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ブタクサ花粉症

ブタクサ花粉症

札幌市南区のアレルギー科・小児科(アレルギー)のアルバアレルギークリニックです。

当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。

アトピー・かゆみの治療の患者様に多数ご来院いただいています。

ブタクサとは

ブタクサ(学名: Ambrosia artemisiifolia)は、キク科に属する植物で、世界中に広く分布しています。

ブタクサ、オオブタクサ、ブタクサモドキの3種類が認められます。

この植物は多年生または一年生で、高さは約1メートルになることがあります。

生息地:

ブタクサはもともとアメリカのミシシッピー流域に自生していた風媒花で、花粉量が多く、アレルゲンとして強いことが知られています。

ブタクサは世界中で見られ、特に暖かい地域や中緯度地域で広く分布しています。

大繁殖し、特にヨーロッパでは花粉症が急激に増加して問題になっています。

このためフランスでは、見つけ次第、完全に除去し、撲滅を目指し、法律が整備されています。

道路脇、野原、耕作地、河川敷など、さまざまな生息地で見られますが、日本ではその数が原因不明ながら減少しています。

特に北海道では、あまり生息はないと言われていますが、近年の温暖化で増加する可能性が指摘されています。

植物として問題となる点:

ブタクサの仲間のオオブタクサは、繁殖力がとても強いため、環境省により「生態系に甚大な影響がある外来植物」に指定されています。

しかも、刈ってもすぐに生えてくるため、とても除草しにくいと言われています。

固有種などの在来種と競合し、駆逐するおそれが指摘されています。

ブタクサは有毒で食べることはできません。

ちなみに、ブタクサの花言葉は「よりを戻す」、「幸せな恋」です。

ブタクサ花粉症

ブタクサは夏から秋にかけて花を咲かせ、その花から花粉が放出されます。

この花粉が風に乗って広がり、ブタクサ花粉症を引き起こす原因となります。

ただし、特に北海道では、ヨモギの方が問題になります。

症状:

ブタクサ花粉症の症状は、通常、他の花粉症と同様です。

主な症状には以下が含まれます:

くしゃみ

鼻水や鼻詰まり

目のかゆみや充血

喉のかゆみや痛み

咳や咳き込み

呼吸困難

特に、ブタクサに特有の症状はありません。

診断・治療

夏から秋にかけて、くしゃみ、鼻水や鼻詰まり、目のかゆみや充血、喉のかゆみや痛み、咳や咳き込みがでると疑われます。

診断は、症状と採血で行われます。

花粉症はアレルギーの一種であり、症状が出る場合、医師による診断が必要です。診断は通常、症状の詳細な評価とアレルギー検査(皮膚テストまたは血液検査)によって行われます。

ブタクサ花粉症の一般的な治療には、以下の方法が用いられます:

・抗ヒスタミン薬:デザレックス、タリオン、ジルテックなどです。

・点鼻薬(鼻スプレー):アラミストなど

・点眼薬:パタノール、フルオロメトロンなど

アレルゲン免疫療法(減感作療法):唯一治すことができる治療方法です。日本にはないため、保険が効かず、また行える病院も少ないです。

花粉症の治療:治す方法はこれ

ブタクサと果物アレルギー

ブタクサは少ないため、一般的な果物野菜アレルギーを記載させていたただきます。

北海道では、花粉症と果物・野菜アレルギーが密接に関連しています。

実際、花粉症になった人の約30~50%が果物・野菜アレルギーを持っていると言われています。

一般的に、果物・野菜アレルギーと関連する代表的な花粉は、4月から飛散するシラカバや夏のイネ科の花粉です。

しかし、近年の傾向としては、5~6月にブナ・コナラ、秋にヨモギの花粉が増加しているようです。

この花粉と果物・野菜アレルギーの関連性は今後も増加する可能性が高いです。

特に、ブナは土地に水分を保持する力が非常に強いため、スギからブナへの植樹作業が進んでおり、花粉症の発症も全国的に急増すると予想されています。

一般的に、花粉症は最初に発症し、数年後に果物・野菜アレルギーが発症することが多いですが、一部の人は花粉症とほぼ同時に果物・野菜アレルギーを発症することもあります。

北海道の主要な花粉源であるシラカバの花粉飛散量は年によって200倍も差があるため、スギ花粉症とは異なり、症状が出る日が限られていることがあり、本人が自覚していないことも多いです。このような背景から、花粉症と果物・野菜アレルギーの関連は今後も増加していくでしょう。

北海道で秋の花粉症のメインであるヨモギもブタクサもキク科です。

キク科と関連ある果物

ウリ科 :メロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニ
バショウ科: バナナ
セリ科 :セロリ、セリ、ニンジン、クミン、コリア ンダー
マタタビ科: キウイ
アブラナ科 :キャベツ、ブロッコリー
ムクロジ科 :ライチ

が上げれます。

果物より野菜アレルギーの方が珍しく、1/3程度の方しかいない印象です。

注意が必要なのは、キク科と関連した果物野菜アレルギーの場合には、珍しいものが多く、経験的にアナフィラキシーを起こすことも稀ではありません。

経験上、メロン、クミン、コリアンダー、キウイ、キャベツ、ライチでアナフィラキシーを起こした患者さんの経験があります。

多くの場合、口が痒い程度で済みますが、クミン、コリアンダーなどのスパイスアレルギーは、アナフィラキシーを起こすことが多く、またインドカレーでアレルギー症状を起こした場合にはカシューナッツなどのナッツアレルギーとの鑑別が必要です。

一方で、最近増えているのが「メロンアレルギー」です。

メロンは時に、気管支喘息を治療していない場合には、呼吸に症状が出るなど重症化します。

果物アレルギー:一覧

【参考文献】

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  • 徳田玲子、長尾みづほ、近藤真理、他 :小児における果物抗原への感作状況について.
    第25回日本アレルギー学会春季臨床大会 2013年5月
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  • 佐藤広行、他. 日本花粉学会会誌. 64(1); 1-5, 2018.
記事監修医師
続木 康信
                     

続木 康伸

岩手医大卒、蓮桜会理事長。医師・歯科医師のダブルライセンス。新生児から妊婦まで、人生を自由にするアルバアレルギークリニック院長 。日本テレビ「カズレーザーと学ぶ」、東京MX「医史」出演。学研「保湿を変えればアトピーは治せる」著者。

【所属】
・日本花粉学会(評議員)・ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会・アメリカアレルギー・喘息・免疫学会・日本小児アレルギー学会
・抗原研究会・日本美容皮膚科学会・日本痤瘡研究会・日本脱毛学会・再生医療クロスボーダー協会・日本臨床カンナビノイド学会

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