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花粉症、からの果物・野菜アレルギー①

花粉症、からの果物・野菜アレルギー①

「数年前からリンゴやナシを食べると口が痒い気がしていた。いつもと同じリンゴを食べただけなのに、全身の蕁麻疹と腹痛で動けなくなって、救急車で運ばれた。

受診した病院で、うちでは検査出来ないと大学病院を紹介されたが、そちらでも、うちで対応する病気ではないと言われ、症状が出たら救急車を呼ぶようにと言われただけ。

日常生活で何を食べて良いかわからず、常に不安に思っていたら、友人の同じ状況を解決してくれたアレルギー医を紹介された。

1.花粉症、次は果物・野菜アレルギー

花粉症と同時、もしくは花粉症になってから3年以内に果物、野菜アレルギーになってしまう。

地域によって果物・野菜アレルギーは花粉症が関連しています。この花粉症から果物・野菜アレルギーを起こすことを、医学用語では花粉・食物アレルギー症候群(以下:PFAS)と呼んでいます。

「花粉」と「果物・野菜」のアレルギーをおこす成分(アレルゲン)は、構造が一部が同じです。

つまり、
花粉のアレルギー成分:A、B、C、D
果物のアレルギー成分:C、DE、F

この場合、C、Dが同じ。

体は大雑把にしか認識しないので、花粉も果物も同じものだと勘違いします。花粉症がある場合、果物・野菜のアレルギーになってしまいます。

この原因となる花粉症としては、カバノキ属(シラカンバ)が代表であり、シラカバの約30~50%、ハンノキの約30%、ヨモギ約40%、イネ科約20%、スギの10%の患者が発症すると言われています①)

2.地域によって、違うことは知られていません

このため、スギ花粉症がメインの関東、特に東京では花粉症に関連した果物・野菜アレルギーは少ないですが、シラカバ花粉症がメインの北海道非常に多く、九州地方でも増えてきています。

つまり、花粉症罹患率と原因花粉にも関連するため、はっきりとした地域差が出てきます。北海道においても花粉症になる原因植物は他地域とは異なるため、原因となる食物の種類は九州とは異なってきます。

3.居住地域に特有のものを知る

北海道と九州の方では、頻度もアレルギーになる食物も違います。

当然、居住している国によってもアレルギーの種類や症状は大きく違います。ヨーロッパでは、比較的野菜アレルギーが増えている印象です。

花粉症の種類とアレルギーを起こす果物は決まっています。

なので、北海道に多いシラカンバの花粉症がリンゴやモモ、ナシなどのアレルギーを高頻度で起こし、アレルギーの種類もニンジン、セロリ、キャベツなどあまり一般的になじみのないアレルギーもすごく多いです。北海道以外では、野菜のアレルギーは珍しいアレルギーの部類に入ります。

4.特に北海道の場合、シラカバ花粉症は気が付かない

私のところに受診される果物・野菜アレルギーの方の98%は花粉症をお持ちです。

花粉症が数年前に先行し、その後果物・野菜アレルギーになる方がほとんどですが、花粉症とほぼ同時期に果物・野菜アレルギーを発症する方もいらっしゃいます。

北海道はスギ花粉と違い、年によって200倍も花粉の飛散量に差があります。つまり、スギ花粉症と違い、ほとんどの方はすごく花粉が飛んだ日にだけ症状が出る方が多いため、気が付かないからです。

なので、アトピー性皮膚炎の治療が遅れ、次々にアレルギーを起こすと、早ければ5歳くらいから花粉症と同時に果物・野菜アレルギーを起こしてくることも少なくありません。

が、一般的には小学校高学年以降で、花粉症の後に起こしてくることがほとんどです。

#アレルギー性鼻炎から花粉症になり、果物・野菜アレルギーへ

5.だから、これが必要です

①最初は気が付かない

果物・野菜アレルギーの症状は、最初は軽いので気が付きません

②採血では診断できない

特に野菜・果物アレルギーは、健康保険の採血は役に立ちません。

治療について

ダニアレルギー、花粉症の治療をすると食べられるようになる人は多い印象です。

#ダニがアレルギー性鼻炎の原因

 

その

 

参考文献

・続木康伸. 小児と成人の花粉・食物アレルギー症候群の検討. 日本花粉学会誌. 65(1):21-24. 2019.

・長尾みずほ. 果物・野菜アレルギー. 小児食物アレルギーUP DATE. 小児
 科 55(5)  2014

・杉井京子、田知本寛、宿谷明紀, 他 :アレルギー 2006; 11(55), P1400-14008.

・徳田玲子、長尾みづほ、近藤真理、他 :小児における果物抗原への感作状況について.
 第25回日本アレルギー学会春季臨床大会 2013年5月

・ Ferna´ndez-Rivas M, Benito C, Gonza´ lez-Mancebo E, et.al :Allergies to  
 fruits and vegetables. Pediatr Allergy Immunol 2008; 19, P675–681.

・Caballero T, Martin-Esteban M, Garcia-Ara C, et.al: Relationshi p 
  between pollinosis and fruit or vegetable sensitization. Pediatr
  Allergy Immunol 1994: 5: 218-222.

・杉山剛、斎藤圭一、齋藤翔:日小ア誌 2012; 26: 251-257

 

この記事を書いた人

 

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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