大豆アレルギー
採血では大丈夫なはずなのに、食べるとお腹が痛くなったり、逆に、食物アレルギーだと言われたものを食べてもなんともない、もしくは、医師にそんなアレルギー聞いたことないと言われ、どうしたら良いのか悩んでいませんか?
実は、食物アレルギーの採血は、年齢、食べ物、症状、合併するアレルギーによって、見るべきポイントと対応が全く違ってくるので、幅広い経験と知識が必要です。
1)治りやすわりに、症状がひどくなりやすい
大豆アレルギーは、他の食物アレルギーに比べて治りやすいアレルギーです。
一方で、採血の値は参考にしかならず、よほど採血の値が上昇していれば判断できますが、大多数は採血の値が上がらないため、その他のアレルギーと合わせた判断が必要です。慣れてないと判断できません。
ところが、症状としては、他の食物アレルギーよりもひどくなりやすく、全身蕁麻対応疹とアナフィラキシ―を起こすことが経験的には多い印象です。
大豆アレルギーは、3歳までに約70~80%が治っていると報告されており、私の経験的にも3歳までに大体が良くなっています。
しかし、逆を言えば、3歳までに良くなっていないとゆうことは、3歳過ぎると治りにくくなるとゆうことで、出来るだけ早いが必要になってきます。
治りにくい状態になっているとは、
採血で大豆の値が高いまま下がらない
3歳過ぎても治らない
これが当てはまると治りにくい状態です。
2)大豆アレルギーは、頻度がすくないです
大豆アレルギーは、全体としては人数が少ないアレルギー、特に小児では少ないです。
イギリスでは0.4%しかおらず、日本では上位10位以内にも入っていません。
一方で地域差があり、北海道の成人の場合には、花粉症に関連したアレルギーの一つとして「大豆アレルギー」が発症します。
この場合は、発症当初は疲れた時に唇がかゆい程度で、自分が大豆がダメなのかは気が付きません。
1年くらいしてからは、常に唇がかゆい、プロテインで腹痛が毎回でるなどの症状が出てきて気が付きます。
3)スキンケアをして、早く食べることだと思います
大豆アレルギーになることを予防するためには
①アトピー性皮膚炎にさせない
②なったとしたら、すぐに治療して症状ゼロにしておくこと
③①、②の上で離乳食は遅らせないこと
です。
また、経験的に大豆は食べた量にアレルギー症状は比例します。
つまり、何の料理なら食べれるかではなく、どのくらい食べるのかによります。
豆腐なら食べられるのか、マメなら食べられるのかではなく、どのくらいの量が食べられるのかになります。
#「だから、負荷試験が必要」
大豆アレルギーは、加熱してもアレルギー量はかわりませんが、発酵するとアレルギー量は減ります。
なので、基本的にミソ、しょう油などの調味料は大丈夫ですが、これらもダメだと超重症とゆうことになります。
4)大人になってから、大豆アレルギーになると酷いです
成人になってからの大豆アレルギーのほとんどが、花粉症と関連しています。
#「花粉・食物アレルギー症候群と言います」
私のところに受診される方は、多くの方がアナフィラキシーを起こしています。
原因は、豆乳を含めた飲み物です。特にスムージーで症状を起こす方が多い印象です。
また、大豆アレルギーになっているからは、ほとんどがアレルギーマーチの状態になっています。
大豆だけにとどまらず、ナッツ類、鎮痛剤、抗生剤にもアレルギーを併発していることが普通です。
参考までに、成人の大豆アレルギーの場合には、大豆の採血は「glym 4」と呼ばれる項目で判断致します。
小児では「glym 4」が上昇していることが珍しく、逆に言えば、上昇しているだけでかなりのアレルギーなのです。
5)まとめ
①3歳までにはほぼ治る?
治っていなければ、相談が必要です。
②症状は重くなりやすい
注意が必要で、経口免疫療法が出来るクリニック・病院を選びましょう
③大人の大豆アレルギーは他のアレルギーも起こす
ナッツ類、鎮痛剤、抗生剤アレルギーを併発していることが多いです。
アレルギーマーチは大変なのです
【参考文献】
①海老澤元宏編. 症例を通してまなぶ年代別食物アレルギーのすべて 改訂2版.
② Turnbull JL, etal. Review article: the diagnosis and management of food allergy and food intolerances. Aliment Pharmacol Ther. 41(1):3-25, 2015.
③P. Taramarcaz, etal. Soy anaphylaxis. 56;8, 2001.