アトピー性皮膚炎予防と乳酸菌

1.アトピー性皮膚炎は妊娠中に乳酸菌と摂ることで予防効果あり
妊娠後期から母体へのプロバイオティクス(生きて腸に届く乳酸菌のこと)投与は、アトピー性皮膚炎の予防効果があることが分かっています。。
妊娠後期~授乳中での複数のプロバイオティクスを飲むことで、アトピー性皮膚炎の発症率を抑制できた。
Zuccolif, et all.Allergy , 2015
帝王切開予定の妊婦にラクトバシラスを投与したところ、児のアトピー性皮膚炎を50%抑制できた。
Pelzer , et al. Plcenta 54; 30-37, 2017
妊娠最終2週間~生後3ヶ月までのラクトバシラス摂取で、アトピー性皮膚炎の発症を20~24%抑制できる。
Baquerizo, et al. J Am Acad Dermatol. 71; 814-821, 2014
簡単にいうと、ヨーグルトを食べなかった母親では、ヨーグルトを食べなかった母親と比べて、生まれたお子さんがアトピー性皮膚炎になったのが約50%だったとゆうことです。
2.乳酸菌は予防効果がある。ただし、条件あり
我々アレルギー医のところに通院している方であれば、妊娠後期から乳酸菌摂取、新生児からの予防保湿について説明が必ずあります。
妊娠後期から乳酸菌摂取とは、プロバイオティクスを摂ること。
基本的に腸管の善玉菌を増やす目的で、ヨーグルト(ビフィズス菌)を食べるのが簡単です。
この母体へのプロバイオティクス投与、アトピー性皮膚炎の予防効果を得るための条件が
- 複数種類を摂ること
- 妊娠後期(当院では30週)~授乳中も摂取すること
1種類の乳酸菌だけを摂取していても腸内細菌は整えられません。
さらに、妊娠後期(当院では30週)から毎日摂取するので、実際の現場でやっていることは簡単にしなければ続けることはできません。
結局何をすればよいかとゆうと、「色々な市販品のヨーグルトやヤクルトを日替わりで食べること」になります。
我が家もですが、ほぼ毎日色々なヨーグルトを食べ、腸内細菌を整えるために、善玉菌のエサとなる食べものを食べ、予防保湿を外来でも勧めています。
ここで、注意しなければならないのは、アトピ―性皮膚炎になってしまったら、治療効果はありません。
アレルギーマーチを予防するために、一刻も早く治療することが大切です。
参考文献
・医科プロバイオティクス学. シナジー. 2009.
・Kalliomark M, et.al. Lancet, 357: 1076-1079, 2001.
・Taylor AL, et.al.JACI, 119: 184-191, 2007.
・Sibylle Koletzko. Supplement, 1: 9-10, 2016.
・Cristine B, et.al. BMC Pregnacy and Children. 16:133, 2016.
・Forsberg, A, et.al. Clin Expo Allergy 46; 1506-1521, 2016.
・Y.Vandenplants, et.al. Curr infect Dis Rep. 15;251-262, 2013.
・Lundelin K, et.al. Pediatr Allergy Immunol. 13;7; 1619, 2016.
・Zuccolif, et all.Allergy , 2015
・Pelzer , et al. Plcenta 54; 30-37, 2017
・Baquerizo, et al. J Am Acad Dermatol. 71; 814-821, 2014
診療のながれ
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1 受付
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初診時は受付にお声かけいただき、保険証の提出をお願いいたします。2回目以降の受付は、アプリにて壁にありますQRコードを読み取っていただければ、自動受付になります。受付詳細はこちら
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2 問診
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これまでの経緯をよく聞くので、症状が出てなくても大丈夫。
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3 診察
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話合いで、一人ひとりに合った検査と今後の治療方針が決まります。
このため、症状がないときに受診しても大丈夫です。
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4 採血
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採血結果からみるべきポイントは、年齢や食べ物、症状、合併するアレルギーによって、全く違ってきます。
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5 治療方針決め
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どの薬を、どの部位に、どのくらいの期間で使うのか、あなたの症状にあったさまざまな薬と使い方がポイントです。
アレルギーを総合的に判断することで、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すために、きめ細かい対応をしています。
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