1.泣く息子に何もできない
私の息子はアレルギー性鼻炎がとても酷く、人の4倍の薬を飲んで、2倍の量の点鼻薬を使っていました。
しかし、色々な専門医に受診しても、4歳の時にはこれ以上やれることはないと言われ、鼻の詰まりで息子は夜中に泣いて起きる状態でした。
その当時、アレルギー医になりたてだった私は、親として「本当に治療方法はないのか?」と思う反面、専門医が言うならと諦めの気持ちから泣きたくなっていました。
2.日本と海外の治療は大きく違う
ところが、勉強に行ったイタリアのアレルギー学会で、他の国ではアレルギー性鼻炎の原因のダニアレルギーは、注射や舌下治療で根治させていることを知ります。
そこで、私は日本でも同様の治療を探しましたが、2013年の日本では他の国よりも6割程度の効果しかない薬しかありませんでした。
他の国と同じ薬を輸入して治療しようとしましたが、3ヶ月以上はかかる事がわかったので、輸入をしつつ、まずは息子のダニアレルギーを日本にある薬で開始しました。
すると、6割程度の薬でも治療開始1ヶ月後には夜中に起きることは一切なくなり、不眠が続き機嫌の悪かった息子や家族がイライラする事はなくなり、明らかに私の息子の鼻は良くなっている事を実感しました。
そして、3ヶ月後には今まで悩んでいた症状を忘れるくらいになり、今までの薬を減らし始めました。
その6ヶ月後には月1回の注射以外、薬は必要がなくなりました。
現在は、日本でも同程度の効果のある薬が健康保険で使えるようになったので、変更し現在に至ります。
大量にあった毎日の薬も必要なく、鼻の症状がない事で生活が楽になり、毎日快適に眠れることでストレスもなく、家族が毎日笑えるとは思ってもいませんでした。
いつでも笑っている家族をみて、もっと早く注射の治療を知っていれば、4歳だった頃の私の息子が毎日泣くようなことはありませんでしたが、実はごく一部の日本のアレルギー病院でもこの治療は普通に行われていたことを後に知ります。
3.本当にできること、できないこと
一方で、アレルギーを掲げているクリニックは多いし、健康保険の仕組みでは仕方ないこととはいえ、アレルギーを根治するような治療や我々アレルギー医が行っているような検査を行える医者は全体の0.5%程度もいません。
このため、有名なアレルギー病院に患者は集中し、受診するのに3〜6ヶ月待ち、広告や宣伝をする必要が無いので表に出てきません。
こういった状況のため、地方のアレルギー医であった自分では、アレルギーを根治するような治療や全てのアレルギーに対応して治療を行っている医師達と知り会うことが出来ませんでした。
しかし、私はアレルギーの勉強を続け、国内外の学会を回りました。
さらには、学会で知り合ったアレルギー医達にお願いし、休暇を取って日本全国の病院を勉強して回り、アレルギー医同士で患者さんを紹介し合って、他のアレルギー医達と関係を作り続けました。
その結果、多くのアレルギー専門の医師と出会い、情報交換できるようになり、今でも最新の治療について勉強しています。
私の息子は何年もこの情報に辿り着けませんでしたが、私がアレルギー全般の治療が行えるようになった今では、早くから知っていれば大きく生活が変わるアレルギーの治療を、悩み続けている私のクライアントには受けてほしいと思っています。