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バナナアレルギーと離乳食

バナナアレルギーと離乳食

離乳食でバナナを食べさせたら、30分後くらいから全身に蕁麻疹が出て、泣きじゃくった。病院に連れて行ったが、採血でバナナアレルギーと言われただけで、専門用語ばかりで説明よくわからず。

その後のどうしたらよいか聞いてもはっきり答えてくれず、時々採血されても様子を見ましょうと言われ、何年も進まず、来年幼稚園の年長になるのにバナナが食べられない。

他の食物アレルギーが出てくるか、いつも不安。

食物アレルギーの子を持つ友人に相談したら、友人のかかりつけ医は採血の説明や検査項目自体が全く違っており、食物アレルギーは採血だけではわからないので、入院して実際に食べる検査を定期的にしていた。

治っていない自分の子どもをみて悲しくなったら、かかりつけのアレルギー医を紹介してくれた。

受診してわかったが、1歳過ぎてもバナナアレルギーが治っていなければ、食べられるようになることはほぼないが、食べなければ症状はでないらしい。

早く知りたかったが、これまでどの病院でも説明されたことはなかった。

1)採血は全く役にたたない

果物・野菜アレルギーは、健康保険で行われている採血では全く役に立たず、採血でバナナに反応があった47名中、負荷試験でバナナに症状が出たのは13%でした①)。つまり、採血では10人に1人しか、アレルギーの子を当てることができません。

つまり、バナナアレルギーも、食べて症状が出て初めてアレルギーです。採血では、やっぱり判断できないのです。

我々アレルギー医は、これまでの研究結果と経験から、採血でバナナアレルギーを診断するのではなく、あなたの身体が全体としてどのくらいアレルギー体質に傾いているのか、現時点で他のアレルギーを起こす可能性、今後どのようなアレルギーを発症してくるのかを見ています。

なので、バナナアレルギーだと診断するには、皮膚テストと負荷試験を行いますが、皮膚テストも精度は100%ではありませんので、最終的には負荷試験、つまり実際に食べて症状が出るのか確かめるしかないのです。

ただし、バナナアレルギーは珍しいので、なりやすいアレルギーではありません。

2)世の中では、自然に治ると思われています

バナナアレルギーは頻度は低く、珍しい部類に入ります。1歳以下であれば自然に治ることの方が多いです。逆に言えば、1歳を過ぎて食べられない、1歳を過ぎてアレルギーになると治ることはないと思って頂いても過言ではありません。

これは、成人になってからバナナアレルギーになった方も治らないとゆうことです。多くの食物アレルギーで誤解されていますが、自然に治るものは少ないですし、食べてアレルギーを治す方法(経口免疫療法)は一般的に思われているよりはるかに大変です。

ここ近年、アトピー性皮膚炎の治療を早期から行う子が非常に増えているので、乳児のバナナアレルギーはここ数年激減している印象ですが、逆に花粉症に関連したバナナアレルギーは減っている印象がありません。

3)早くから知っていれば、生活が大きく変わります

一方で、ラクテックス(ゴム)アレルギーがあると、バナナアレルギーになる、もしくは食べてはいけないのが原則ではあります。もちろんその人の体質にもよりますが、ラテックスとバナナアレルギーは合併すると教科書には書かれているものの、実際には珍しく、基本的にはラテックスアレルギーでも、バナナは食べることができます。

成人の場合、殆どのバナナアレルギーは花粉症に関連して起こしてきます。

果物の場合に注意が必要なのは、飲み物です。

スムージーに入っていることが多く、普段気を付けている方ほど、間違えて飲みやすいです。飲み物の場合には、食べた場合と違い途中で吐き出すことができません。なので、重症化しやすいです。

4)現に、巷では加熱すれば食べられると思われています

バナナマフィンやケーキなどは食べられることが多く、加熱すれば大丈夫と言われているようですが、その人によります。

「ほとんどの方は、加熱すれば食べられる」が、正しいでしょう。

アレルギーは、体質、摂取したアレルギー物質の量、その時の体調によって、ものすごく大きく症状が変わります。つまり、普段は大丈夫だったは通用しません。夜中に病院に行く羽目にならないために、よく説明を受けておく必要があります。

私の経験上バナナアレルギーは、口腔内症状(口が痒いだけ)が20%、消化器症状(嘔吐・腹痛)が40%、皮膚症状(蕁麻疹)が40%程度です。乳児はほぼ皮膚(特に腹部に湿疹)に、症状が出ます。

逆に、加熱したバナナでも症状が起きるや、咳や呼吸苦など呼吸器系統に症状を起こす方は重症です。

一方で、アトピー性皮膚炎の治療をしている、肌が荒れていない乳児であれば、バナナアレルギーになることは珍しいです。

#なので、離乳食は進めて良い

5)だから、これが必要です

①自然には治らない?

1歳以上のバナナアレルギーは、自然には治りません。

②食べなければ症状はでない

アレルギーは、体質、摂取したアレルギー物質の量、その時の体調によって、ものすごく大きく症状が変わります。が、食べなければ症状は出ません。

③呼吸器症状には要注意

バナナアレルギーで呼吸器症状がでることは珍しいですが、でれば重症です。

参考文献
  1. Dilara Fatma, etc. TJMS. 2018. 48: 469-475.

診療のながれ

  1. 1 受付

    初診時は受付にお声かけいただき、保険証の提出をお願いいたします。2回目以降の受付は、アプリにて壁にありますQRコードを読み取っていただければ、自動受付になります。受付詳細はこちら

  2. 2 問診

    これまでの経緯をよく聞くので、症状が出てなくても大丈夫。

  3. 3 診察

    話合いで、一人ひとりに合った検査と今後の治療方針が決まります。
    このため、症状がないときに受診しても大丈夫です。

  4. 4 採血

    採血結果からみるべきポイントは、年齢や食べ物、症状、合併するアレルギーによって、全く違ってきます。

  5. 5 治療方針決め

    どの薬を、どの部位に、どのくらいの期間で使うのか、あなたの症状にあったさまざまな薬と使い方がポイントです。
    アレルギーを総合的に判断することで、症状を無くし、最終的には薬自体を使わなくてもよい状態を目指すために、きめ細かい対応をしています。

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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