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コラム

自分の子どもが他人を叩いたら

子ども達は、ストレスを「その状況を避ける」、「ジェスチャー」、「言い返す」ことなどで対応しますが、特に自閉症児はストレスを攻撃的な態度で発散すると言われています1)。  

この攻撃性は、年齢が進めば少なくなるとの報告が多い一方、関係ないとの報告も多いです。

Alisonらは2)、程度の差はあれ、自閉症児では攻撃性が定型発達児より多くなる年齢もあると述べています。

しかし、これもはっきりしていません。

IQや性差も関連ある、いやないとの報告もあり一致していません。

ただし、IQが高くない方が一旦攻撃が始まると大変なことが多い印象があります。


このよくわからない攻撃性を親や周囲から見たらどうでしょうか。

完全にストレスですよね。

攻撃的な態度は特に養育者に対して向けられます。

そして、その攻撃性自体がストレスになるだけではなく、子どもへの虐待につながることも指摘されています3)

年齢が進めば無くるからといって、年齢が進むの待つのは現実的ではありませんし、いずれ大きな問題になるでしょう。


では、攻撃性を防ぐにはどうしたらよいのか?

攻撃性を「行動」ととらえ、その行動は「なぜか」を考えると早い。

人の行動は、コミュニケーション、要求、その時の必要性、考え方などの一つの形であると言われています1)。  

攻撃性や自傷は、言葉以外のコミュニケーション能力と関連しており、コミュニケーションスキルの低下、社会性の低下、常同行為(同じ動作の繰り返し)につながると言われている4)

6歳時点での問題解決能力などの認知能力が低いことは、攻撃性を含む問題行動の中心なり、かつ9歳時の問題行動につながることが研究の結果指摘されています。

言語コミュニケーション能力が低いとより攻撃性が出やすいことも指摘されていますし4)。  

ところが一方で、Andrea 4)らが行った研究では、言語、非言語コミュニケーションどちらがメインの児でも、ともに攻撃性に違いはありませんでした。

また、Andreaらは個々の自閉症児によっても大きく違いはあるものの他と同じ研究結果を報告し、程度の差はあれ自閉症児・定型発達児の攻撃性の頻度に違いはないとしています。

研究結果が様々ありますね・・・

結局、現時点で解っているのは、


①子どもにとっても、自分ではすぐには解決できない過大なストレスがかかっているから攻撃性が出ている可能性がある。

②自閉症を抱えていることやコミュニケーション能力の違い・IQとゆうより、攻撃性はそれぞれの子が状況を解決する方法(問題解決方法)の能力によるようだ とゆうことです。


解決できない状況は、自閉症児にとって混乱や不安を引き起こし、感情がコントロールできなくなるだろうとゆうことがわかります5)

つまり、自閉症あるなしにかかわらず、攻撃的な時にはその子には解決出来ない問題があるってこと。

そういった状況を事前に知るためには、沢山の失敗が必要かも。


参考文献

1) Bronsard G, etal. Aggression in low functioning children and  adolescents with 

    autistic disorder. PLoS One. 2010.

2) Alison Presmanes Hill, etal. Aggressive Behavior Problems in

    Children with AutismSpectrum Disorders: Prevalence and

    Correlates in a Large Clinical Sample. 1;8(9): 1121–1133, 2014.

3) American Psychiatric Association. Diagnostic and Statistical

 Manual of Mental Disorders. 5th ed. Washington, DC:

    American Psychiatric Association; 2013.

4)Andrea De Giacomo, et al. Aggressive Behaviors and Verbal 

  Communication Skills in Autism Spectrum Disorders. Global

  Pediatric Health, 2016.

5)Why is Autism Associated With Aggressive and Challenging

      Behaviors? Challenging Behaviors Tool Kit. Autism speaks, 

      2012. https://www.autismspeaks.org/family-services/tool-

      kits/challenging-behaviors-tool-kit

6)宍戸恵美子, 平岩幹男. 教えて伸ばす!発達障害をかかえた子ど

   も. 少年写真新聞社,2011.

7)Dominick KC, etal. Atypical behaviors in children with autism 

    and children with a history of language impairment. Res Dev

    Disabil. 2007;28:145-162.

8) Cristan Farmer, etal. Aggression in children with autism 

     spectrum disorders and a clinic-referred comparison group.

     Autism19(3): 281–291, 2015.

9) Why is Autism Associated With Aggressive and Challenging

    Behaviors? Auismspeaks, 2014.

10)平岩幹男. 自閉症スペクトラム障害 療育と対応を考える. 岩波書

      店. 2012.

11) Estes AM, etal. Level of intellectual functioning predicts

      patterns of associated symptoms in school-age children with

      autism spectrum disorder. Am J Ment Retard. 112:439-449,

      2007.

 

記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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