花粉症が原因の花粉・食物アレルギー症候群③ 食物の種類
採血では大丈夫なはずなのに、食べるとお腹が痛くなったり、逆に、食物アレルギーだと言われたものを食べてもなんともない、もしくは、医師にそんなアレルギー聞いたことないと言われ、どうしたら良いのか悩んでいませんか?
実は、食物アレルギーの採血は、年齢、食べ物、症状、合併するアレルギーによって、見るべきポイントと対応が全く違ってくるので、幅広い経験と知識が必要です。
1) 複数種類のアレルギーが普通
私のクライアントさんの果物・野菜アレルギーの方は、症状がある平均食品は4.5品目(小児:3.6品目、成人:5.1品目)。
子どもと成人を合わせた食品は、果物60%(小児:75%、成人:50%)、野菜30%(小児:40%、成人:20%)、果物と野菜両方に症状があった方は40%(小児:20%、成人:50%)でした。
つまり、子どもではほとんどが果物だけですが、成人では半分の人が野菜アレルギーも同時に併発します。
最も多い原因食物は、小児・成人ともにリンゴ(小児:67.1%、成人:60%)で、バラ科の食物です(下図参照)。バラ科はの果物は下の図のように、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボなどで、非バラ科はそれ以外です。
2)世の中では、バラ科が有名だけど・・
一方で、小児・成人とも原因果物の上位10品目中8品目は同じであり、このうち6品目はシラカンバが原因の果物でした(下図参照)。
しかし、全体で見るとバラ科vs非バラ科では、約50%づつと子ども・成人ともバラ科と非バラ科食物に差は認められませんでした。つまり、圧倒的にバラ科が多いけどそれ以外も同じくらいなので、「バラ科のアレルギー」で分けるのは意味がありません。
3)治療法はないの?
日本ではスギ花粉症しか、健康保険で治すことができません。
花粉症と花粉・食物アレルギーは、発症予防や根治的治療がなく、自然治癒することも困難なアレルギー疾患です。
特に、症状を表現できない年齢の小児期に発症することは、罹病期間の長さからより著しいQOLの低下につながります。
花粉・食物アレルギー症候群になってしまった場合には、ダニアレルギーの治療を行うと、食べられる人が多いです。私のクライアントでは、ネギとジャガイモアレルギーの方は全員良くなりませんでしたが、それ以外のアレルギーの方は全員、アレルギー症状のある果物・野菜は食べられるようになっています。
ダニアレルギーの治療は、私は最低3年、推奨5年以上を提案しています。
ダニアレルギーは長く行えば行うほど、完治する可能性が高くなりますが、3年~5年の間だと普段は食べても症状がないのに、疲労の程度など日によって症状がでることがあります。症状は治療前よりは格段に軽いですが、本当に症状が出なくなるには、3年以上、5年は必要です。
4)次々、アレルギーになる理由が解らず不安
アレルギーを発症してから、最初の3年、特に2年間の間に一気に食べられない果物・野菜が増えます。しかし、3年を過ぎると通常は増えないので、3年経過して食べられるものはアレルギーになることはないと言っても良いかと思われます。
症状も口の中が痒いだけの食物を食べ続けなければ、酷くなることはありませんが注意が必要なのは飲み物です。
食べ物は、食べている最中で症状が出るので食べるのを止めればよいですが、飲み物は一旦飲んでしまうと吐き出せません。
現に、救急車で搬送されてくる方は飲み物の割合が非常に高いです。
5)だから、これが必要です
①バラ科だけではありません
バラ科が有名なだけです。
②複数種類のアレルギーになります
リンゴだけで終われば、運が良いと思ってください。
③大体が3年以内に止まります
大体2年、長くても3年です。
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