法について伺ってきましたけど、できればならないのがベストじゃないですか。
はい、
発症しない。そのために重要なことでないか
早く治療する以外?
そうですね。はい
体質によるので、はい、本当にもう言えないところはありますけどやっぱりアトピー性皮膚炎があってアレルギーマーチっていう次から次にアレルギーを起こしてしまう状況に陥っちゃったらなりやすいですよね。リスクが上がっちゃうんで。
やっぱりそこも当然繋がってくるんですね、
だから結局今いい薬があるって言っても、
はい
いい薬ってもう値段が高いんですよ。もうこれから医療って全部そうなんですけど、めっちゃくちゃ効果があるんだけどめちゃくちゃお金が高いっていう状況になるんで、ええ。結局この注射の薬だって、大体月2万から5万ぐらいするんで保険が効いて
聞いてそのぐらいするんですね。なかなかね、経済的な負担にはなりますよね。
だってでもガンのいっぱい打てば劇的に効くみたいな。オブジーボってやつあります。あれ2億ぐらいいくんです1回の点滴で。2億円なんで、すごいことになっちゃってます。でも、これからの医療ってそうなっちゃうんですよ。
はい、うん。てことはやっぱり予防したいじゃないですか。ならないようにしたいです
そうですね。はい。今んところやっぱりアトピー性皮膚炎にしないそしてアトピーがなったらもう、できるだけ早くがっちり治療するこれに尽きるって感じですね
早期治療をするっていうことは、どんな病気にもいえること。
ええ、ありがとうございました。知れば勇気がわくアレルギー攻略講座、今回は気管支喘息の治療法などについて札幌市アルバアレルギークリニック院長続木康伸先生に伺いました。鈴木先生、ありがとうございました。
ありがとうございました