魚アレルギーとは
子どもの頃から魚を食べると唇が腫れていたが、唇が腫れるくらいなので、子どもが出きてからも、そのままにしていた。
いつもと同じタラを食べただけなのに、呼吸が苦しくなり、全身真っ赤になって動けなくなって、救急車で運ばれた。
近くのクリニック受診し、採血をしたが、魚に反応していると言われただけ。
うちでは対応出来ないと大学病院を紹介されたが、大学でもうちで対応する病気ではないと言われ、症状が出たら救急車を呼ぶようにと言われただけ。
どの魚を食べて良いのか、日常生活をどうして良いかわからず、常に不安。
1)魚アレルギーの成分は共通
魚のアレルギー成分(主要成分:パルプアルブミン)は全魚種共通です。イメージで言えば、魚によって、アレルギー成分の多い少ないの違いがあるだけ。
さらに、アレルギーは体に入った量(食べた量)、その時の体調で、ものすごく症状が変ります。一般的に、アレルギー成分が少ない傾向にあるのが、サケやマグロですが、その時の体調や食べる量によって症状は変化します。魚アレルギーの方が、いつもは大丈夫だったは通用しません。
つまり、個人の体調などによって大きく変わってくるので、何の魚は良くて何はダメと言った分類をするのは、日常生活においては意味がありません。
2)世の中では、魚の色で分けている
つまり、サバアレルギーは存在しないことになり、「青魚はダメだけど、白身は良い」は間違い。10年以上前はこのように言われることも多かったですが、魚の身で分けるのは全く意味がありません。
なぜなら、俗にいう「サバに当たった」のと、混同されているから。青魚は、陸揚げされて時間が経つと、アレルギーに似た症状を起こす物質(ヒスタミン)を体内で作ります。このヒスタミンを多く含んだ魚を食べると蕁麻疹が出ますが、これは「青魚に当たった」だけ。
アレルギーではないので、運が悪くない限り、2度起きることはありません。
3)食べられない
魚アレルギーは、自然には治りません。
さらに、顔が腫れることが多いですが、腹痛・嘔吐や呼吸に症状が来たす場合も多くあります。これが、結構重い症状で、本人は苦しいです。
甘く考えない方が良いと思います。
子どもでは、食べて慣らす方法(経口免疫療法)で治る場合もありますが、他の食べ物より長い期間が必要で、3~4年はかかります。
経験的にですが、「カレイの煮つけ」はかなりの頻度でアレルギー症状を起こすので、最終段階で主治医と相談の上で試してみるのが良いでしょう。
成人の場合にも、食べて慣らす方法(経口免疫療法)でかなりの量を食べられるようにはなりますが、そもそも食べて慣らす方法(経口免疫療法)を続けることが出来た方は見たことがありません。
4)加熱してもダメ
魚のアレルギー成分は、主成分のパルプアルブミンを含めて全て「耐熱性、水溶性」です。つまり、「熱に強く、水に溶けます」。
加熱してもアレルギー成分は死なないので、食べることは出来ません。さらに、味噌汁やスープにもアレルギー成分が溶けます。魚そのものを食べなければよいのではなく、「魚を使った料理自体が食べられない」のです。
成人の場合、魚アレルギーだと思われていても、寄生虫のアニサキスアレルギーのこともあります。
この場合も、生きたアニサキスが胃に噛みつくアニサキス症ではないので、加熱しても症状が出ます。
5)だから、これが必要です
①魚アレルギーは、自然には治らない
小児の場合、「何歳まで食べなければ~」は全く意味がありません。自然治ることはないからです。
②食べられないものは食べられない
治らない一方で、魚を食べなければ症状は出ません。
③本人は「魚が嫌い」
ちなみに、卵アレルギーの子は「鉄の味がする」、牛乳アレルギーの子は「カルピスは辛くて飲めない」と、言います。
体が敵だと思っているものなので、基本的に身体が「拒否」です。